第22回(平成21年)「人事院総裁賞」職域部門受賞

 

 

国民の皆様の財産・権利をシステムでしっかりガード

 

 登記情報センター室は、全国の膨大な不動産及び商業・法人登記簿を20年以上の期間にわたり粘り強くコンピュータ化し、国民へのサービスの向上に貢献したことが認められました。

登記情報センター室(霞が関)

登記情報センター室(船橋分室)

 

法務省 民事局 総務課 登記情報センター室

【業務内容】
 登記情報センター室は、当時の法務省民事局第一課(現在の総務課)が所掌している法務局及び地方法務局の運営に関する事務のうち登記情報システムの運用及び管理に関する事務を統括する分掌組織として、平成2年6月に同課に設置され、現在に至っています。

【代表者】 中垣 治夫 室長

【職員数】 32名

 

 

 

☆受賞の感想をお願いします

 職員一同、今回の名誉ある受賞につき心から喜んでおります。

 法務省は、昭和47年度から、登記事務の適正・迅速な処理を確保するための方策として、コンピュータによる登記事務処理システムの研究・開発に着手し、昭和63年度から、順次、登記事務のコンピュータ化を進めてきました。コンピュータ化前の事務処理は、登記簿という紙簿冊を中心として行っていたことから、処理の錯綜、登記用紙の抜取り改ざん、滅失等の課題が生じていましたが、コンピュータ化によって、これら諸課題は改善され、国民の皆様から高い評価を得ているものと認識しており、今回の受賞は、今後の更なる改善に向け、関係者の励みになることと思います。

この仕事のやりがいは

 登記制度は、取引の安全のほか、国民の皆様の財産の保護に寄与しており、登記をコンピュータ化し、利用者の皆様の利便性が高まることに、職員としての大きなやりがいを感じます。

業務を行う上で特に苦労されることは

登記情報システムは、登記簿の記載事項をそのままコード化し、記載事項の解析を可能とする画期的なシステムであったものの、その一方で、登記簿の記載事項をそのままシステムに蓄えることとしたことから、約2億7千万筆個の不動産及び約350万社の法人の膨大な登記簿(積み上げると富士山の高さの71倍)について、活用できる資金や人材が限られていたこともあり、各登記所ごとに登記簿の移行作業を実施し、順次、コンピュータ処理を開始していくという方法を採りました。このことから、コンピュータ化の完了まで約20年に及ぶ歳月を費やしたものです。
 この移行作業は、移行対象登記所の登記事務を停止することができない中で作業の正確さが求められ、また、移行作業に際しての過誤により、登記制度利用者に甚大な御迷惑をかけることとなる危険性もあることから、作業に当たっては、極めて慎重を期すことが求められました。しかも、移行作業中にも次々と新たな登記が申請されるため、各登記所のコンピュータ稼動直前の段階で、作業中の移動データを反映する必要があり、作業は困難を極めました。さらに、人名及び地名に使用されている漢字については、通常使用されている文字ばかりではなく、コンピュータにない文字があり、これらの文字を登記情報システムで処理するため、膨大な数の外字を作成し、これを管理する必要が生じ、作業の困難性は一層増すことになりました。

  このような困難な仕事をやり遂げることができたのは、職員の世代交替にもかかわらず、登記制度という我が国の社会基盤を担っているという職員の高い士気と制度に寄せる愛着が脈々と受け継がれてきたという組織風土によるところが大きいと考えます。

特に思い出に残っていることは何ですか

 コンピュータの開発の際に、どのようなものが良いかを様々に思案し、悩んだものが、開発完了後、登記事項証明書の形となって印刷されたときは、感激しました。また、初めてコンピュータを導入した登記所で、利用者の方から「交付が早くなりましたね。」、「見やすくなりましたね。」と感想をいただいたことが思い出されます。

 

国民の皆様に知ってもらいたいことはありますか

コンピュータ化により、登記事項証明書の交付は、従前の紙の処理に比べて格段に早くなり(数十分から数時間を要していたものが、5分から20分程度に短縮)、紙の登記簿のコピーに比べて読みやすく、体裁の整ったものとなったほか、最寄りの登記所から回線を利用して、他の登記所の管轄する物件の登記事項証明書を入手することも可能になりました。また、平成12年度からは、インターネットを利用して、自宅等のパソコンで登記情報を確認することができる「登記情報提供システム」を導入したほか、現在では、次期登記情報システム及び地図情報システムの開発・導入にも取り組み、近時の情報化施策にも対応できる基盤を構築しています。さらに、全国の法務局の職員数については最近10年で約1,700人以上の純減をし、経費面でも次期登記情報システムへの切替えによって、平成23年度には平成15年度比で約130億円の運用経費の節減を見込んでいます。

 

今後の抱負をお聞かせください

  このように登記事務のコンピュータ化により、国民の皆様の利便性を飛躍的に向上させ、登記事務の迅速・適正な処理を確保しておりますが、今後は、日々発展するコンピュータ技術を適切に取り入れ、日々のシステムの安定稼動のほか、国民の皆様の信頼にこたえるための基盤作りにこれまで同様粘り強く取り組んで参りたいと考えます。

 プログラム動作確認テストの様子

 

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