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第1編 人事行政

第1部 政治任用〜主要諸国における実態〜

第1節 政治任用をめぐる動向

3 近年の動き


平成5年(1993年)の細川連立政権の誕生を契機に、政権交代を前提とした「官」の位置付けや「政」との役割分担という問題が意識されるようになった。すなわち、その時々の政権が選挙民の意思を背景にした政策を実施するため、官僚の適切な補佐を得つつ政治的リーダーシップを発揮する重要性について関心が高まった。

また、この時期は、いわゆるバブル経済が崩壊した時期でもあり、住専問題、薬害エイズ、BSE問題など、「行政の失敗」と評された事例も次々と生じ、「官僚に任せておけば間違いがない」という安心感が薄れ、急激な時代の転換期における公務員の非効率性、非柔軟性、保守性、縦割り意識などの限界がしばしば指摘されるようになった。加えて、国家公務員の不祥事が続けて明るみに出たこともあり、官僚は清廉であるという従来の国民の信頼も大きく揺らぐこととなった。

このような状況下で、民主主義の理念を徹底し、国民に対する責任の所在を明確にするためには、政治責任を持つ者が、政策決定の実質的権限を担うべきという議論が高まった。

そのための見直しの一環として、イギリスを参考に、平成13年の省庁再編時より、従来の政務次官に代わって副大臣・大臣政務官を各府省に置くこととする議員立法が成立し、これにより、大臣を補佐する行政府内の政治家が大幅に増加することとなった。同時に、内閣総理大臣がリーダーシップを発揮できるようその補佐機能を充実させる観点から、内閣総理大臣補佐官の定員増、内閣官房副長官補及び内閣情報官の新設、内閣広報官の格上げなどが行われたが、これらのポストは内閣官房副長官等と同じく特別職国家公務員とされ、官僚出身者が任用される場合も多いものの、政権主導で人選が行われる自由任用職となっている。


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