第30回(平成29年) 人事院総裁賞「職域部門」受賞

気象庁 観測部 観測課 気象測器検定試験センター

 70年以上の長きにわたり、気象測器の校正や検定などを通じて防災情報の根幹を支える気象観測データの信頼性の確保に尽力するとともに、国際的にもアジア地域内の気象観測にかかる水準の向上に大きく貢献したことが認められました。

 
 

☆始めに、気象測器検定試験センターではどのような業務を行っているのでしょうか。
 当センターは、気象観測に用いる測器を正確に校正するための業務を通じて、気象庁による観測の信頼性を支えています。気象庁以外の機関が行う気象観測に用いられる測器の検定に関する業務も行います。天気予報、台風情報、気象警報など、気象庁は様々な情報を発表しており、これらのすべての情報の作成には気象観測のデータが不可欠です。正確に校正された測器から得られる信頼性の高いデータは、我が国の防災対応や気象予測に欠かせないものとなっています。
また当センターは、世界気象機関第U地区(アジア)の測器センターに指名されており、域内の加盟国に対する技術指導を精力的に行っています。

☆70年以上の長きにわたり、気象測器の校正や検定などを通じて防災情報の根幹を支える気象観測データの信頼性の確保に尽力されていますが、御苦労された点や、留意されている点をお聞かせください。
 気象測器という機械を扱うには専門的な知識と技術が必要です。扱う測器は数千台以上に上り年間計画に沿ってこれらを確実に検査するためにも、日々の技術研鑽が大切です。その一方で観測や測器の技術革新を注視し、機器の改良に向けた調査や実地試験にも取り組んでいます。
 当センターの仕事においては、測器を校正する際の拠り所となる「基準器」と呼ぶ機器が重要な役割を果たします。保有する基準器を確実に維持・管理するため、職員は、気象測器の正確な検定・校正技術の習得に加え、校正方法にかかる最新技術を業務に応用するための取組を日々行っています。
 また当センターは、平成24年に、試験所・校正機関の国際規格である、ISO/IEC17025の認定を取得しています。

☆同センターは、世界気象機関第U地区(アジア)測器センターの役割を担っていますが、どのような役割を求められているのでしょうか。
 当センターは、担当地区内の各国に職員を派遣しての技術指導や、各国から職員を招いての研修・セミナーを精力的に実施しています。
 これらの取組を通じて、各国の基準器の維持や域内の人材育成を図るとともに、世界気象機関が開催する測器の専門家会合に参画し様々な情報を提供するなど、技術の共有に努めています。

☆業務を通じてやりがいを感じられるのは、どのようなことでしょうか。
 大雨等による気象災害を未然に防いだり、災害発生時の影響を最小限に留めるには、正確な気象状態の把握が不可欠です。これがない限り防災気象情報の的確な発表や数値モデルによる高精度な予測はできません。
 今般、雨の降り方が局地化・集中化・激甚化している状況にあり、国をあげて防災力の向上が取り組まれています。自治体等の対応の拠り所に気象情報が活用されていますし、国民一人ひとりが自らの置かれた状況を把握し、身を守る行動を取るためにも気象情報は極めて有用です。私たちの業務は、様々な場面で活用される気象情報の信頼性を担保する重要なものと考えています。

☆最後に、国民の皆様へメッセージをお願いします。
 私たちの先輩は、明治6年に、気象庁の前身である東京気象台において気象観測を開始して以来、正確な観測の実施を何より大切に考え、不断の努力で業務にあたってきました。
今後とも、気象測器を正確に校正し維持管理することを通じ、防災対応や気象予測に信頼性の高いデータを提供できるよう取り組んでまいります。

▲国外に職員を派遣しての研修

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