第27回(平成26年) 人事院総裁賞「職域部門」受賞

法務省 旭川保護観察所

沼田駐在官事務所(沼田町就業支援センター)

 全国初の自立更生促進センターとして、地域と一体となって農業体験を通じた人
格の陶冶(とうや)と情操の涵養を図り、保護観察に付された少年等の自立・改善更生を支援してきたことが認められました。

 
 ▲町が運営する農場での実習
 

☆ 沼田町就業支援センターの業務の内容をお聞かせください。

 沼田町就業支援センターは、旭川保護観察所沼田駐在官事務所に附設された宿泊施設で、保護観察中の男子少年を宿泊させて保護観察を行いながら、6か月から1年程度農業訓練と生活指導を行い、その自立と改善更生を助けることを目的としています。このセンターで勤務する保護観察官は、入所少年に対して24時間、365日体制の処遇を行うため、宿直業務を含むシフト制で業務に当たっています。業務の内容は、日常的な生活の指導や個別面接での助言のほか、福祉施設利用者の方との触れ合い活動や、海岸清掃といった社会貢献活動を通じて社会性を身に付けさせる指導などをしています。また、センターに勤務する保護観察官は、管轄地域の保護観察に関する業務も行っています。

☆ 同センターにおいては、少年等の自立と改善更生を図る上で、農業実習を主体とした指導等が行われていますが、このような取組が始められた経緯をお聞かせください。

  これまでも少年院における教育や民間の更生保護施設における処遇の中で農作業や園芸療法、動物の飼育といったことが行われてきました。そしてこれらを通じて、@自然と触れ合うことにより、高い情操教育効果や心情の安定をもたらすこと、A自らの努力が収穫に直接つながることにより達成感を感じることができ、自信や自立の精神を養うことができること、B規則正しい生活習慣の習得や体を動かすことによる健全なエネルギーの発散につながること、C自他の生命を尊重する意識が育まれること、といった効果があるとされており、このようなことから農業実習を主体した指導を行うこととしました。

☆ 保護観察官が24時間365日体制で少年等の指導に当たっているとのことですが、日々の業務の中で、特に御苦労の多い点や、留意されている点をお聞かせください。

当センターに入所する少年等は、非行事実があったことはもとより、虐待等の不適切な家庭環境で成育した過去を持っていたり、心身面での制約があったりと様々な課題を抱えています。
 当センターではそのような少年等に対し、様々な課題に対して解決策を共に模索し、時には厳しく指導することを心掛け、保護観察官が、常時、個々人の課題に応じた指導及び支援を行うほか、日常生活訓練、実習農場での職業訓練などを実施しています。

☆ 同センターの特色として、地域と一体となった支援が行われていることが挙げられますが、地域社会の理解・協力が得られた理由や、特筆すべきエピソードについてお聞かせください。

当センターを開所するに当たり、更生保護を従前から支えてくださった保護司会や更生保護女性会、BBS会の御協力があったほか、地域独自のボランティア団体(沼田明日萌の会、沼田すずらんの会)が発足し、少年等を受け入れる土壌が形成されたことが大きかったのではないかと思われます。
 そのような地域の支えもあり、当センターに入所した少年は夜高あんどん祭りや町民運動会等への参加を通じて地域住民との交流が図られ、社会参加の機会を得られています。また、近年では、地域の養護老人ホーム等での清掃活動等(社会貢献活動)も行っています。

☆ 最後に国民の皆様へメッセージをお願いします。

今回の受賞に際し、まずは当センターを支えてくださっている北海道雨竜郡沼田町の方々、更生保護関係団体の方々に対しまして、改めて感謝の気持ちを表したいと思います。
 当センターでは、入所した少年が自立し、社会復帰できるよう保護観察官が様々な指導・支援を行っています。今回の受賞を契機として、より一層、彼らの再非行防止、改善更生に力を尽くし、犯罪や非行のない安全・安心な社会づくりに貢献していきたいと思っております。

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