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第1編 ≪人事行政≫

第2部 平成14年度業務状況

第12章 国際協力

第2節 国際協力研修


1  人事管理研修

我が国の開発途上国に対する技術協力の一環として、国際協力事業団(JICA)の協力を得て、各国政府の人事管理制度の改善及び政府活動の能率向上に寄与することを目的として、人事管理に関する研修を実施している。この研修では、各国の中央人事行政機関の職員を対象に、我が国の人事管理制度やその実情の把握及びこれらに関する各国との比較研究を通じ、それぞれの国に適合する人事行政の改善策を探求する機会を提供している。

この研修は、平成3年度から実施している本府省の課長級以上の幹部職員を対象とする「上級人事管理セミナー」と、平成11年度から実施している本府省の課長補佐級職員を対象とする「人事行政研修」の2コースからなっている。

(1)  上級人事管理セミナー

平成14年度は、9か国、9人を対象に、平成14年9月4日から9月27日までの約4週間にわたり、日本の公務及び民間企業における人事管理の仕組みや実情等を主題に、講義、討議等からなる研修を実施した。

平成3年度創設以来平成14年度までの参加者は、合計43か国(地域)125人に上る。(資料12-2)

(2)  人事行政研修

開発途上国の公務における人事管理制度の改善を支援するため、平成11年度から人事行政研修を実施している。平成14年度は、8か国、10人を対象に、平成15年1月8日から1月31日までの約3週間にわたり、人事管理の基礎理論とその実情を主題に、講義、討議等からなる研修を実施した。参加国(地域)の内訳は、アルゼンチン、バングラデシュ、バルバドス、中国、クック諸島、ガンビア、キリバス、パレスチナであった。

2  国家行政研修

開発途上国に対する技術協力の一環として、国際協力事業団の協力を得て、各国公務員の資質向上を図り、それらの国の社会経済の発展に向けた行政の近代化に寄与することを目的として、国家行政研修を実施している。この研修では、各国の中央政府機関の職員に対し、我が国の社会・経済政策の企画及び執行等を題材に、それぞれの国の社会経済の発展に資する行政の在り方を研究する機会を提供している。

この研修は、昭和43年1月の創設以来、年間1コースであったものを、昭和61年度に、各国の中央政府の課長級以上の職員を対象とする「上級国家行政セミナー」と、課長補佐級の職員を対象とする「国家行政コースII」の2コースに分割・再編して実施してきた。

これらの研修は定期的に見直しを行ってきているが、とりわけ後者は所期の目的を十分に達成したため、内容の一部を刷新し、平成12年度から新たに「行政と開発」コースとして実施している。

(1)  上級国家行政セミナー

平成14年度は、9か国、9人を対象に、平成14年11月1日から12月6日までの約5週間にわたり、国の社会・経済発展に果たす行政の役割及びそれを担う行政官の在り方を主題として、講義、個別行政分野の事例研究、参加者相互の討議等からなる研修を実施した。

昭和61年度創設以来平成14年度までの参加者は、51か国(地域)205人に上る。(図12-4資料12-3)

図12-4 平成14年度末までの上級国家行政セミナー地域別参加実績


(2)  「行政と開発」コース

平成12年度から開発途上国の発展に資する国家行政の改善を目的とした「行政と開発」コースを実施している。平成14年度は、9か国、9人を対象に、平成14年5月15日から6月21日までの約6週間にわたり、開発途上国における行政の近代化の基礎を主題として、講義、開発政策の事例研究、参加者相互の討議等からなる研修を実施した。参加国の内訳は、バングラデシュ、カンボジア、インドネシア、イラン、ヨルダン、キルギス、ネパール、パレスチナ、タンザニアであった。

3  その他の国際協力研修
(1)  マンスフィールド研修

本研修は、米国連邦政府職員の対日理解を深め、日米関係の一層の円滑化を図ることを目的として、米国の連邦法であるマイク・マンスフィールド・フェローシップ法(1994年4月成立)に基づいて派遣された職員に対し、日本政府内での研修の機会を与えるものである。

ワシントンにおいて1年間にわたり日本語、日本の政治経済及び文化等について集中訓練を受けた研修員を、日本の各府省等に1年間配置し、実務を通じた研修を実施している。

人事院は、研修員の各府省等への受入れのアレンジをはじめ、オリエンテーション、調査見学旅行、行政研修への参加等の共通プログラムを企画・実施するとともに、外務省、各府省等と連携を取りつつ、本研修の効果的な実施に努めている。

平成8年9月に第1期研修員の受入れを開始し、平成14年度は、第7期研修員7人を9月から1年間の予定で受け入れた。

これまでの研修員の米国における出身機関は、表12-1のとおりである。

表12-1 マンスフィールド研修員(第1期〜第7期)の出身機関別人員数


(2)  大韓民国政府職員研修

大韓民国政府の要請に基づき、行政の分野における日韓両国の交流を促進することを目的として、同国中央政府の課長級及び課長補佐級職員を対象とする大韓民国政府職員研修を実施している。

この研修では、日本の公務員制度、行政各分野における政策課題をはじめ、日韓両国の経済比較、日本の地方自治制度等に関する研究のほか、関連する施設等の調査見学を実施するなど、我が国における行政の実情及びそれを取り巻く環境等について理解を深められるように配慮している。

平成14年度は、課長及び課長補佐級職員20人を対象に、平成14年9月30日から10月11日までの2週間にわたり実施した。

昭和59年度創設以来平成14年度までの参加者累計は、475人に上っている。

(3)  ベトナム人事行政研修

ベトナムでは、昭和61年(1986年)以来、いわゆる「ドイ・モイ(刷新)」政策を採用し、市場経済への移行を目指す一方で、近代的な公務員制度の構築を含む行政改革を進めているが、同国政府幹部行政官の研修を所管する「国家政治学院」は、公務員研修制度の改革に当たり、我が国の制度を参考にしたい旨の意向を示し、人事院に協力を要請してきた。これにこたえて、幹部職員を含む同学院の職員10人のほか、同国外務省職員2人の計12人を対象に、平成14年4月22日から4月26日までの約1週間にわたり、日本の公務員制度を主題として研修を実施した。

(4)  アルゼンチン人事管理セミナー

アルゼンチンでは、現在、公務員制度の改革、中央政府の機構・機能の再編・合理化が重要政策課題となっており、効率的に国家を運営していく行政手法、政策の継続性・安定性に資する公務員の管理・育成を模索しているが、同国の要請に基づき、平成9年度から、国際協力事業団の協力を得て、アルゼンチン人事管理セミナーを実施している。

平成14年度は、アルゼンチンの中央政府において人事管理に携わる職員5人を対象に、平成14年10月4日から10月18日までの約2週間にわたり、日本の行政制度及び公務員制度を主題として研修を実施した。

(5)  中央アジア地域人事管理セミナー

平成13年度から中央アジア諸国の人事行政制度の改革を支援するため、中央アジア地域人事管理セミナーを実施している。平成14年度は、4か国、7人を対象に、平成14年5月29日から6月14日までの約3週間にわたり、人事管理の基礎理論と運用の実情を主題として、講義、討議等からなる研修を実施した。参加国の内訳は、カザフスタン、キルギス、アゼルバイジャン、グルジアであった。


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