第17回(平成16年)「人事院総裁賞」職域グループ部門受賞者
 
 
「地域住民に大きな安心、懸命の復旧」
 鹿島台出張所は、平成一五年七月二六日に発生した宮城県北部地震に際し、不眠不休で鳴瀬川の堤防の被災状況の把握、応急復旧作業等を指揮し、更に八月一五日までの間二四時間態勢で緊急復旧工事を行うなど、被害の拡大防止と二次災害の防止に貢献したことが認められました。
 

 東北地方整備局
北上川下流河川事務所鹿島台出張所
【業務内容】
 鹿島台出張所は、鳴瀬川及び吉田川の総延長三○・八キロメートルを管轄し、施設の点検、許認可事務、パトロール、防災業務などの河川管理と河川改修、維持修繕、災害復旧などの河川工事を行っています。
 出張所のある宮城県中北部鹿島台町周辺は、台風などの出水による大きな被害が過去に幾度か発生しており、近年では、昭和六一年八月の洪水で越水破堤し、甚大な被害を受けた地域です。そのため、洪水や地震発生時は緊急かつ的確な対応が求められ、出水時等には職員は昼夜を問わず被害防止に努めています。
【代表者】 出張所長  芦 萓 昌 弘
【職員数】 4名
受賞の感想をお聞かせください
 今回の名誉ある受賞に職員一同、大変感激しています。平成一五年の災害発生時には、東北地方整備局管内からの多数の応援者、関係自治体、地域住民の皆さん、工事の施工業者など多くの方々のご協力とご理解があって被害の拡大防止、二次災害の防止ができました。そのような中で、今回の当出張所の受賞は、これら関係者の方々を代表しての受賞と思っています。
 国土交通省には、私たち河川事業に携わる出張所の他に道路関係や海岸関係の出張所もありますが、今回の受賞は、それら出張所に働く職員にとっても大きな励みになるものと考えています。
 
この仕事のやり甲斐は
 平成一五年の地震では、職員はもとより施工業者の方など立場の違う人達も二四時間態勢で一刻も早い復旧という同じ目標に向かって努力しました。その結果、いろいろな困難があったものの、業務を遂行していくうちに一体感が生まれたと感じたときは、疲労した体が癒されるような感覚でした。
 また、昨年は台風が記録的に多く、数多くの被害が日本全国で発生しましたが、平成一五年の地震で被災した堤防も含め、当出張所管内では出水による被害がなかったことは、災害復旧工事で完成した堤防がその機能を十分発揮したことの証明であり、皆の努力の結果であると感激しているところで
す。
 
業務を行う上で、特に苦労されることは
 最も心配だったことは、復旧工事を行う場所は住宅が近接しており、地震により数多くの建物が倒壊するなど住民の方々が精神的にも肉体的にも非常に疲労されている状況の中で、緊急工事として夜間の作業を行う必要があったことです。可能な限りの配慮はしたものの工事に伴う騒音や振動、投光機による照明などでご迷惑をかけざるを得ませんでした。幸いにも住民の方々は、災害復旧であるという工事の目的を十分理解され、多くの点について我慢していただき大きなトラブルもなく、復旧工事を施工することができました。また、二四時間態勢が続く中、職員の健康管理も非常に心配な点でしたが、大きく体調を崩すことも無く、職員全員が業務を無事遂行できて大変良かったと思っています。
特に思い出に残っていることは何ですか
 前震(震度六弱)による堤防点検実施中に本震(震度六強)が発生したため、「大きな地鳴りの後に地震が発生し、立っているのも困難な状況だった。その後も地鳴りと揺れが何度も繰り返し、非常に恐怖を感じた」と話す職員もいました。また、地震後の堤防点検は、出張所職員等による情報把握業務を行っていましたが、幸いにもけが人が一人も出なかったことが、その後の応急復旧作業を迅速に対応できた要因の一つであったと強く感じています。
国民に知ってもらいたいことはありますか
 一点目は、「堤防があるから絶対安心だ」という考えを持たないで欲しいということです。堤防は、経済性や施工性、管理のしやすさなどの点から土で建造しているため、今回のように大規模な地震では壊れることもあり、昨年の全国的な台風被害で発生したように計画した以上の降水量が発生する場合には、洪水が堤防から溢れたり、破堤することもあり、百パーセント安全ではないということです。
 二点目は、各種災害に関する情報に関して国土交通省や自治体、気象台などの各防災担当機関では、水位や雨量情報などを提供しており、住民の方々も常日頃からこの各種情報について興味を持っていただき、災害等が予想される場合、自分達はどうしたら良いかを考え、避難などの行動をしていただけたらと思っています。
今後の抱負をお聞かせください
 今回の地震災害に関しての業務は大変厳しいものでしたが、多くの反省点や教訓があり、今後の防災対策業務を行っていく上では貴重な体験だったと思います。今後は、いろいろな機会を通じて各防災担当機関・職員等に今回の地震対策業務を広く伝えていき、何らかの参考にしていただければと考えています。
また、今回の表彰を契機として、我々が行っている業務の必要性・重要性を改めて再認識したところであり、職員一同「治水事業により国民の方々の安全・安心を確保する」との確固たる信念を持って今後の業務を遂行していきたいと思います。



夜間におけるシート掛け作業
 
 
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