第20回(平成19年)「人事院総裁賞」職域グループ部門受賞者
 
 
職員の思いは一つ -未来を背負う子の生命を守るために-
 香川小児病院は、全国に先駆けて新生児専用のドクターズカーを導入、運営するとともに、365日24時間、すべて受け入れて時間外診療を実施しています。全国で最も高かった香川県の乳児死亡率は、病院発足後全国一の低死亡率となるなど、住民生活の安全と安心に貢献したことが認められました。
 
独立行政法人国立病院機構 香川小児病院
【業務内容】
 香川小児病院は、昭和50年4月に中国四国唯一の小児専門医療施設として再発足しました。当時の香川県の乳児死亡率は全国ワースト一位でしたので、特に救急医療に全力を注ぎました。“年間365日24時間、すべての患者さんを受け入れる”をコンセプトとし、救急呼び出しに備え当番制で自宅待機を行うなど全職員協力の下で取り組みました。
 さらに救命機器を備えたドクターズカーを導入し、四国四県の医療機関からの要請に応じて医師、看護師が乗り込み「いつでも・どこへでも」迎えに行き、24時間態勢で新生児集中治療室(NICU)に搬送する体制を整えました。出動は主に新生児の搬送で年間120件~180件を数えます。
【代表者】 中川 義信 院長 
【職員数】 425名
☆受賞の感想をお願いします
 今回の受賞は当院が30年以上にわたり行ってきた小児医療が地域医療に貢献できたことを認められたことと誇りに思います。歴代の病院長先生方をはじめ長年苦労を共にした多くのOB、すべての職員の努力と献身が認められたものと改めて強く感じると共に喜びを分かち合いたいと思います。
 
この仕事のやり甲斐は
 小児救急医療や母体搬送も含めた周産期医療が社会的に問題になっている今日、一人として断ることなくすべてのこどもたちを受け入れられることにやり甲斐があります。発足当時は約3千人であった時間外救急患者数は、現在では年間二万人近くとなりました。1,000gに満たない小さな赤ちゃんがNICUで治療を受け、無事に家庭に帰り、家族から成長の記録や写真とともに感謝の言葉を述べられた時などは何よりの喜びです。
業務を行う上で特に苦労されたことは
 昭和50年、小児医療へ足を踏み入れた時スタッフはわずか医師7名でした。365日1日24時間すべての患者さんを受け入れる精神はこのときに培われ、現在まで脈々と受け継がれています。まもなく新生児医療も開始し、新生児搬送から救急患者の手術等の膨大な仕事量を限られたスタッフでこなすなど、当時の苦労は言い現せないほどのものでした。
特に思い出に残っていることは何ですか
 全国に先がけて救命救急システムを作り上げ取り組んだ成果として、昭和54年には香川県の乳児死亡率が全国一位の低死亡率を達成したことが一番の思い出です。その後も3度全国一位を達成し低水準を維持しています。
平成15年度には新たに産婦人科の設置が認められた結果、出生前から新生児までの総合的な治療を行う基幹施設として、同年12月に四国で最初に、国立病院・療養所では全国で初めて総合周産期母子医療センターとしての指定を受けました。以後「生命を助ける」から「後遺症をいかに減らすか」に視点を移し新生児・小児医療の向上に努めることができるようになりました。
国民に知ってもらいたいことはありますか
 最近の救急医療の現場では、心ない家族から、身勝手からくる辛辣な言葉や暴力による職員に対する嫌がらせが報告されるようになってきました。一晩で20-50人近くの患者が訪れる救急医療現場をコンビニ病院と誤解し、理不尽な要求を突きつける家族にも悩まされています。小児救急医療を守るためにも国民の皆様方には是非救急医療現場の現状と苦労を理解していただきたいと思います。
今後の抱負をお聞かせください
 すべての職員が、国立病院機構の理念「国民一人ひとりの健康と我が国の医療の向上のために」また、当院の理念「病院職員は病める子供のためにある」「小児病院は未来を背負う子のために」を常に認識し、香川小児病院に勤務していることに誇りを持って職務に当たり、今後とも保健・医療の向上に努めて子を持つ親はもちろん地域住民から信頼される病院でありつづけたいと考えています。

新生児専用ドクターズカーと救急医療班の職員
 
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