第14回(平成13年)「人事院総裁賞」職域グループ部門受賞者
 
 
「育て、さとうきび」
 さとうきび育種研究部門は、南西諸島における最重要作物として位 置付けられているさとうきびの育種研究を担当しており、優良品種の育成に優れた業績を上げています。特に、早期及び晩期に収穫可能な品種の育成により、製糖工場の操業率や収穫機の稼働率の向上をもたらすなど、南西諸島の産業振興に貢献したことが認められました。
 

農業技術研究機構九州沖縄農業研究センターさとうきび育種研究部門
【業務内容】
 さとうきび育種研究部門は、昭和22年に設置(鹿児島県西之表市)され、昭和41年にさとうきびの育種を開始して以来、南西諸島向けのさとうきび育種研究を担当しています。
 種子島の南に連なり琉球弧とも呼ばれる南西諸島では、台風、日照り、痩せた土壌など、厳しい自然に耐えることができるさとうきび栽培と製糖が主な産業です。  同部門は、厳しくて美しい自然を受け入れながら、さとうきび農家と製糖産業がともに豊かになるよう、さとうきびの品種改良や栽培技術の開発に取り組んでいます。
【代表者】 研究室長 杉本 明
【職員数】 11名
 
 さとうきび育種研究部門が担当しているさとうきびは、南西諸島の最重要作物として長い栽培の歴史を有し、現在普通 畑面積の5割強、農業戸数の7割強を占め、製糖業など地域の関連産業への波及効果 も大きく、島民の生活基盤を支えている作物です。  同部門では、このようなさとうきびについて、台風や病害により強く、糖分と収量 が高く、かつ、収穫作業も容易な優良品種の育成に優れた業績を上げており、特に、収穫時期が短期間に集中していた従来品種を改良し、早期及び晩期に収穫可能な品種を育成したことにより、製糖工場の操業率や収穫機の稼働率の向上、野菜作との輪作体系の確立、生産コストの低減を可能にするなど、南西諸島における産業振興に貢献をしました。
 
受賞の感想をお聞かせください
 この賞は権威ある、意義深い賞と聞いておりましたので、受賞の知らせを受けたときは、私たちの職場、仕事が評価された結果 だと思ってうれしさが込み上げてきました。その一方、今後の責務に対して緊張も強く感じました。作業は、きつく、危険を伴う仕事ですが、私どもの研究の社会的、歴史的な任務を理解していただけたことを実感し、職務遂行への自覚を新たにしたところです。
 
これまでの業務を通じて、特に苦労されたことは
 仕事の面白さと裏腹ですが、業務内容の広さ多様さ、仕事の成否が地域の生活に直結する任務の重さなどは大きなプレッシャーです。日々の仕事では、多種・多量 の材料を栽培し評価するための圃場の効率的な使用計画や、試験目的に応じた圃場の性質の維持、ここ数年急速に拡大した調査業務を正確迅速に実施することなどに心を砕いています。つらいのは、長期間育成してきた系統が試験の最終段階で台風や病虫害に遭遇して、試験を打ち切らざるを得なくなったときです。
 
国民に知ってもらいたいことはありますか
 琉球弧の島々、海山が碧く美しく、そこにさとうきびがよく似合うことを知っていただきたいと願っています。さとうきびが世界の熱帯・亜熱帯の主要作物であることもそうです。さらに、地球温暖化や食料・石油エネルギーの逼迫の中で、人類が心豊かに生きてゆくためには自然環境の厳しい地域でも生育できる作物が必要ですが、そんな力をさとうきびが秘めていることもお知らせしたいと思っています。私たちは、琉球弧 と、その先に連なる世界の現在と未来を見て仕事をしています。さとうきびの品種改良とはそんな愉しさと緊張に溢れている仕事です。その愉しさ、緊張感も伝えたいことの一つです。


さとうきびの生育特性の評価
 

さとうきび品種及び系統のDNAを解析する研究職員
 
 
 
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