第18回(平成17年)
 
 
受賞者に心から感謝
 
林  文子 
株式会社ダイエー
代表取締役会長兼CEO
 
 昨年に引き続き選考委員を拝命した。今年も全国から寄せられた推薦内容を拝見し、新たな感動を頂いた。こういう言い方は適切ではないかも知れないが、毎年選考委員会がとても楽しみだ。と同時に大変な緊張感の中で朝を迎える。永年自動車の小売りの現場で働いてきた私には、地道に日々コツコツ積み上げる仕事をなさっている公務員の方には特別な思い入れを持つ。推薦された方々の個人、職域部門の業績を前にして、心からの尊敬と、一国民としての感謝の念を持たずにはいられない。この選考会は私にとっても、まことに意義深く、また大切な時間だ。個人部門については、今年も2名の方が選ばれた。昨今外国船にからんだ困難な問題が増加、その中での海上保安庁法改正は慎重且つ厳しい決断が要求される。海上保安大学校教授の村上暦造さんは長年の研究によって培った見識をもって法制整備に寄与された。また海上保安大学校の教官として学生の育成に尽力、多くの優秀な幹部海上保安官を第一線に送り出した。誠に申し分のない業績である。内閣府大臣官房人事課辞令専門官の河東純一さんであるが、辞令書の参考を見せて頂いたが、選考委員一様に感嘆の声を上げられた。こういう地味な、しかし日本文化の伝統を守る仕事に30数年一筋。品格のある書体は芳しく、美しい。短時間に正確に作成せねばならない官記等、今まで20万枚を超えて作成。そのご努力に、満場一致の推薦となった。
 職域部門の受賞は3団体。悪質犯罪が増加の一途をたどる社会状況にあって、犯罪鑑識の重要性が高まっている。足痕跡資料、写真資料、身元資料等、鑑識資料データベース作成は忍耐を要求される困難な作業であることは想像に難くない。刑事局鑑識資料グループの長年の犯罪捜査に対する貢献が評価された。安心、安全な社会づくりに更に寄与されることを願う。次ぎに、四国地方整備局柳瀬ダム管理支所の皆さんだが、情報技術の現代において、劣悪勤務状況下のダムのゲート操作という、人力に頼るしかない仕事にある種驚きを覚える。選考委員からも機械化出来ぬものかとの声があった。しかしこれが現実なのだ。永年のご努力に心から感謝したい。沼田病院巡回診療運営委員会の昭和45年11月より今日まで、山間へき地の無医村地区への巡回診療。山坂も悪天候も省みず、営々と地道に診療を続けるのは、大いなる使命感がなくては到底できない。巡回を待つお年寄りを思うと末永く継続されることを願って止まない。
 このほか選に漏れたが、がん治療の世界初の重粒子線治療を開始した重粒子線医科学センター同推進チーム、近畿中国四国農業研究センター傾斜地カンキツ栽培研究部門など、受賞されなかったが選考委員から賞賛の声が多くあったことをお伝えしたい。
   (人事院総裁賞選考委員)

 
 
 
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