第26回(平成25年) 人事院総裁賞「職域部門」受賞

警察庁 東北管区警察局情報通信部・岩手県情報通信部・

宮城県情報通信部・福島県情報通信部 

 東日本大震災発生後から、警察無線等の通信網を維持し、唯一の通信手段として被災者の避難誘導や行方不明者の捜索、原発事故による避難地域住民の早期避難等に寄与したことが認められました。

  積雪の中、発動発電機用燃料を搬送

☆情報通信部の業務の内容をお聞かせください。
 東北管区警察局の情報通信部門は、局情報通信部と管区内六県情報通信部で成り立っている組織であり、情報通信関係の専門知識、技術を有する警察情報通信職員で構成されています。
業務としては、各県警察活動に必要な情報通信網や警察情報通信施設等の整備、維持管理のほか、犯罪捜査のための携帯電話やパソコン等の電磁的記録の解析などを行っています。また、平素の警察活動を始め、大事故や大規模災害等が発生した際には、迅速、的確に所要の情報通信を確保し
第一線の警察活動を技術面から支援しています。

☆震災直後からどのような取組をされたのかお聞かせください。

震災直後は、あらゆるライフラインが損壊し、寒さや降雪等の劣悪な環境の中で、各種警察情報通信システムの被害状況を把握するとともに、被災者の避難誘導や救助、行方不明者の捜索、原子力災害への対応などの警察活動に必要不可欠な警察無線を途絶させないため、電源の確保や被災警察署等に代替機器を設置するなどの早期復旧活動に従事しました。また、地震発生後、直ちに被災地へ出動し、ヘリコプターテレビ映像の受信や衛星通信システム等の通信機器を運用し、被災状況、住民の避難状況などの映像を警察本部、現地警備本部を始め、警察庁、首相官邸等にリアルタイムで伝送し、情報の収集や伝達を行いました。


☆震災直後の混乱の中で、警察無線等の通信網を維持するために様々な苦労があったと思われますが、特にご苦労の多かった点、ご留意された点は何ですか。
 東日本大震災発生後は、食糧を始めとする物資の調達が困難な状況であり、また、警察情報通信職員も被災者でもありましたが、膨大な警察通信施設の被災状況や警察情報通信機器の動作状況等の確認、応急仮設、障害復旧など長時間に及ぶ過酷な作業を執務室に段ボールを敷いて仮眠をとりながら、一つ一つこなしていきました。特に、電気通信事業者回線が不通となり、加入電話や携帯電話が通話困難になる中、唯一の通信手段となった警察無線の電源確保及び機能維持のため、長い所では1か月以上にわたり、道路が寸断し、積雪が残る山上の無線中継所まで、道無き道を繰り返し非常用発動発電機の燃料を背負って搬送するなどしました。また、福島県では放射線粉じん防護服で身を守りながら、警戒区域内の無線中継所の電源を確保するため非常用発動発電機の燃料搬送や被災警察署等の移転に伴う機器移設作業等に従事しました。危険と隣り合わせの作業ではありましたが、県警察と連携を図り、警察活動への支援に留意した上で警察情報通信の確保に努めました。

☆今後の業務への抱負をお聞かせください。
 東日本大震災の被災地は、現在も復興途上であり、未だに多くの方々が避難生活を余儀なくされております。警察には、行方不明者の捜索活動は勿論、長い悲しみを抱える被災者の方々の心に寄り添い、その期待に応えていくことが求められており、情報通信部門もこの警察活動を支えていきたいと考えています。さらに、今後の非常時においても警察通信を途絶させないことと、いかなる事態にも対応できるよう各種訓練を積み重ね、さらなる技術力の向上に取組むとともに、今回の経験を踏まえ、災害に強い警察通信施設の整備を一層推進し、国民の安全・安心の確保という責務と使命を果たしていきたいと考えています。


☆最後に国民の皆様へメッセージをお願いします。
 情報通信部門の職員は国民の皆様と接する機会は少ないのですが、警察通信活動を通じて警察の活動を正面から支えることで、職員一人一人が国民、県民のために役立っているという使命感と誇りを持って、日々業務に取り組んでおります。警察官の姿を見かけた際には、その活動を支えている警察情報通信職員が日々活動していることも思い出していただければ幸いです。

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