第27回(平成26年)

 

 

人事院総裁賞選考を終えて

 

佃  和夫 

三菱重工業株式会社相談役

 

 昨年に引き続き、本年第27回の総裁賞選考委員会委員長を拝命しました。
 「国民全体の奉仕者としての強い自覚の下に精励し、国民の公務に対する信頼を高めることに寄与した功績を讃える」との総裁賞の意義に照らし、私を含めて6名の選考委員の意見をまとめる役目ですが、資料を拝見して改めて公務員の方々の日頃のご努力に頭の下がる思いが致しました。
 東北震災への不断の復旧活動や、今夏の広島県豪雨災害、御嶽山噴火災害への危険を顧みぬ救助活動は、正に公の奉仕者としての強い自覚が不可欠であり、報道・映像等で幾度も拝見し、その懸命な姿が目に焼き付いております。
 一方で、国民の日々の生活を守るべく、何も起こらないように、黙々と公務にご尽力されている方もおられます。
 公務の信頼を高めるのは、もちろん、発生した災害対応もありますが、国民生活の基盤である我が国の安全・安心な環境やシステムを維持することが肝要であり、この実現に懸命に努力されている方の功績も再認識すべきであろうと思います。
 今年度の選考においては、個人部門7件、職域部門17件の推薦候補がありました。自然災害や、事故からの救助、乳幼児医療や難病、免疫研究への取組、更生者の社会復帰や国事行為への支援等、公務の広さに改めて驚くばかりでした。もちろん候補案件に挙げられたのは、ほんの一握りであり、はるかに幅広い公務に仕えている方々の存在は推し計るに余りがあります。
 目前の命を救う緊急対応や、使命感を持って地道に日々積み上げていく仕事で、毎日の国民の安全が維持されていることに、心より尊敬と感謝の念を表したいと思います。
 この委員会で皆様の日頃の業務の成果である候補案件の優劣を決めるような事は大変むずかしいことでありましたが、各委員の間で色々な視点から真摯に議論した結果、今年度は顕彰候補として個人部門で2件、職域部門で3件を選定いたしました。
今回選に漏れた方々が決して劣っているわけではありません。こうした方々にもきちんと光を当てていく仕組みを是非お願いしたいと思います。
 当然のことですが国が存在する以上、公務には終わりがありません。皆様には後継の方の育成も含めて今後ともご尽力を賜りたいと切に願います。
 「桃李成蹊」という言葉がございます。物言わずとも皆さんの仕事に蹊(こみち)が出来、その後を歩む人達がその仕事を継承し、我が国を無事に支えて下さることに、また、公務の国民への周知により国民の信頼が増すことに、この賞が少しでも役立つことを期待して止みません。


(人事院総裁賞選考委員会委員長)

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