第19回(平成18年)「人事院総裁賞」職域グループ部門受賞者
 
 
「漁業を守る」不正を許さぬ厳しい気持ちを海に向けて
 漁業取締グループは、我が国の排他的経済水域内等で違法操業を行う外国漁船の取締りを行っています。取締りは、外国漁船からの投石などの妨害、取締船への体当たり、逃走など危険と困難を伴いますが、職員は強い責任感を持ってこれに当た
り、漁業秩序の維持や水産資源の保護など、漁業の健全な発展に貢献したことが認められました。
 
水産庁 九州漁業調整事務所 漁業取締グループ
【業務内容】
 九州漁業調整事務所は、昭和22年に農林省水産局福岡事務所として設置され、昭和53年に現在の名称に改称されまし た。
 漁業取締グループは、所長以下、担当次長、漁業監督課、白萩丸・白鷗丸ほか10隻の漁業取締船で構成され、九州・山口沖合海域における漁業秩序の維持を図り、適切な水産資源の管理・保存に資するため漁船に対する指導・取締業務を洋上と陸上が一体となって行っています。 
【代表者】 木實谷 浩史 所長 
【職員数】 80名
☆受賞の感想をお願いします
 職員一同、今回の名誉ある受賞を心より感謝するとともに、漁業秩序の維持のために昼夜を分かたぬ地道な努力による成果を着実に積み上げてこられた諸先輩方の尽力のたまものであることを改めて強く感じています。
 今回の受賞は一事務所だけでなく、水産庁の漁業取締活動全体を評価していただいたものと考えており、すべての取締関係部局職員とともに喜びを分かち合いたいと思います。
 
この仕事のやり甲斐は
 長年、韓国・中国漁船による無秩序操業に泣かされてきた日本の漁業者の中には、我が国が取締権限を有する新協定の発効により、本当の意味で日本に「海」が還ってきたとの思いが強いと聞いています。我が国の漁業者の方々から「水産庁のおかげで、自分たちの海である日本の水域で安心して操業できるようになった。」との信頼とお褒めの言葉をいただけることが、何よりの喜びです。
業務を行う上で特に苦労されたことは
 平成11年及び12年に韓国及び中国との新協定が発効し、我が国排他的経済水域内で、立入検査から拿捕に至るまで、本当の意味での漁業取締業務を行うことが可能となりました。このため、外国漁船の操業条件・手続規則などの新たな制度や関係法令への習熟をはじめ、関係機関との連絡調整などを手探りの中で一歩ずつ進め、試行錯誤しつつも新たな取締体制を構築してきました。
特に思い出に残っていることは何ですか
 新協定の発効までは、韓国漁船の我が国漁船への操業妨害が多発し、冬季の対馬周辺では数百隻もの中国漁船が集団操業し養殖施設が被害を受けたりしていました。旧協定の下では、警笛などによる注意喚起と相手国への指導要請に限られていたため、我が国漁業者の方々からは「やりたい放題の外国漁船を何とかできないのか!」と厳しく叱責されながらも、切歯扼腕の日々でした。よく怒られて顔馴染みになった漁師さんから、取締りに対して感謝の言葉をかけられるようになるとは、当時は全く想像もできないことでした。
国民に知ってもらいたいことはありますか
 漁業取締船は、1年365日、昼夜の別なく、揺れる洋上で取締りを行っています。新協定発効後、我が国周辺水域は徐々に秩序を取り戻しつつありますが、少しでも取締りの手を緩めれば、無秩序な海に逆戻りしかねません。職員一人一人が日本の漁業・水産資源を守るとの信念に基づき職務に励んでいます。
 国民の皆さんの目に触れることのない職場ですが、店頭に並ぶ魚介類を見る時に「このサカナを獲った日本の漁師さんが安心して操業できるように働いている公務員もいるんだな。」と思い起こしていただければ幸いです。
今後の抱負をお聞かせください
 本年は、我が国周辺海域における海洋秩序の大転換点となった国連海洋法条約の批准から10年の節目の年です。「海の憲法」とも呼ばれるこの条約は、沿岸国に対して、排他的経済水域を設定して主権的権利の行使を認める一方、この水域の生物資源を適切に保存・管理する義務を課しています。私たちは、国民が広くこの権利に基づく恩恵を享受し、我が国の水産資源を将来にわたって受け継いでいけるよう、今後も職員一丸となって日々の業務に精励していく所存です。

外国漁船に対する立入検査
 
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