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はじめに


人事院は、公務の民主的かつ能率的な運営を国民に対し保障するという国家公務員法の基本理念の下、人事行政の公正の確保と職員の利益の保護等その使命の達成に努め、人事行政の面から我が国の行政の一翼を担ってきた。人事院勧告制度をはじめとする公務員諸制度は、行政運営の基盤として重要な機能を果たしている。

今日、我が国では、グローバル化、高度情報化、少子高齢化等の社会経済情勢の急速な変化の下で、社会経済システムの再構築が行われている。行政組織の再編・合理化、規制緩和の推進、情報公開制度、政策評価システムの導入など簡素、効率的で国民本位の行政運営を目指した改革や、産業競争力強化等のための官民協同での取組が進められている。このような状況の下、公務員の人事管理について、人事院は、関係機関とも連携を図りつつ、時代の要請にこたえ得る制度及び運用の確立に向けて改革に取り組んできている。

人事院は、今後も国民各層の意見を真摯に受け止めつつ、新たな行政運営の下で、公務員が高い倫理観と士気を保持し、国民に良質な行政サービスを提供し得るよう、人事行政における様々な課題に鋭意取り組んでいきたいと考えている。

本報告書では、第1編で平成11年度における人事行政全般について、第2編で同年度における国家公務員倫理審査会の業務状況について記述した。このうち、人事行政全般に係る第1編では、その第1部において、平成11年度の人事行政の主要な動きと今後の課題について概説したほか、平成13年から副大臣・大臣政務官制が導入され、新たな政官関係が求められる中で、政治家と公務員がそれぞれの特質をいかしつつ、適度の緊張関係とパートナーシップをもって政策の企画立案と行政運営に当たる必要があるとの認識に立って、これからの公務員の役割と人事管理施策について記述した。また、同編第2部においては、平成11年度の人事院の業務全般について記述した。

本報告書により、人事行政及び公務員に対する理解が一層深まることを願うものである。

凡例

凡例
人事院の所掌事務及び組織

人事院は、国家公務員法に基づき昭和23年12月に創立された中央人事行政機関であり、人事行政の公正な運営を確保すること、労働基本権の制約に対する代償として職員の福祉、利益の保護を図ること及び専門性に基づいて人事行政の合理的・科学的な運営を確保することを主たる使命としており、このため内閣の所轄の下において強い独立性と中立性を与えられている。

人事院は、国家公務員法、一般職の職員の給与に関する法律その他の法律に基づき、勤務条件の改善・人事行政の改善に関する勧告、職階制、試験、任免、給与、研修、分限、懲戒、苦情の処理、職務に係る倫理の保持等に関する事務を所掌している。

人事院は、人事官3人をもって組織され、そのうち1人は総裁として命ぜられる。人事官は、国会の同意を経て内閣より任命され、その任命は天皇より認証されることとされている。人事院の重要な権限の行使については、この3人の人事官で構成する人事院会議の議決が必要とされている。(平成11年度に行われた人事院会議は111回であった。)

人事院には、職務に係る倫理の保持に関する事務を所掌させるため、国家公務員倫理審査会が置かれている。また、事務機構として事務総局が置かれている。事務総局は事務総長の総括の下に5局(管理、任用、給与、公平、職員)、公務員研修所、8地方事務局(北海道、東北、関東、中部、近畿、中国、四国、九州)及び沖縄事務所から成っており、平成11年度末における職員定数は697人である。

なお、事務総局の組織については、政府の行政改革の方針に沿って、自主的に局課の再編・統合を行い、平成13年1月6日から、1局削減して4局(総務、人材、勤務条件、公平審査)体制とすることとしている。

局の再編・統合については、次のとおり機能別に整理した。

  • 1) 総務局に、人事院全体の官房事務、総合調整及び企画の機能を集中させ、人事行政の政策立案機能の充実を図る。
  • 2) 人材局は、採用から人材育成、昇進管理を含めた一元的管理を行い、公正性の確保を図る。
  • 3) 勤務条件局は、勤務条件全般を総合的に所掌し、職員の労働基本権が制限されていることの代償機能の確保を図る。
  • 4) 公平審査局には、従来の公平審査業務に加え、再就職及び兼業の審査事務を移管し、厳正な審査を確保するとともに、各局の監査事務を一元化して客観性を確保できるよう体制を整備する。

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