前(節)へ 次(節)へ

第1編 ≪人事行政≫

第1部 人事行政の動き

第2章 人事行政この1年の主な動きと今後の課題

VII 営利企業への就職及び兼業


1  営利企業への就職の状況

平成14年に人事院が承認した営利企業への就職の件数は59件であり、前年に比し11件減少している。就職の承認件数は、各府省における退職管理、年齢構成等の事情を背景として各府省から申出のあった個々の事案について承認基準に則った人事院における厳正な審査の積み上げの結果であるが、近年大幅に減少し、平成14年もその水準で安定的に推移したと考えられる。

この人事院が承認した件数の中には、職員の有する専門的な知識や能力等を広く社会で活用する観点から、公正で透明度の高い再就職の仕組みとして、平成10年に設けられた「公正な人材活用システム」によるものが4件含まれている。このシステムにおいては、職員の専門的な知識や能力等を活用したいとする民間企業から(社)日本経済団体連合会を通じて人事院に対し人材要請の申入れが行われ、これを受けて人事院は該当府省等に人材照会を行い、各府省等が職員の内諾を得て営利企業と接触することとしている。人事院としては、このシステムの意義が民間企業において充分理解され積極的な活用が図られるよう、今後とも、広範にパンフレットを配布するなど関係方面への周知に努めていくこととしている。(表3)

表3 人事院の承認件数の推移(平成9年〜平成14年)


なお、承認権限の委任等により、各府省及び特定独立行政法人において承認した就職の件数の総数は、725件である。

「公正な人材活用システム」による就職の実例

〔求められた人材〕

  • ・〔地方財政、予算・決算に精通し、組織マネジメント能力のある者〕

    • 財務省の理財局の管理官→第三セクターの鉄道会社の総務部次長

    ・〔気象の専門知識を有し、長年予報モデルの構築業務に従事した者〕

    • 気象庁の気象台長→気象情報提供会社の技術顧問

    ほか
2  国立大学教員等による営利企業の役員兼業

平成12年4月に施行された国立大学教員等の1)技術移転事業者(TLO)の役員兼業、2)研究成果活用企業の役員兼業、3)株式会社等の監査役兼業の平成14年における承認件数は、表4のとおりである。このうち技術移転事業者の役員兼業及び研究成果活用企業の役員兼業のいわゆる「技術移転型兼業」については、産業界において国立大学教員等の知見・研究成果に対する期待が高くなっていることも反映して、研究成果活用企業の役員兼業を行う国立大学教員等の増加が目立つなど順調に活用されている状況にあると認められる。

表4 国立大学教員等による営利企業の役員兼業の承認人数


なお、構造改革特別区域において、内閣総理大臣が認定した計画に基づき「技術移転型兼業」を行う場合、必要に応じ勤務時間の一部を割いて役員兼業を行うことを可能とするよう、規則14-17(国立大学教員等の技術移転事業者の役員等との兼業)及び規則14-18(国立大学教員等の研究成果活用企業の役員等との兼業)を改正し、平成15年4月1日から施行した。


前(節)へ 次(節)へ
© National Personnel Authority