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第1編 ≪人事行政≫

第2部 ≪平成11年度業務状況≫

第4章 高齢対策

1 新再任用制度の導入


平成10年5月13日に人事院が行った意見の申出に基づき、新たな再任用制度を導入するための「国家公務員法等の一部を改正する法律」が平成11年7月1日成立し、同月7日、平成11年法律第83号として公布された。この制度は、平成13年4月から公的年金(基礎年金に相当する定額部分)の支給開始年齢が引き上げられることを踏まえ、職員が定年退職後の生活に不安を覚えることなく職務に専念できるよう雇用と年金との連携を図り得る仕組みを整備するとともに、60歳代前半期の職員が長年培った能力・経験を有効に発揮できるようにするために、定年退職した国家公務員等を最長65歳まで再任用できることとするものである。

また、この改正法の成立を受け、人事院は、できるだけ早期に実施のための規則等の整備を行い新再任用制度の全体像を示すことが各省庁における取組の促進を図り、同制度の円滑な導入に資すると考え、平成11年10月25日、規則11-9(定年退職者等の再任用)、規則1-26(国家公務員法等の一部を改正する法律(平成11年法律第83号)の施行に伴う関係人事院規則の整備に関する人事院規則)及び規則9-107(再任用短時間勤務職員の俸給月額の端数計算)を制定するとともに、所要の運用通知を発出した。

新再任用制度の概要は、次のとおりである。

なお、平成13年4月からの新再任用制度の導入に伴い、現行の再任用制度は廃止されることとなっている。

1 定年退職者等の再任用

  • ・ 任命権者は、次に掲げる者を、従前の勤務実績等に基づく選考により1年を超えない範囲内で任期を定め、再任用することができる。

    • 1)定年退職者
      2)勤務延長後に退職した者
      3)定年退職日以前に退職した者のうち、25年以上勤続して退職した者であって、当該退職の日の翌日から起算して5年を経過する日までの間にあるもの等

    ・ 勤務形態として、フルタイム勤務のほか、短時間勤務を設定。
    ・ 任期は、更新可。上限年齢は、満額年金の支給開始年齢の段階的引上げに合わせて65歳まで段階的に引上げ。

2 再任用職員の勤務時間・休暇

  • (1) 勤務時間

    週40時間(フルタイム勤務職員)又は週16時間〜32時間の範囲内で各省各庁の長が定める時間(短時間勤務職員)。

    (2) 休暇

    定年前の職員と同様、年次休暇、病気休暇、特別休暇及び介護休暇。ただし、短時間勤務職員の年次休暇日数については、勤務時間等を考慮し、20日を超えない範囲内で、その者の勤務形態に応じて次の算式により求められる日数。

    • ・ 1週間ごとの勤務日の日数及び勤務日ごとの勤務時間数が同一である場合(同一勤務型)
      20日×1週間の勤務日の日数/5日
      ・ 同一勤務型ではない場合
      160時間×1週間当たりの勤務時間/40時間÷8時間(1日未満の端数は、四捨五入)

3 再任用職員の給与

  • (1) 俸給

    俸給月額は、各俸給表のそれぞれの職務の級につき単一の俸給月額(短時間勤務職員にあっては、その勤務時間数に応じてその俸給月額を基礎に比例計算により得られる額)とし、昇給はないものとする。

    (2) 諸手当

    • ・ 通勤手当、調整手当(給与法第11条の4〜第11条の7に規定する特例的なものを除く。)、超過勤務手当、特別給(期末手当、勤勉手当)等に限って支給。
      ・ 特別給の年間支給割合は、2.5月。

(参考) 一般行政事務(フルタイム勤務)の場合の年収

一般行政事務(フルタイム勤務)の場合の年収


4 その他の人事管理諸制度等

  • (1) その他の人事管理諸制度(服務、能率、分限、公平、災害補償等)における再任用職員の取扱いは、基本的に定年前の職員と同様(国際機関への派遣、育児休業は適用除外)。
    (2) フルタイム勤務職員については現行の定員管理の対象、短時間勤務職員については別途管理。
    (3) 再任用後の退職については退職手当を支給せず、また、共済組合についてはフルタイム勤務職員のみ加入(短時間勤務職員は厚生年金保険、健康保険等の加入基準による。)。

以上のような関係法律、規則等の整備を受け、今後、各省庁においては、新再任用制度の円滑な実施を確保するため、再任用の対象となる職員の意向把握や業務執行体制の見直しを行いつつ、再任用ポストの整備とともに、採用計画、昇進管理、退職管理等の全体人事計画の見直しを行いつつ、その他必要な準備に本格的に取り組んでいく必要がある。

人事院としては、関係機関とも連携しつつ、新再任用制度の円滑な始動に向けて、各省庁の取組や政府全体としての取組について支援していくこととしており、この一環として、平成11年度においては、人事院のホームページ内に「定年後の再任用制度」のページを設け、新再任用制度に関する情報提供を開始するとともに、各省庁の人事担当者等に対する制度説明会や高齢対策セミナー等を開催し、新再任用制度の周知・啓発に努めたところである。


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