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第1編 ≪人事行政≫

第2部 ≪平成11年度業務状況≫

第10章 公平審査

第1節 不利益処分についての不服申立て


不利益処分についての審査制度は、職員からその意に反して降給、降任、休職、免職その他著しく不利益な処分又は懲戒処分を受けたとして審査請求があった場合に、人事院が、事案ごとに公平委員会を設置して審理を行わせ、公平委員会が作成した調書に基づき、処分を承認し、修正し、あるいは取り消す判定を行うものである。なお、国公法第98条第2項の争議行為禁止規定に違反して処分を受けたことが明らかとなった場合は、「棄却」の語を用いて処分を承認している。

人事院は、処分を修正し、又は取り消した場合には、その処分によって生じた職員の不利益を回復するための処置を自ら行い、又は処分者に対し必要な処置を行うように指示することとされている。なお、人事院の判定は、行政機関における最終のものであって、人事院によってのみ審査される。

不利益処分の審査は、規則13-1に定められた手続に従って行われている。

平成11年度は、新たに受け付けた82件と前年度から繰り越した57,807件の計57,889件が係属したが、その処理状況は、判定を行ったもの55件(処分承認53件、処分取消し2件)、取下げ・却下等24件であり、平成12年度に繰り越したものは57,810件である。(資料10-1)

判定を行った55件の原処分別件数は、懲戒処分23件(免職2件、停職1件、減給6件、戒告14件)、分限処分7件(免職処分5件、休職期間更新処分2件)、配置換処分3件、転任処分20件、辞職承認処分2件であった。

なお、未処理件数の大部分は、職員団体又は労働組合の違法な活動を理由とする大量処分に対して、一括して審査請求が行われ、請求者側の都合などにより、その審理が未実施となっているものであるが、これらの事案について関係職員団体等と話合いを行って処理を進めてきている。

平成11年度に発出した判定の要旨は、次のとおりである。(( )内の数字は、判定年月日である。)(表10-1)

表10-1 平成11年度不利益処分審査請求事案判定一覧


1 懲戒処分関係
(1) 指令13-15(他人の自転車の無断使用を理由とする懲戒減給処分)(11.4.9)

郵便局職員である請求者が、飲酒の上、他人の自転車を無断で使用した事実を認め、懲戒減給1月間の処分を承認した。

(2) 指令13-19(職務命令不服従等を理由とする各懲戒減給処分)(11.6.25)

郵政研修所の医務室医師及び健康管理医である請求者が、再三にわたり上司から休診を撤回するよう命令されても正当な理由なくこれに従わず、医務室を4日間休診とした事実を認め、また、上記の行為によって懲戒処分に付され将来を厳重に戒められていたにもかかわらず、医薬品の管理者でありながら、医薬品を医務室のテーブル上に放置し、再三にわたり上司から当該医薬品を整理するよう指示、命令されてもこれに従わなかった事実を認め、各懲戒減給3月間の処分を承認した。

(3) 指令13-20(保険契約等に係る義務違反を理由とする懲戒戒告処分)(11.6.25)

保険外務職員である請求者が、保険契約書の契約者の住所及び被保険者の確認方法について虚偽の記載をし、集金してきたものではないにもかかわらず代用保険料受入票による払込みを行い、あるいは職員に禁止されている保険料の窓口での払込みを行い、さらに、姉から依頼された保険料の払込みを行わなかった事実を認め、処分者が主張する請求者の行為の一部に認められないものがあることを考慮してもなお、請求者の行為の態様等からすれば、懲戒戒告処分は相当であると判断し、処分を承認した。

(4) 指令13-23(上司に対する暴言等を理由とする懲戒戒告処分)(11.7.22)

郵便局職員である請求者が、勤務時間中、上司である課長等2人に暴言を浴びせ、また、2回遅刻した事実を認め、懲戒戒告の処分を承認した。

(5) 指令13-24(情報漏えい等を理由とする懲戒免職処分)(11.7.22)

国税局職員である請求者が、過去に同一部局に勤務していたことがあり、親密に交際していた女性事務官に対し、あらかじめ内部資料の提供を求め、これに応じて女性事務官が内部資料がある旨電話で請求者に連絡し、請求者がその写しを受け取ったこと等の事実を認め、懲戒免職の処分を承認した。

(6) 指令13-25(上司に対する暴言等を理由とする懲戒戒告処分)(11.7.22)

郵便局職員である請求者が、勤務時間中、備品をけり、これを注意した上司に暴言を浴びせ、その胸倉をつかむ暴行を行った事実を認め、懲戒戒告の処分を承認した。

(7) 指令13-31(就労命令違反等を理由とする懲戒戒告処分)(11.9.20)

郵便局職員である請求者が、就労命令に従わず、暴言を浴びせ、抗議した事実を認め、懲戒戒告の処分を承認した。

(8) 指令13-32(保険契約の無効処理を余儀なくしたことを理由とする懲戒戒告処分)(11.10.8)

郵便局職員である請求者が、簡易生命保険の法人契約を勧奨した際、誤った説明をし、その結果、保険契約23件について、錯誤により無効処理を余儀なくさせた事実を認め、懲戒戒告の処分を承認した。

(9) 指令13-34(個人別成績表の破損を理由とする懲戒戒告処分)(11.10.8)

郵便局職員である請求者が、当局の業務上の必要から掲出された個人別成績表の一部を勝手に破り取った事実を認め、懲戒戒告の処分を承認した。

(10) 指令13-39(管理者らに対する暴行等を理由とする懲戒減給処分)(11.11.26)

農政局職員である請求者が、管理者らに対し、暴行を加え、暴言を浴びせてひぼう、中傷するなどした事実を認め、懲戒減給1月間の処分を承認した。

(11) 指令13-41(私的調査の協力依頼文書に職名を記載したこと等を理由とする懲戒減給処分)(11.11.26)

研究所職員である請求者が、私的調査のために、協力依頼文書に職名を記載して公的調査と誤解されるような印象を与え、公用電話を使用したこと等の事実を認め、請求者の行為の態様等及び請求者の行為を批判する新聞報道等がなされたことからすれば、処分者が主張する請求者の行為の一部に認められないものがあることを考慮してもなお、懲戒減給1月間の処分はやむを得ないと判断し、処分を承認した。

(12) 指令13-6(同僚に対する暴行等を理由とする懲戒停職処分)(12.1.21)

郵便局職員である請求者が、同僚に対して奥襟及び頭髪をつかむ暴行を加え、脅迫的な言葉を繰り返し発した事実を認め、その行為の態様及びさきに同種の行為により懲戒減給の処分に付されていることを考慮し、懲戒停職1月間の処分を承認した。

(13) 指令13-9(同僚に対する暴行を理由とする懲戒戒告処分)(12.2.4)

郵便局職員である請求者(2人)の1人が、同僚の腹部を足でけり、また、他の1人が、座っているいすを膝でけり、こぶしで頭頂部をたたく等の暴行を加えた事実を認め、懲戒戒告の各処分を承認した。

(14) 指令13-11(横領を理由とする懲戒免職処分)(12.2.25)

特定郵便局長である請求者が、顧客から受領した全期前納保険料2件分合計468万余円のうち、463万余円を正規に受入計理しないで横領したとして懲戒免職処分となったことについて、顧客から保険料の支払方法は任されていたこと、また、追認書や嘆願書が提出されたことを考慮して、処分は取り消されるか修正されるべきである旨主張したのに対して、保険料の支払方法が任されていたとは認められず、請求者の行為は業務上横領に当たり、追認書の提出などその後に生じた事情によって請求者の行為が業務上横領に当たらなくなるものではないなどと判断し、処分を承認した。

(15) 指令13-12(上司に対する暴言等を理由とする懲戒戒告処分)(12.3.3)

郵便局職員である請求者が、上司に対し暴言あるいは不穏当な言葉を交えて抗議し、担務表をたたいた事実を認め、懲戒戒告の処分を承認した。

(16) 指令13-13(同僚に対する暴行を理由とする懲戒減給処分)(12.3.3)

農政局職員である請求者が、職員に対し、右足関節の外側部分をけって傷害を負わせ、更に右ほほなどにつばをかける暴行を行った事実を認め、その行為の態様及びさきに管理者らに対し、暴行を加え、暴言を浴びせてひぼう中傷し懲戒処分に付されていることを考慮し、懲戒減給3月間の処分を承認した。

(17) 指令13-15(退去命令不服従等を理由とする懲戒戒告処分)(12.3.24)

郵便局職員である請求者(3人)が庁舎内の会議室の使用許可時間が過ぎた後、管理者の庁舎外への退去命令に従わず、執ように抗議を続けた事実を認め、懲戒戒告の各処分を承認した。

(18) 指令13-16(就労命令不服従等を理由とする懲戒戒告処分)(12.3.24)

郵便局職員である請求者が、上司である集配課長の就労命令に従わず、繰り返し同課長に抗議した事実を認め、懲戒戒告の処分を承認した。

(19) 指令13-17(庁舎内飲酒等を理由とする懲戒戒告処分)(12.3.24)

郵便局職員である請求者が、庁舎内で飲酒し、それを注意した管理者に対し、暴言を浴びせた事実を認め、懲戒戒告の処分を承認した。

2 分限処分関係(1) 処分を承認したもの
ア 指令13-30(病気による各休職期間更新の処分)(11.9.20)

国立療養所の看護婦長である請求者が、各休職期間更新の処分当時、左膝十字靱帯断裂により長期の休養を要する状態にあった事実を認め、各処分を承認した。

イ 指令13-43(適格性の欠如を理由とする分限免職処分)(11.12.24)

税務署職員である請求者について、上司等から再三にわたり命令等されても、身上申告書を提出せず、身だしなみ及び服装を改善せず、勤務時間中に無断で外出し、遅刻する等の行為を繰り返し、このため、訓告等の措置を受け、4回にわたって懲戒処分に付され、将来を厳重に戒められていたにもかかわらず、その後も一向に改めようとせず、上記と同様の行為を繰り返し行い、また、31日間連続して勤務を欠いたものであるから、職員としての適格性を欠いていると認め、免職処分を承認した。

ウ 指令13-44(勤務実績不良等を理由とする分限免職処分)(11.12.24)

郵政研修所の医務室医師及び健康管理医である請求者について、診療を適正に行わず、上司の職務上の命令に従わないで休診とし、診療録の記載を怠り、診療報酬請求事務を著しく遅延して行い、医薬品管理を適正に行わず、看護婦に不穏当な言動を行ったこと等からすれば、請求者の勤務実績は、著しく不良であり、また、職務上の命令に従わず、協調性を欠き、独善的な請求者の言動は、将来にわたって容易に矯正することができない請求者の性向によるものであり、職員としての適格性を欠いていると認め、免職処分を承認した。

エ 指令13-5(勤務実績不良等を理由とする分限免職処分)(12.1.21)

大学教育学部の助教授である請求者について、上司から再三出勤命令を受けたにもかかわらず、1年もの長きにわたり無断欠勤を続け、長期間にわたり職務を放棄したものであるから、勤務実績が著しく不良であり、その行為、態度等は、将来にわたって容易に矯正することができない請求者の性向によるものであって、職務の円滑な遂行に支障があり、職員としての適格性を欠いていると認め、免職処分を承認した。

オ 指令13-8(心身の故障を理由とする分限免職処分)(12.2.4)

税務署職員である請求者について、13年余の長きにわたり病気休暇又は休職により勤務しておらず、処分当時、精神分裂病のため長期の加療を要し、就労は不可能であったと診断され、職務の遂行に堪えられない状態にあったものと認め、免職処分を承認した。

(2) 処分を取り消したもの

指令13-21(超過勤務命令拒否を理由とする分限免職処分)(12.3.30)

郵便局職員である請求者が、超過勤務命令拒否により、分限免職処分に付されたが、その命令の根拠とされた三六協定は、労働基準法第36条の要件を欠く者を当事者として締結したという重大な瑕疵があるので無効であり、その超過勤務命令は、同法第32条に違反する違法な職務命令であるので、この命令に従わなかったことの繰り返しをもって免職の理由とすることはできないと判断し、分限免職処分を取り消した。

3 転任・配置換処分関係
(1) 指令13-16(他の郵便局への転任処分)(11.4.23)

郵便局集配課主任である請求者を他の郵便局第一集配課主任に転任させた処分について、請求者は、この処分は本人の意思に反して強制的に行われたものであるばかりか、それまで休憩時間を利用して行っていた重度の身体障害者である妻の介護等ができなくなり、生活が破壊され、また、労働組合の破壊、弱体化をねらったものであり、さらに、郵便外務職員にとって財産というべき配達地域についての地理的な知識等を一方的に奪い取るものであり、新たな負担を強いるものである旨主張した。

これについて、本件処分は、任命権者が、業務上の必要に基づき、請求者の適性、経験年数、通勤事情等を総合的に勘案して、その裁量の範囲内で行ったものと認め、処分を承認した。

(2) 指令13-17(郵便課から貯金課等への配置換処分)(11.5.29)

郵便局郵便課職員である請求者(2人)を、貯金課及び保険課に配置換した処分について、請求者は、この処分は、業務上の必要に基づくものでなく、人事異動のノルマ達成のためなされた、人選の合理性がないものであり、労使慣行を無視して、事前に請求者に意向確認のための対話を行わず、何ら同意も得ることなく行われたものであり、また、労働組合の弱体化をねらった処分者によって、郵便局の年末年始繁忙対策会議費の使途について新聞報道がなされたことに対する報復としてなされたものであり、さらに、給与、労働時間、組合活動に著しい不利益を与えたものである旨主張した。

これについて、本件各処分は、任命権者が、業務上の必要に基づき、両請求者の職務遂行能力等を総合的に勘案して、その裁量の範囲内で行ったものと認め、各処分を承認した。

(3) 指令13-22(他の郵便局への転任処分)(11.7.22)

郵便局第二集配課主任である請求者を他の郵便局第一集配課主任に転任させた処分について、請求者は、この処分は、公務上の必要性がないばかりか公務を阻害し、希望局とは異なる局へ転任させるなど人選の合理性もなく、労働契約又は労使慣行にも反し、さらには適正手続を欠くとともに、業務面及び人間関係面での不利益を与えた違法、不当なものである旨主張した。

これについて、本件処分は、任命権者が、業務上の必要に基づき、請求者の能力、適性、勤務成績、希望、通勤事情等を総合的に勘案して、その裁量の範囲内で行ったものと認め、処分を承認した。

(4) 指令13-29(他の郵便局への転任処分)(11.9.20)

郵便局集配課主任である請求者を他の郵便局集配課主任へ転任させた処分について、請求者は、この処分は、公務上の必要性が存在せず、誤配等が増えるなど公務を阻害し、転任を希望していない請求者を納得させる努力を行うなどの適正手続を欠き、超過勤務の増加により日常の組合活動や家庭生活に充てるべき時間と体力を著しく侵害する等、違法、不当なものである旨主張した。

これについて、本件処分は、任命権者が、業務上の必要に基づき、請求者の能力、適性、勤務成績、通勤事情等を総合的に勘案して、その裁量の範囲内で行ったものと認め、処分を承認した。

(5) 指令13-33(他の郵便局への転任処分)(11.10.8)

郵便局第一郵便課主任である請求者を他の郵便局郵便課主任へ転任させた処分について、請求者は、この処分は、転任の根拠を欠き、業務上の必要性を欠き、業務に支障を生じさせ、慣行を無視して請求者の同意を得ることなく、また、国営企業労働関係法の規定に違反して、労働組合の団交要求に応じない状況下においてその同意を得ることなく行われ、職場支配を行うため、請求者を職場から排除しようとするものであり、手続に適正を欠き、人選に合理性がなく、給与の減収、通勤時間の増加、家庭生活上の支障など著しい不利益をもたらした違法、不当ないしは無効なものである旨主張した。

これについて、本件処分は、任命権者が、業務上の必要に基づき、請求者の適性、経験年数、通勤事情等を総合的に勘案して、その裁量の範囲内で行われたものであると認め、処分を承認した。

(6) 指令13-36(他の郵便局への転任処分)(11.10.22)

郵便局集配課主任である請求者(2人)を他の郵便局集配課主任へ転任させた処分について、請求者は、この処分は、業務上の必要性及び人選の合理性がなく、公務能率の低下等をもたらし、労使慣行を無視する等適正手続に反し、通勤時間の増加や組合活動に支障を生じる等の不利益を与える違法、不当なものである旨主張した。

これについて、本件各処分は、各任命権者が、業務上の必要に基づき、両請求者の能力、適性、勤務成績、通勤事情等を総合的に勘案して、その裁量の範囲内で行ったものと認め、各処分を承認した。

(7) 指令13-37(他の郵便局への転任処分)(11.10.22)

郵便局集配課職員である請求者(2人)を他の郵便局集配課へ転任した処分について、請求者は、この処分は、業務上の必要性が全くなく、業務能率の低下をもたらして公務を阻害し、集配課の主任・一般職員の定員よりも現在員が多く過員になっているにもかかわらず行われ、本人が同意していないにもかかわらず強制的になされ、人選に合理性がなく、労務対策を目的として、労働組合の支部が存在している局所を玉突き的に異動させたものであり、新たに一から地域を覚えなければならないことなどから精神的苦痛及び肉体的疲労が積み重なっている等、違法、不当なものである旨主張した。

これについて、本件各処分は、各任命権者が、業務上の必要に基づき、両請求者の適性、能力、経験、勤務成績等を総合的に勘案し、その裁量の範囲内で行ったものと認め、各処分を承認した。

(8) 指令13-40(他の郵便局への転任処分)(11.11.26)

郵便局保険課等の職員である請求者(3人)を他の郵便局の保険課等へ転任させた処分について、請求者は、この処分は組合の再建運動グループに属していた請求者らを排除する目的で行われ、また、職員を事実上の退職に追い込むことを意図したものであり、入院中の母親を看病しているという事情を無視し、調整手当の低い地域に異動させられ、通勤時間のほとんどかからない職場から片道1時間もかかる職場へ異動させられるなどの不利益をもたらした違法、不当なものである旨主張した。

これについて、本件各処分は、各任命権者が、業務上の必要に基づき、各請求者の適性、経験年数、通勤事情等を総合的に勘案して、その裁量の範囲内で行ったものと認め、各処分を承認した。

(9) 指令13-45(他の郵便局への転任処分)(11.12.24)

郵便局集配課等の主任である請求者(3人)を他の郵便局の第二集配課等の主任へ転任させた処分について、請求者は、この処分は、職員の育成、能力開発及び職場の活性化に逆行するもので、業務上の必要性がなく、また、給与が減少し、通勤時間の増加により私生活に支障を生じる等の不利益をもたらし、さらに、裁判闘争の支援や、労働組合活動を行っていた請求者を排除し、見せしめとするために行われた違法、不当なものである旨主張した。

これについて、本件各処分は、各任命権者が、業務上の必要に基づき、各請求者の適性、経験年数、通勤事情等を総合的に勘案して、その裁量の範囲内で行ったものと認め、各処分を承認した。

(10) 指令13-1(他の郵便局への転任処分)(12.1.7)

郵便局第二集配課主任である請求者を他の郵便局第一集配課主任へ転任させた処分について、請求者は、この処分は、業務上の必要性を欠き、公務を阻害し、班の業務の正常な運営を阻害し、家庭生活への支障をもたらし、人選に合理性がなく、組合の支部結成への参画を嫌悪してなされた違法、不当なものである旨主張した。

これについて、本件処分は、任命権者が、業務上の必要に基づき、請求者の能力、適性、勤務成績、通勤事情等を総合的に勘案して、その裁量の範囲内で行ったものと認め、処分を承認した。

(11) 指令13-3(他の郵便局への転任処分)(12.1.21)

郵便局第二集配課主任である請求者を他の郵便局第一集配課主任へ転任させた処分について、請求者は、この処分は、公務上の必要性が全くなく、公務能率を阻害し、人選に合理性がなく、転任に当たって対話らしい対話が行われず適正手続を欠き、請求者の組合活動を嫌悪し、分会の解体をねらって行われた違法、不当なものである旨主張した。

これについて、本件処分は、任命権者が、業務上の必要に基づき、請求者の能力、適性、勤務成績、通勤事情等を総合的に勘案して、その裁量の範囲内で行ったものと認め、処分を承認した。

(12) 指令13-4(皇宮警察本部から護衛署への配置換処分)(12.1.21)

皇宮警察本部巡査である職員を護衛署に配置換した処分について、請求者は、この処分は、体を悪くして室内の軽作業に従事していた請求者を、肉体的に負担のかかる室外の重労働をさせることによって自発的に退職させることなどを目的として行われた違法、不当なものである旨主張した。

これについて、本件処分は、任命権者が、業務上の必要に基づき、請求者の勤務状況及び健康状態等を総合的に勘案して、その裁量の範囲内で行ったものと認め、処分を承認した。

(13) 指令13-7(他の郵便局への転任処分)(12.2.4)

郵便局保険課主任である請求者を他の郵便局保険課主任へ転任させた処分について、請求者は、この処分は、欠員が生じていないにもかかわらず行われたものであり、人事の在り方の基本に反し、業務上の必要性及び人選の合理性がなく、人選理由の説明等の適正な手続が欠如しており、給与の減少や組合活動に支障を生じる等の不利益を与える違法、不当なものである旨主張した。

これについて、本件処分は、任命権者が、業務上の必要に基づき、請求者の能力、適性、経験、勤務成績、通勤事情等を総合的に勘案して、その裁量の範囲内で行ったものと認め、処分を承認した。

(14) 指令13-10(他の郵便局への転任処分)(12.2.25)

郵便局第一集配課主任である請求者を他の郵便局第一集配課主任へ転任させた処分について、請求者は、この処分は、局内で配置換されてから2年しか経過していないので人事交流の対象者とはなり得ないにもかかわらず転任させ、また、労働慣行を無視し、通勤時間の増加や健康状態を考慮せず、さらに、労働組合活動を行っていた請求者をねらい撃ちにして行われたものであるなど、違法、不当である旨主張した。

これについて、本件処分は、任命権者が、業務上の必要に基づき、請求者の適性、経験年数等を総合的に勘案して、その裁量の範囲内で行ったものであると認め、処分を承認した。

(15) 指令13-14(他の郵便局への転任処分)(12.3.24)

郵便局集配課等職員である請求者(2人)を他の郵便局集配課等へ転任した処分については、請求者は、本件各処分は、請求者を退職に追い込む意図や組合の分会をつぶす目的で行われ、一から覚え直しをしなければならず、通勤時間が増加し、郵外加算額が支給されなくなるなどの不利益を与える違法、不当なものである旨主張した。

これについて、本件各転任処分は、各任命権者が、業務上の必要に基づき、請求者の適性、経験年数、通勤事情等を総合的に勘案して、その裁量の範囲内で行ったものであると認め、処分を承認した。

4 辞職承認処分関係
(1) 処分を承認したもの

指令13-23(辞職承認処分)(12.3.30)

郵便局職員である請求者の辞職承認処分について、辞職願は、管理者らから辞職を強要され、辞職しなければ免職処分にすると責められたため、意に反して、提出したものであるから無効であるとの主張について、請求者が自らの意思で作成、提出したものであると認め、処分を承認した。

(2) 処分を取り消したもの

指令13-26(辞職承認処分)(11. 7.22)

処分者らは、社会保険事務所職員である請求者を辞職させるとの方針に基づき、引き続き勤務したいとの希望を拒否し、辞職しなければ懲戒免職になると請求者に思い込ませるような不適切な発言を行い、請求者を威迫して辞職願を作成、提出させたものであり、辞職承認処分は違法であるとして、処分を取り消した。


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