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第2編 ≪国家公務員倫理審査会の業務≫
第1部 倫理制度に関するこの1年の主な動きと今後の課題
3 倫理制度に関する意見聴取
(2) モニターに対するアンケート調査
ア 公務員倫理モニターに対するアンケート調査
公務員の倫理保持の状況、倫理制度の在り方等に関し、各界の有識者の評価・意見等を把握するため、各界有識者(企業経営者、地方自治体の長、学識経験者、新聞社論説委員、労働組合役員、市民団体関係者等)200人に公務員倫理モニターを委嘱し、平成14年6月にアンケート調査を行った。
そのうち、倫理法・倫理規程による倫理制度が国家公務員又は行政に与えた影響について聞いた結果は、次のようになっている。
- (ア) 全体としては、良い影響が多かったとの回答が62.5%となっている。(図1)
(イ) 良い影響があったと回答した者の理由は、「国家公務員が問題となる贈与や接待を受けなくなった」の59.2%、「行政手法に改善が見られた(情報収集等の方法として夜の宴会がなくなった等)」の53.5%が上位二つとなっている(複数回答制)。
(ウ) 悪い影響があったと回答した者の理由は、「国家公務員が萎縮し、士気が低下した」の52.9%、「行政と民間企業等との間の情報収集、意見交換等に支障が生じた」の51.2%が上位二つとなっている(複数回答制)。
図1 倫理法・倫理規程による倫理制度が国家公務員又は行政に与えた影響をどのように考えますか。

平成14年11月、人事院の募集した国家公務員に関するモニター500人に対して公務員倫理に関するアンケート調査を実施した。
その主な結果は、次のようになっている。
- (ア) 国家公務員の倫理感についての印象は、「全体として倫理感が高いが、一部に低い者もいる」が最も多く、43.1%となっている。(図2)
(イ) 利害関係者との間の禁止行為のうち、1)利害関係者からの金銭・物品の贈与、2)利害関係者からの飲食の提供、3)利害関係者とのゴルフや旅行について、それぞれどのように思うかを聞いたところ、「現行どおりでよい」が最も多くなっている(1)については65.3%、2)については67.2%、3)については71.5%)。
(ウ) 夜に利害関係者と割り勘で飲食をする場合の規制については、「現行どおりでよい」が45.9%、「割り勘であっても、利害関係者との飲食は禁止すべきである」が42.9%となっている。(図3)
図2 国家公務員の倫理感について、どのような印象をお持ちですか。

図3 夜に利害関係者と割り勘で飲食をする場合で、仕事に直接関係がないときや、仕事に直接関係があっても1人当たりの費用が一定程度(出席する職員の役職、他の出席者の顔ぶれ、会合の場所等にもよりますが、最高1万円程度まで)を超えるときには、事前に許可を得る必要があることについて、どのように思いますか。

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