第13回(平成12年)「人事院総裁賞」職域グループ部門受賞者
 
 
「薬物密売組織を摘発し、薬物乱用防止に貢献」
 不正薬物の密売組織や密売手口の全貌を解明するため、数回にわたる一斉捜索、危険を伴う譲り受け捜査を含む継続した動向監視を行い、東海地区で最大級の組織を摘発し、保健衛生上の危害防止に大きく貢献したことが認められました。
 

東海北陸地区麻薬取締官事務所イラン人薬物密売事件特別 捜査本部
【業務内容】
 近年、薬物乱用拡大の一大要因となっているイラン人による薬物密売は、全国でも名古屋市内を拠点とする集団が最も盛んで、人の行き交う路上で薬物を密売し、多額の収益を得て組織は巨大化していました。これら組織の壊滅と集団の一掃を期するため、平成11年4月、全国の事務所から応援を得て、東海北陸地区麻薬取締官事務所に「イラン人薬物密売事件特別 捜査本部」を設置し、本部長以下17名の布陣で捜査を特化、集中化させ、全力を挙げてこれに取り組みました。
【代表者】 本部長 西山 孟夫
【職員数】 17名
 
 特別捜査本部は、密売の動向を把握するために、休日も返上し、ねばり強い尾行や張り込み、また、危険を伴う譲り受け捜査も含む継続した動向監視を行った結果 、東海地区における最大級の集団を摘発しました。このことにより、この地区の薬物密売を沈静化させ、保健衛生上の危害防止に多大な貢献をしました。
 
受賞の感想をお願いします
 大変名誉なことで光栄です。イラン人薬物密売事件特別 捜査は、全国の麻薬取締官事務所の協力の下に推進されましたので、麻薬取締官一同、喜びを分かち合っています。厚生省の地区麻薬取締官事務所が設立されてちょうど50年目を迎え、折からの省庁再編に伴い厚生労働省の地方厚生局麻薬取締部として再出発しようとしている意義深い節目のとき、この賞は、全国の現役麻薬取締官のみならず歴代取締官のこの仕事への情熱とたゆまぬ 努力に対し賜ったものとして、また、薬物乱用者の増加が憂慮される中、麻薬取締官に一層の努力と奮起を促す激励でもあると重く受け止め、任務に精励したいと思います。
 
仕事をしていて、充実感ややり甲斐を感じるのはどのようなときですか
 長期間の粘り強い張込みや尾行の末に、薬物の保管場所を突き止め検挙したときなどは、感動を覚え達成感や充実感がみなぎり、それがまた次の活動への原動力となっています。また、以前に逮捕したことのある人が突然事務所に訪ねて来て「どうしてもクスリを止められなかったのに、逮捕されて止めることが出来た。捕まって本当に良かった。もし捕まっていなかったら、どうなっていたか分からない」と感謝されたときほど、喜びを感じ、取締官をしていて本当に良かったと思ったことはありません。
 
国民に知ってもらいたいことはありますか
 次代を担う青少年の多くが薬物に走り乱用が拡大しつつあることは、21世紀社会を乱す原因になりかねないと大変心配です。薬物乱用の流行は、拡大してしまってからでは取り返しがつきませんが、薬物問題への真剣で正しい取り組みは、必ず後世に遺産として残ります。  薬物犯罪の捜査では、関心はともすれば薬物の大量押収に向けられがちで、それら薬物の供給を絶つことはもちろん重要ですが、乱用者が存在する限り密売は後を絶ちません。麻薬取締官は、常に末端乱用者に対しても厳しい目を向け、根気よく需要の芽を摘む地道な活動を続けています。


逮捕したイラン人と同人が所持していたパスポート
 

薬物密売人の動向監視をする取締官
 
 
 
-総裁賞受賞者一覧に戻る-