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第1編 ≪人事行政≫

第1部 ≪人事行政の動き≫

第1章 人事行政この1年の主な動きと今後の課題

V 官民人事交流法の成立


官民の人事交流を推進することは、組織の活性化や柔軟で幅広い視野を持った人材の育成などの面から極めて重要である。

このため、人事院は、官民の人事交流が円滑に行えるよう、公務の公正性の確保にも十分配慮しつつ、官民双方向の新たな人事交流システムに関する法制的整備について、平成9年3月に国会及び内閣に対して意見の申出を行ったところである。この意見の申出に基づく「国と民間企業との間の人事交流に関する法律」が平成11年12月に成立し、平成12年3月に施行された。

同法の成立を受け、人事院は、行政運営に関し優れた識見を有する8人の委員からなる交流審査会(会長:塩野宏成蹊大学教授)を設置し、その意見を踏まえ、同制度の適正な運用を確保するための基準である規則21-1(交流基準)を制定した。

今後は、多くの民間企業、省庁がこの制度を積極的に活用し、適正な人事交流が円滑に実施されるよう、制度の周知に努めるとともに、適切な情報の提供等を通じて環境整備を図ることとしている。

国と民間企業との間の人事交流制度の概要
  • 1 目的
    • ○ 官→民
      • 行政の課題に柔軟かつ的確に対応するために必要な知識・能力を有する人材の育成
    • ○ 民→官
      • 民間企業の従業員を公務に受け入れ職務に従事させることによる行政運営の活性化
    • ○ 透明性・公開性を確保した公正な手続の下で官民の人事交流を推進
  • 2 民間企業への交流派遣-各省庁の職員を民間企業に派遣
    • ○ 身分
      • 公務員としての身分は保有(人事院職員に異動)するが、職務には従事しない(民間企業の従業員として雇用され、その業務に従事する)
    • ○ 期間
      • 3年以内(必要がある場合、5年まで延長可)
    • ○ 服務等
      • 派遣前在職省庁に対する許認可の申請等の業務従事の禁止
      • 公務員としての地位等に係る影響力を利用した行為の禁止
      • 復帰後2年間派遣先企業と密接な関係にある官職へ就くことの禁止
    • ○ 給与
      • 民間企業で賃金支給
  • 3 民間企業からの交流採用-民間企業の従業員を各省庁で任期を付して採用
    • ○ 身分
      • 常勤職員として選考により採用(交流元企業はいったん退職)
    • ○ 期間
      • 3年以内(必要がある場合、5年まで更新可)
    • ○ 服務等
      • 交流元企業の地位就任及び業務従事の禁止
      • 交流元企業に対する許認可等を行う官職に就けることの禁止
    • ○ 給与
      • 国で給与支給
  • 4 交流基準-適正な人事交流の促進を図るため、関係者が従うべき基準
    • ○ 基本原則
      • ・ 刑事事件に関し起訴され又は不利益処分を受けた民間企業等を一定期間対象から除外
      • ・ 特定の業種又は特定の民間企業に著しく偏ることのないよう人事交流を行うこと
    • ○ 所管関係にある場合の基準
      • ・ 交流派遣前5年間に職員の占めていた官職の区分(役職段階)に応じて定める民間企業への交流派遣を制限(交流採用の場合も同様)
      • ・ 同一民間企業と連続して4回交流派遣又は交流採用することを制限
    • ○ 契約関係にある場合の基準
      • ・ 過去5年間の一の年度で国の機関と民間企業との間で一定以上の契約関係がある場合には、人事交流を制限
      • ・ 過去5年間に契約の締結に携わった職員等の人事交流を制限
  • 5 人事交流の手続
    • 1) 人事院が人事交流を希望する民間企業を「公募」
      • 民間企業が応募し、人事院は応募した民間企業の名簿を各省庁に提示
    • 2) 各省庁は名簿に記載のある民間企業と協議した上で「計画」を作成
      • 「計画」について人事院の認定を受けた後、人事交流を実施
      • なお、人事交流に当たっては、人事院総裁・各省庁と民間企業の間で取決めを締結(交流派遣の場合は労働条件等、交流採用の場合は再雇用に関する取決め等)
  • 6 交流状況の報告
    • 人事院は、毎年、人事交流の状況を国会及び内閣に報告

交流審査会の答申


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