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第1編 ≪人事行政≫

第1部 ≪人事行政の動き≫

第1章 人事行政この1年の主な動きと今後の課題

VII 懲戒制度


1 懲戒制度の整備

人事院は、平成10年9月25日、人事交流等によって地方公共団体等に辞職出向し復帰した職員及び新たな再任用制度によって再任用された職員の懲戒の取扱いに関し、国公法の改正を求める意見の申出を国会及び内閣に対して行った。その内容は、前者については辞職出向する前に、後者については再任用される前に懲戒事由に該当する行為を行っていた場合に、それぞれ当該行為を理由として懲戒処分をすることができるようにするものであった。この意見の申出に基づき、平成11年7月7日、国家公務員法等の一部を改正する法律が公布され、地方公共団体等に辞職出向した職員に関する規定は同年10月1日に施行された。また、新たな再任用制度によって再任用された職員に関する規定は再任用制度の発足に合わせ平成13年4月1日から施行することとされている。

2 懲戒処分に関する指針の策定

懲戒処分については、これまで、法令上処分量定に関する基準は示されておらず、各任命権者が、行為の動機、態様、結果等のほか、処分歴、他の公務員及び社会に与える影響等、種々の事情を総合的に考慮の上、判断すべきこととされてきた。

しかし、倫理法等に違反した場合に係る懲戒処分の基準が定められることを契機に、それ以外の場合の一般的な非違行為についても、任命権者が懲戒の処分量定を決定するに当たっての指針を供することが適当と判断し、平成12年3月31日付けで、事務総長通知「懲戒処分の指針について」を各省庁あてに発出した。

懲戒処分の指針に掲げる主な「標準例」
  • ○ 遅刻・早退
    勤務時間の始め又は終わりに繰り返し勤務を欠いた職員は、戒告とする。
  • ○ 横領
    公金又は官物を横領した職員は、免職とする。
  • ○ 暴行・けんか
    暴行を加え、又はけんかをした職員が人を傷害するに至らなかったときは、減給又は戒告とする。
  • ○ 窃盗
    他人の財物を窃取した職員は、免職又は停職とする。
  • ○ 痴漢行為
    公共の乗物等において痴漢行為をした職員は、停職又は減給とする。
  • ○ 交通事故(人身事故を伴うもの)
    人に傷害を負わせた職員は、減給又は戒告とする。この場合において措置義務違反をした職員は、停職又は減給とする。
  • ○ 指導監督不適正
    部下職員が懲戒処分を受ける等した場合で、管理監督者としての指導監督に適正を欠いていた職員は、減給又は戒告とする。

(注)「標準例」とは、代表的な事例について、標準的な処分量定を掲げたもの。個々の事案の具体的な量定の決定に当たっては、非違行為の態様、職責、処分歴、社会に与える影響等をも総合的に考慮の上で判断。

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