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第1編 ≪人事行政≫

第1部 ≪人事行政の動き≫

第1章 人事行政この1年の主な動きと今後の課題

X 定年後の新たな再任用制度の導入及び在職期間の長期化


1 定年後の新たな再任用制度の導入

本格的な高齢社会を迎える中、平成13年4月から公的年金(基礎年金に相当する定額部分)の支給開始年齢が引き上げられることとされており、雇用と年金との連携を図るとともに、高齢者が長年培った能力・経験を有効に発揮できるよう65歳までの継続雇用を推進することは国全体の課題とされている。

公務部門における高齢者雇用については、平成10年5月に人事院が行った意見の申出に基づき、平成11年7月、「国家公務員法等の一部を改正する法律」(平成11年法律第83号)が成立し、定年退職した者等を最長65歳まで再雇用する新たな再任用制度が導入され、年金の支給開始年齢の引上げが開始される平成13年4月1日から施行されることとなっている。人事院は、新再任用制度の円滑な導入に向けた準備が各省庁において適切に行われるよう、平成11年10月、同制度の実施のために必要な事項を定めた規則11-9(定年退職者等の再任用)を制定した。

新再任用制度の骨格
  • 1 定年退職者等の再任用

    • ・定年退職者等を定年前の勤務実績等に基づき選考して再任用。
      ・任期は1年以内、更新可能(上限年齢は年金支給開始年齢の引上げに応じ、段階的に65歳まで引上げ。)。
      (再任用された職員は定年前の職員と同様の本格的な職務に従事。)

    2 勤務時間・休暇

    • ・勤務形態は、フルタイム勤務(週40時間)又は短時間勤務(週16時間〜32時間)。
      ・休暇は、年次休暇、病気休暇等。

    3 給与

    • ・給与は、職務段階ごとに単一の額(地方機関の係長クラスへの再任用のケースで年収400万円程度)。昇給はない。
      ・手当は、通勤手当、超過勤務手当、特別給(期末手当、勤勉手当)等に限って支給。特別給は2.5月分。

    4 服務・定員・退職手当等

    • ・服務、分限、災害補償等の人事管理諸制度の取扱いは、定年前の職員と同様。
      ・フルタイム勤務職員については現行の定員管理の対象、短時間勤務職員については別途管理。
      ・再任用後の退職については退職手当を支給せず、また、共済組合についてはフルタイム勤務職員のみ加入(短時間勤務職員は厚生年金保険、健康保険等の加入基準による。)。

今後は、各省庁において、再任用の対象となる職員の意向把握を行いつつ、再任用ポストの整備や昇進管理、退職管理等の人事計画の見直しなどを進める必要があり、人事院としても、新再任用制度の周知・啓発活動に一層努めるとともに、各省庁におけるこれらの取組について、関係機関とも連携をとりつつ、支援していくこととしている。

2 在職期間の長期化

公務においては、ピラミッド型組織構造の下で年次主義的な昇進管理が行われてきたため、幹部職員の多くが50歳代前半に退職し、所属省庁のあっせんにより民間企業や特殊法人等に再就職する人事慣行が行われてきた。このような慣行は、円滑に組織の新陳代謝がなされる面があるが、官民の癒着が生じたり、長年培った職員の能力を公務に十分活用できないなどの弊害があり、近時是正する必要性が高まっている。

人事院は、平成11年の給与勧告時の報告において、早期退職慣行の是正に向けて具体的な取組が必要であることを表明した。その際、幹部職員についても60歳(定年)までの在職を目指し、できるだけ長く公務部内で活用できるよう人事システムを再構築していくべきこと、当面、幹部職員の過半数が53歳以前で勧奨退職している現状の是正を図るべきであることを指摘した。また、在職期間の長期化に当たっては、行政をめぐる状況の変化に対応するために必要となるスタッフ職・専門職の充実やポストの再評価等を有効に活用することが必要であることも併せて表明した。

人事院は、引き続き退職管理の適正化のため、関係機関との連携を図りながら検討を進めることとしている。


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