第21回(平成20年)「人事院総裁賞」職域部門受賞
 
 
我が国最南端の無人島で、自然の猛威から経済水域を守り続ける
 京浜河川事務所沖ノ鳥島保全事業実施グループは、我が国最南端の孤島である沖ノ鳥島の海岸保全事業を、厳しい現場条件の中で実施し、浸食の危機にある国土を守ることに貢献したことが認められました。
 
国土交通省 関東地方整備局 京浜河川事務所 沖ノ鳥島保全事業実施グループ
【業務内容】
 沖ノ鳥島は、東京から約一,七〇〇㎞離れた我が国最南端の孤島で、約四〇万㎢の排他的経済水域を有するなど、国土保全上極めて重要な島です。島全体は周囲約十一㎞の長楕円形のサンゴ礁で出来ていますが、長年の浸食を受けて満潮時には二つの小島が海面上に残るのみとなっており、近い将来には水没してしまう危機に瀕していました。
 京浜河川事務所沖ノ鳥島保全事業実施グループは昭和六二年から二つの小島の周囲に護岸等の工事を開始し、以後、継続して現地調査や維持工事を実施して、二つの小島が波などの浸食により水没しないよう努めています。
【代表者】 鈴木 研司 事務所長 
【職員数】 11名
☆受賞の感想をお願いします
 職員一同、今回の名誉ある受賞に心より感謝いたします。昭和六二年より行ってきた沖ノ鳥島保全事業に携わった多くの先輩・同僚職員に対して贈られた栄誉だと感じています。また、私ども職員のほか、過酷な現場条件で工事等を行う多くの関係者にとっても、今回の受賞は大変励みになることと思います。
 
この仕事のやりがいは
 沖ノ鳥島のもつ排他的経済水域を示した日本の地図を見ると、その国土保全上の重要性を感じます。また、現地の台風時の状況は想像を絶するもので、このような厳しい環境にある二つの小島を海岸浸食から守る仕事は、国土交通省職員として大きなやりがいを感じます。
業務を行う上で特に苦労されることは
 沖ノ鳥島の工事は強い日差しや波浪など気象条件との戦いにもなります。日陰のない場所での作業は極めて過酷です。また、工事期間中に台風に遭遇する事がありますが、このときは現地を離れ、台風経路を避けながら一週間程度沖合いで待機することになります。その場合には、工事仮設物の保全対策や作業工程の変更など臨機の判断が求められ、限られた工期の中で最大限の工事が出来るよう努力しています。
特に思い出に残っていることは何ですか
 沖ノ鳥島の工事は、私ども職員のほか、複数の工事等施工業者、船長をはじめとする船員が一つの作業船の中で共同生活を行いながら進めていきます。慣れない船上での共同生活も日数の経過とともに打ち解けあい、夕食後の団らんなど、船上での共同生活が良い思い出になっています。
国民に知ってもらいたいことはありますか
 沖ノ鳥島は約四〇万㎢の排他的経済水域を有するなど、国土保全上極めて重要な島です。また、沖ノ鳥島は我が国唯一の熱帯気候であるとともに、太平洋上の孤島で、陸地の影響をほとんど受けない環境にあります。このような特徴のある沖ノ鳥島では、島の保全対策や今後の利活用検討のための基礎的な調査・観測が行われているほか、日本のみならず国際的にも意義のある防災・学術の観点からも様々な実験が実施されています。
今後の抱負をお聞かせください
 沖ノ鳥島の護岸コンクリートは施工後二〇年近くが経過し、厳しい気象条件の影響により、剥離やひび割れなども発生しています。二つの小島を海岸浸食から守るために、点検や補修工事がますます重要になっています。今まで蓄積してきた沖ノ鳥島特有の工事の経験を生かし、職員一丸となって沖ノ鳥島の保全に取り組んで行く所存です。

沖ノ鳥島全体写真

位置図
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