第22回(平成21年)「人事院総裁賞」職域部門受賞

 

 

美しく安全な海を守り続けて−海の掃除屋−

 

 海洋環境整備事業実施グループは、船舶が輻輳し、閉鎖性海域である瀬戸内海において、長年にわたり浮遊ゴミ・油の回収作業を行い、航行船舶の安全の確保や海洋環境の保全に貢献したことが認められました。

 

四国地方整備局、高松港湾・空港整備事務所

小松島港湾・空港整備事務所

松山港湾・空港整備事務所

 

国土交通省 四国地方整備局 海洋環境整備事業実施グループ

【業務内容】
 四国地方整備局は、「活力ある四国の実現」、「安全・安心の確保」、「豊かな環境と暮らしを実現」といった地域や国民のニーズに応えていくことを使命として、港湾、海岸、空港の整備等の業務に取り組んでいます。

 「豊かな環境と暮らしを実現」の施策の一つとして、閉鎖性海域の航行船舶の安全や海域環境の保全のため、浮遊ゴミ・油の回収を実施しています。

 同業務は、昭和49年からスタートし、坂出港・徳島小松島港・松山港を基地に3隻の海洋環境整備船を配備して、瀬戸内海及び紀伊水道西部の6,700㎢にわたる海域を担務しています。

【代表者】 小平田 浩司 港湾空港部長

【職員数】 37名

 

 

 

受賞の感想をお願いします

 これまで36年間、浮遊ゴミ・油の回収作業を行ってきましたが、今回、このような大変名誉のある賞を受賞することは、関係者のご協力や諸先輩方の地道な作業の賜物であり、職員一同、感激しています。

 広い海の中での浮遊ゴミ・油の回収作業は、一般の人にはあまり知られていないと思いますが、今回、私たちの日々の活動を理解していただき、関係者の皆様に大変感謝しています。

 今回の受賞は、海洋環境整備事業に携わっている職員の励みになるもので、今後も職員一同航行船舶の安全確保や瀬戸内海の環境保全に専念していく所存です。

 

この仕事のやりがいは

 台風等の豪雨により大量のゴミや流木が発生した時、地元自治体や漁業関係者等から回収の要請があります。

 浮遊ゴミや流木を回収することは、船舶の安全航行の確保や漁業への被害の軽減、また、海岸に漂着するゴミが少しでも減ることになり、こうした取り組みに、地元から感謝の言葉がかけられた時など「期待に応えられた。」とやりがいや達成感を感じます。

 

業務を行う上で特に苦労されることは

 昨年の台風8号は、台湾を直撃し、大きな傷跡を残した結果、黒潮に乗って四国の周辺海域である宇和海や紀伊水道まで流木が流れてきました。流木は航行船舶の支障となることから、早急な対応が必要となります。広い海域や悪天候のなかで流木を見つけるには情報量が少なく苦労しましたが、海上保安部や地元自治体と連携して回収作業に取り組みました。

また、台風九号により発生した浮遊ゴミ対応の時には、お盆休み期間中でしたが、地元漁協等からの要請にも応えるため、職員は帰省を返上して参集し、回収業務を行った結果、1ヶ月間で1年分に相当するほどの浮遊ゴミを回収しました。

 

特に思い出に残っていることは何ですか

 平成16年の台風21号による瀬戸内海中央部の燧灘(ひうちなだ)で発生した大量流木は、瀬戸内海を航行する船舶の運航支障となるばかりでなく、小型漁船等のスクリューの損傷が多発いたしました。
 坂出港を基地とする「わしゅう」も大量の流木を回収するために出動したのですが、収集海域が基地港より遠隔地のため、流木を基地港まで持って帰ると時間がかかることから、近くの港に陸揚げし、職員も船中で寝泊まりし、流木の回収効率を上げました。また、漁業者に流木を集めてもらい、清掃船のクレーンで積み込みを行い、漁業者と一丸となって流木を回収しました。

 また、平成11年には、愛媛県今治港周辺での油回収作業に従事しましたが、現場はゴミと油が一緒に集まっている状況で、回収したゴミに油が付着した状態でした。こうしたゴミは油タンクに入れられないことから、船の航行やゴミの陸揚げ時に油で海を汚すことのないよう、油をゼリー状にするゲル化剤の散布をしたり、オイルフェンスを張る等の処理を行いましたが、ゴミと油の悪臭の中での作業となり、大変苦労しました。

 

国民の皆様に知ってもらいたいことはありますか

 何気なく捨てたゴミが雨により水路に流れ、また、川を伝って海に流れていることを一般の人はあまりご存知でないと思います。

 今回の受賞は、海洋環境整備事業を一般の人に広く知っていただく機会になったと思っています。この地道な活動が船舶の航行安全対策や海の環境保全に役立っていることを理解していただければ幸いです。

 

今後の抱負をお聞かせください

 海洋環境整備事業は、地味な業務かもしれませんが、公務員の業務として、なくてはならない仕事だと思っています。また、今回の受賞は主として本業務に携わる37名のメンバーですが、これまでの諸先輩方の取り組みの成果であるとともに、四国地方整備局全員の名誉であると思います。

 今回の表彰を契機として、海洋環境整備事業の必要性・重要性を職員一同が再認識するとともに、船舶の安全確保や瀬戸内海等の海域の環境保全のために、浮遊ゴミ・油の回収業務に努めていくとともに、市民を対象に見学会や出前講座等で、海の環境問題に関心を持ってもらうことや、ゴミが海へ流れ出てこないよう陸側の関係機関とも連携していきたいと考えています。

  これからも四国地方整備局は、その役割の重要性を認識し、地域や国民のニーズに適切に対応する信頼される組織として業務を遂行していきたいと思います。

流木の積込み状況

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