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第1編 ≪人事行政≫

第2部 平成14年度業務状況

第11章 公平審査

第2節 勤務条件に関する行政措置の要求


行政措置要求の制度は、職員から勤務条件に関し、適当な行政上の措置を求める要求があった場合に、人事院が必要な審査をした上で判定を行い、あるいはあっせん又はこれに準ずる方法で事案の解決に当たるものである。この制度は、単に職員の勤務条件に関する不平不満の解消を図るというだけではなく、労働基本権を制約されている職員が勤務条件の積極的な改善と適正化を能動的に求めることを保障するものであり、労働基本権制約の代償的機能を果たすものである。事案の処理に当たっては、判定によりその判断を示すことを基本に処理を進めることとしているが、場合によっては、要求内容、事案の性質等に応じてあっせん等により解決を図っている。

行政措置要求の審査は、規則13-2(勤務条件に関する行政措置の要求)に定められた手続に従って行われ、事案の審査に当たっては、要求内容の十分な整理、分析をした上で事実調査を行い、事案の早期処理に努めている。

平成14年度は、新たに受け付けた12件と前年度から繰り越した7件の計19件が係属したが、その処理状況は、判定を行ったものが3件、取り下げられたものはなく、要求の事由の消滅、審査の対象外等のため却下したものが9件あり、平成15年度に繰り越したものは7件である。(資料11-2)

平成14年度に発出した判定及び主な判定の要旨は、次のとおりである。(( )内の数字は、判定年月日である。)(表11-2)

表11-2 平成14年度行政措置要求事案判定一覧


1  昇任、昇格における差別の是正(平成13年第4号)(14.8.2)

申請者から、1)会計検査院へ内部情報の通報を行ったという事実無根の疑いを理由として、昇任、昇格において不利益な取扱いを受けているので、この差別取扱いを是正し、専門員又は技術専門官に昇任させ、行政職俸給表(一)6級に昇格させること、2)教授から職場において、打合せで述べた発言が気に入らないとして会議用の机や椅子をひっくり返されたり、もっと働けなどと言われたり、あいさつの仕方に因縁を付けるような殊更な注意を受けたので、今後このようなことが起こらないようにすることとの要求があった。

これについて、申請者が会計検査院への通報を疑われていた事実は認められず、昇任、昇格した者と申請者の勤務成績等を対比しても任命権者の裁量権の範囲を逸脱した不当な取扱いがあるとは認められないこと等から、1)の要求については認められず、また、教授の机等を倒す行為は不適切なものであったが、申請者が教授からこうした行為を引き続き受けるおそれがある状態にあるとは認められないこと、教授のあいさつについての言動については因縁を付けるような殊更な注意であるとは認められないことから、2)の要求については、現在措置を要する状況にはないものであるか、又は措置が必要となるような不当な行為であるとはいえないものであると判定した。

2  組合活動家に対する昇任、昇格差別の是正(平成13年第3号)(14.10.11)

申請者から、組合活動家であることを理由とした差別を是正し、調理師長に昇任させ、行政職俸給表(二)5級に昇格させることとの要求があった。

これについて、申請者が組合活動家として差別を受けた職員であると主張する3人の職員に対する取扱いを見ても、組合活動家であることを理由として不利益な取扱いが行われていたとは認められず、また、申請者を任用候補者とする調理師長の選考に当たって申請者を差別していると認めるに足る事実はなく、さらに、当局は申請者が行政職俸給表(二)5級への昇格基準に該当したときから毎年度昇格協議を行っており、昇格についても差別をしているとは認められないので、組合活動家差別の是正を求める申請者の要求は認めることはできないと判定した。


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