第25回(平成24年) 人事院総裁賞「職域部門」受賞

海上保安庁 海洋情報部海洋調査課 大陸棚調査室、 

測量船  「昭洋」「拓洋」「明洋」「海洋」

  大陸棚調査室等は、25年にわたり広大な海洋を調査し、膨大なデータの分析を進めた結果、国際委員会で大陸棚延長が認められ、我が国の海洋権益の拡充に大きく貢献したことが認められました。

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大時化(おおしけ)の中の測量船

☆大陸棚調査室や測量船が行っている業務についてお聞かせください。

海上保安庁海洋情報部は、海洋権益の保全や航海安全、環境保全や防災といった多様な目的のため、測量船による水路測量や海象観測を実施し、得られたデータを基にして海図等を刊行し、情報提供を行っています。

大陸棚調査室は、昭和58年に設立されて以来、大陸棚の延長申請に必要な海底地形等に関するデータ収集とその解析において中心的な役割を果たしてきました。平成20年に大陸棚延長申請のための調査が終了してからは、東シナ海など調査データの不足している海域で海底地形等の調査を行っています。

☆大陸棚の延長が認められたことは、どのように評価できるのでしょうか。

大陸棚延長申請を審査するために国連海洋法条約に基づき設置された大陸棚限界委員会は、我が国の大陸棚延長に関する申請に対し、平成24年4月、4海域で合計約31万平方キロメートルの大陸棚の延長を認める勧告を行いました。これにより、海底鉱物資源等の開発等において我が国が主権的権利を行使できる領域の拡大が国際的に認められたことは、我が国の海洋権益の拡充に向けた重要な一歩と評価されているところです。

☆日々の業務の中で特にご苦労の多い点、心がけている点をお聞かせください。

陸から遠く離れた海域での調査航海は、3週間以上にわたり無寄港になることが通例で、この間、家族と連絡も取れません。また、交替しながら24時間休みなくデータを取り続けるため、機器が故障するとデータが欠けないように、寝ていても起きて全員で対応します。さらに、調査を行う外洋域は船の揺れが激しいのですが、船が揺れるとデータの精度に影響があるため、職員の体調の維持だけでなく機器の保守とデータの品質には気を使っています。

☆今後の業務への抱負をお聞かせください。

大陸棚延長申請に必要な調査は、平成20年で終了したところですが、海洋権益の保全という観点からは、我が国を取り巻く領海と排他的経済水域の面積は447万平方キロメートルと領土の12倍にのぼり、その中にはまだ調査データの不足している海域があります。また、近年は我が国の管轄海域への関心や新たな海洋資源への関心も高まっています。このため、引き続き、海洋権益の保全のため、海底地形等の調査を推進してまいります。

 

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