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第1編 ≪人事行政≫

第1部 人事行政の動き

第2章 人事行政この1年の主な動きと今後の課題

VI 勤務環境の整備


1  セクシュアル・ハラスメント防止対策の推進

セクシュアル・ハラスメントは、個人の基本的な人権にかかわるとともに、職員の勤務条件や勤務環境に重大な影響を及ぼし、職員の能率発揮にかかわる問題であることから、規則10-10において、公務におけるセクシュアル・ハラスメントの防止及び排除のための措置等必要な事項が定められている。

人事院は、セクシュアル・ハラスメントの防止対策について組織的、効果的に取り組むため毎年12月4日から10日までを「国家公務員セクシュアル・ハラスメント防止週間」と定め、種々の行事を行うとともに、各府省の担当者に対する研修会等の開催を通じセクシュアル・ハラスメント防止のための職員の意識改革の徹底、相談体制の充実を図ってきているところである。

平成14年度も同週間の実施に合わせ、セクシュアル・ハラスメントの防止対策について人事院ホームページの活用やポスターの配布により周知を図るとともに、初めてすべての職員に対して携帯用リーフレットを作成し配布した。また、同週間中の12月5日に、セクシュアル・ハラスメントに関する意識啓発のため、大阪市において、「セクシュアル・ハラスメント防止に関するシンポジウム」を開催し、321人の参加を得た。さらに、12月7日には第二東京弁護士会等の協力を得て、「セクシュアル・ハラスメントホットライン(一日110番)」を開設し、セクシュアル・ハラスメント問題に関する職員からの相談に対応した。

今後も、関係各機関の担当者に対する研修会の開催やセクシュアル・ハラスメント防止週間中の関連行事の実施等を通じてセクシュアル・ハラスメント防止対策を一層推進し、良好な勤務環境の整備、公務能率の向上を図ることとしている。

2  メンタルヘルス対策の推進

近年、公務における業務の複雑・高度化、価値観の多様化など、職員を取り巻く環境はストレス要因が増大している状況にある。こうした中、国家公務員の自殺者数も平成9年以降高い水準で推移している。また、平成13年度の国家公務員長期病休者実態調査結果においても、「精神及び行動の障害」を原因とした長期病休者(引き続く1か月以上の期間、病気休暇又は病気休職等で勤務していない者)は1,912人と、前回(平成8年)調査の1,050人に比べ82.1%増と著しく増加しており、メンタルヘルス対策の重要性が一層高くなっている。

こうした状況を踏まえ、人事院では、メンタルヘルス対策を職員の健康管理施策の重要事項の一つと位置付け、平成14年度においても各種対策に取り組んだ。

各府省の健康管理事務担当者等を対象とした「メンタルヘルス講習会」を本院及び東北、関東、中部、九州の各地方事務局で開催するとともに、平成15年2月に、各府省で職員の健康管理業務に当たる健康管理スタッフ(医師等医療職員及び健康管理事務担当者等)を対象に開催した「生活習慣病管理研究会議」においても、メンタルヘルスをテーマとして取り上げ、「職場で悩んでいる人の早期発見の方法とその対応法の在り方」について、講演や参加者同士による討議を行い、メンタルヘルスに関する理解を深めるとともに対応の在り方について考える機会とした。

また、各府省で職員の健康管理業務に従事する看護職員等を対象に、メンタルヘルスの基礎知識や相談面接の技法等を付与し、「メンタルヘルス相談員」を養成することを目的に、平成13年度から実施している「メンタルヘルス相談員養成講座」については、本年度は本府省以外の看護職員等にも対象を広げて実施した。なお、平成13年度に実施した養成講座の参加者に対し、その後の状況を調査したところ、半数以上の者が、受講後に職員からの相談に実際に対応し、かつ、そのほとんどの者が養成講座の内容が役立ったと回答しており、各職場におけるメンタルヘルス対策に有意義であったと評価されている。

各府省の職員が精神科医による専門的な相談が受けられる「メンタルヘルス相談室」については、平成13年度に本院及びすべての地方事務局(所)に開設されたところであるが、平成14年度における利用者は延べ195人であり、職員本人のみならず、家族、職場の上司からの相談にも対応しており、一次的な相談窓口として浸透しつつある。

人事院としては、今後も、こうした施策の拡充を図るとともに、メンタルヘルスに関する知識や理解を深めるよう情報の提供に努めるなど、メンタルヘルス対策の一層の推進を図ることとしている。

3  苦情相談への対応

行政の複雑・高度化に伴い職員の勤務条件、勤務環境が大きく変化する中で、職員から勤務条件やいじめ、嫌がらせ、セクシュアル・ハラスメント等の職場における人事管理上の問題について多様な苦情相談が寄せられている。公務能率の維持・増進を図る上からも、これら職員の苦情相談を解決することを目的とした苦情相談業務の重要性がますます高まってきている。

このような状況を踏まえて、人事院は、苦情相談に対する適切な対応を推進するため、平成12年に規則13-5(職員からの苦情相談)を制定し、人事院に対する苦情相談について、その手続、処理方法等を明確化した。

人事院は、職員に対して、人事院及び人事院各地方事務局(所)のホームページなどを活用して苦情相談業務の周知を行い、職員からの苦情相談に対応している。(表2)

表2 人事院に対する苦情相談件数の推移


さらに、人事院は、苦情相談業務に関し、各府省と密接な連携を図るため、各府省の担当者に対し、苦情相談担当官会議及び苦情相談担当官研修を実施し、各府省の対応体制の充実に努めている。


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