第16回(平成15年)「人事院総裁賞」職域グループ部門受賞者
 
 
「守備範囲は2,200q 空からの海難救助」
 2,200qに及ぶ広大な海域において発生する事件・事故に対応するため、治安の維持、海上交通安全の確保、生命・財産の保護等に従事しており、海難救助においては、厳しい気象条件下で、航空機を正確に操縦しつつ、被救助者を吊り上げる等、迅速かつ的確な人命救助に貢献したことが認められました。
 

第三管区海上保安本部  羽田航空基地
【業務内容】
 昭和28年12月、「館山航空基地」が開設され、中型ヘリコプター2機が配属されました。
 昭和34年7月、羽田空港の供用が再開されたことに伴い、館山から羽田空港内に移転し、名称を「羽田航空基地」と改め、その後、随時航空機の代替、増強等を行い、現在は飛行機5機、ヘリコプター3機を保有する、海上保安庁最大の航空基地となっています。
 現在の羽田航空基地では、当庁唯一のジェット機を保有し、国内の海難に限らず、パラオ諸島で発生した邦人ダイバー行方不明事案への対応にあたるなど、海外進出の活動を含め、一年中24時間出動態勢を維持し、昼夜を問わず人命救助活動等にあたり、これまで7,297回の出動及び582人の吊り上げ救助を行っています
【代表者】 基地長 橋本 博文
【職員数】 113名
 
受賞の感想をお聞かせください
 職員一同、大変光栄なことと感謝するとともに、これまで羽田航空基地において勤務し、航空機の運用及び安全確保に携わってきた諸先輩に敬意を表したいと思います。また、今回の受賞は単に羽田航空基地のみの栄誉ではなく、海上保安庁の航空関係全職員が、これまで航空機の安全運航に尽力するとともに、海上保安業務に精励してきたことが評価されたものと思われることから、全航空職員と喜びを分かちあいたいと思います。
 
この仕事のやり甲斐は
 海上における遭難及び海岸での人身事故等は、人命の安全に直結する事案であり、救助を求める側は真に必死です。
 羽田航空基地では、「1分1秒でも早く現場へ」をモットーとしており、迅速な救助活動により人命を救うことが出来た時は、使命が達成された瞬間であり、やり甲斐や達成感といった言葉だけでは語り尽くせない喜びがあります。
業務を行う上で、特に苦労されることは
 羽田航空基地では、海上保安庁で唯一の機種である「ファルコン900」と「サーブ340B」という飛行機並びに他航空基地が保有していない「スーパーピューマ」というヘリコプターを保有しているため、全国展開の海上保安業務を支障なく遂行しつつ、裏では操縦士及び整備士等の資格保有者の育成や資格を取得する職員各個人の地道な努力が行われています。
特に思い出に残っていることは何ですか
 特筆する海難救助作業として、平成11年10月19日に発生した「八号幸栄丸」転覆海難事案があり、静岡県下田市石廊埼の南東約50海里(約93キロメートル)の洋上で、午後10時頃、2名乗り組みの一本釣り漁船が転覆し、乗組員2名がボンテンと呼ばれる浮きに体を縛り付け、海上を漂流、救助を求めるという事案がありました。情報を入手後、共に赤外線捜索監視装置を備えた、飛行機とヘリコプターの2機を現場に向かわせましたが、現場海域は、風速20メートル以上の風が連吹する大しけで、天候は雨、月明かりも無い暗夜で、航空機の夜間監視能力が強化されるまでは発見は極めて困難でした。
 この状況下、飛行機が赤外線捜索監視装置で転覆した該船を発見、同機の誘導によりヘリコプターが現場到着し、海上を漂流する乗組員2名を赤外線捜索監視装置で発見、特殊救難隊員を降下させて吊り上げ救助しました。
 本件は、暗夜、荒天という極めて困難な状況下で、赤外線捜索監視装置を有効に活用し、飛行機とヘリコプターが連携して救助に成功した事例として記憶に残っています。
国民に知ってもらいたいことはありますか
 海上保安庁は、通常、国民の目に触れない洋上で活動しているため、具体的な業務内容については理解されていません。また、海上保安庁といえば巡視船の印象がありますが、全国で29機の飛行機と46機のヘリコプターを運用し、海上における人命救助活動、犯罪の防止、治安の維持及び海上交通の安全確保など多岐に渡る活動を行っており、全国で約12,000人の海上保安官が、365日24時間出動態勢で、海上における安全確保にあたっています。
今後の抱負をおきかせください
 今回の受賞は、職員の海上保安業務への熱意と、航空機安全運航への努力が一つの結果として実ったものであると思います。また、基地創設50年という一つの節目の時期の栄誉ある受賞ですが、結果として考えることなく、一つの通過点として認識し、引き続き海上における人命救助活動等、海上保安業務に全力を尽くすとともに、航空機の安全運航にも万全を期し、今後も国民の奉仕者たる理想の公務員として、国民の信頼に応えるべく業務にあたる所存です

波風の影響を考えつつ、ワイヤーを操作
 
 
 
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