第27回(平成26年) 人事院総裁賞「職域部門」受賞

海上保安庁
第三管区海上保安本部 横浜機動防除基地 

  油の流出事故やタンカー火災等によって海上に油・有害液体物質等が流出した際に出動し、引火・爆発の危険がある現場において、迅速・的確に、防除、延焼の防止措置等を実施したことが認められました。

 
 ▲火災船に接近してのガス検知と温度測定

☆ 横浜機動防除基地が設置されることとなった経緯と業務の内容をお聞かせください。

機動防除隊は、平成7年4月、国内で日々発生する油流出事故等への迅速かつ的確な対応及び国際協力業務への対応を目的に、海上保安庁で唯一の海上防災の専門チームとして、第三管区海上保安本部警備救難部救難課海上災害対策室に2隊8名体制で発足しました。その後、平成9年に発生した2件の大規模な油流出事故を受け、平成10年4月、油防除にかかる業務執行体制の強化を目的として、「横浜機動防除基地」が設置され、現在、基地長以下18名の体制となり、来年4月には創設20年を迎えます。
 機動防除隊は、横浜機動防除基地を拠点に、隊員16名(4個隊編成)で、全国で発生する油・有害液体物質等流出事故における防除措置や海上火災の消火・延焼防止措置に関する指導・助言及び関係者間の調整等を実施するほか、必要に応じ自らもそれらの防除措置等を行います。

☆ 海上保安庁唯一の海上防災の専門チームとして、日頃からどのような訓練や準備をされているのでしょうか。

出動時以外は、基地において継続的・計画的に事故対応に向けた資機材の取扱訓練や点検整備、事故発生を想定した屋内外での実働訓練、海上防災に関する事例研究や防除手法の調査研究を行うとともに、出動に備え輪番制で昼夜365日、出動準備体制を確保しています。また、全国各地で開催される海上防災関係者等を対象とした講習会・研修等の講師として派遣され、広く海上防災知識の普及啓発を図るほか、海上防災訓練における技術指導を行い、各地域において油流出事故等が発生した際の対応能力の向上に努めています。


 海上での油等の防除措置等の対応は、有害・危険な状況下で、長期にわたる勤務が必要となるとのことですが、特に御苦労の多い点についてお聞かせください。
  有害物質流出事故の対応においては、隊員の安全確保のため、外気との通気性がない化学防護服を着用し、重装備を身に着けての活動となり、特に夏季には、大量の発汗と著しいヒートストレス(熱を外へ逃がすことができないことが原因で体温制御ができなくなること)を生じ、隊員は熱中症の危険に晒され、また、暗所・狭所などの活動では、常に自らの安全管理に注意しながら活動しなければならない苦労があります。
 そのほか、長期間の派遣では不眠不休での活動や不規則な食事が続くため、隊員の健康管理にも十分気をつけるよう心掛けています。

☆ 国際協力の観点から、機動防除隊が有する知識・技能を活かし、海外における活動・取組も行われているようですが、具体的にどのようなことを行っているのでしょうか。

大規模油汚染事故等の被災国の要請を受け、国際緊急援助隊の枠組みにより海外にて災害応急活動を行っており、最近では、平成25年12月にフィリピンで発生した台風により座礁した船から流出した重油850KL(ドラム缶約4,250本分)の防除のため、国際緊急援助隊専門家チームとして派遣され、流出油の調査・評価及びフィリピンコーストガードに対する対応手法の指導・助言を行いました。
また、政府開発援助(ODA)の枠組みにより主に東南アジア諸国へJICA専門家として派遣され、現地の海上保安機関に対して海上防災に関する技術支援や教育訓練に係る活動を行うほか、海外で実施される海上防災訓練に参加して油防除等に関する技術的助言等も行っています。


☆ 最後に国民の皆様へメッセージをお願いします。

海難事故や人為的ミスによる油等の流出事故は依然として後を絶ちませんが、機動防除隊は、今後も想定される様々な海上防災事案に対し、迅速・的確な対応を実施するため、更なる専門知識の習得と能力の向上を図り、国民の皆様の負託に応えられる組織を目指して参ります。

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