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第1編 人事行政

第2部 人事行政この1年の主な動きと今後の課題

VI 法科大学院の教員としての一般職の国家公務員の派遣


司法制度改革に伴う新たな法曹養成制度においては、法科大学院における教育が、司法試験及び司法修習生の修習との有機的な連携の下に、法曹としての実務に関する教育を担うものであることから、そのような実務に関する教育の実効性を確保するため、裁判官及び検察官に加えて、行政実務に関する最先端の専門的な知識・経験を有する一般職の国家公務員を法科大学院に実務家教員として継続的かつ安定的に派遣することを目的とした「法科大学院への裁判官及び検察官その他の一般職の国家公務員の派遣に関する法律」が平成15年5月9日に公布され、法科大学院における学生の受入が始まる平成16年4月1日(準備行為に係る規定については平成15年10月1日)から施行されることとなった。

この新たな派遣制度は、一般職の職員の身分、給与等に関係するものであることから、法律案の検討過程において、人事院は、内閣官房長官(司法制度改革推進副本部長)からの要請を受け、平成15年3月11日、司法制度改革推進本部で検討中の方針に対して見解表明を行ったところであるが、同法の委任を受け、平成15年10月1日には、法科大学院への検察官等の派遣に関し必要な事項を定めた規則24−0(検察官その他の職員の法科大学院への派遣)を制定し、同法の施行に合わせて施行した。

●法科大学院の教員としての一般職の国家公務員の派遣制度の概要●
1 目的

法科大学院における法曹としての実務に関する教育の実効性の確保を図る観点から、国の責務として、検察官その他の一般職の国家公務員を、法科大学院の教員として継続的かつ安定的に派遣すること

2 派遣形態

次の2つの派遣形態を用意

(1) パートタイム型派遣
国家公務員としての職務とともに法科大学院における教授等の業務を行う形態

(2) フルタイム型派遣
国家公務員としての職務に従事せず専ら法科大学院における教授等の業務を行う形態

3 期間

3年以内(必要がある場合、派遣職員の同意を得て5年まで延長可)

4 服務

法科大学院における教授等の業務への従事について、職務専念義務を免除

5 身分(フルタイム型派遣の場合)

国家公務員としての身分は保有するが、職務には従事しない

6 給与

(1) パートタイム型派遣職員
正規の勤務時間において法科大学院において教授等の業務を行うため勤務しない場合には、その勤務しない時間の給与額を減額して支給(ただし、法科大学院の報酬等の年額が、給与の減額分の年額に満たない場合であって、特に必要があると認められるときは、両者の額の差額を限度として、給与の減額分の100分の50以内を支給可)

(2) フルタイム型派遣職員
派遣の期間中、給与を支給しない(ただし、法科大学院の報酬等の年額が、派遣日の前日における給与の年額に満たない場合であって、特に必要があると認められるときは、両者の額の差額を限度として、俸給等の100分の50以内を支給可)

7 派遣の手続等

(1) 法科大学院設置者は、派遣を必要とする事由及び派遣に関して希望する条件を記載した書類を任命権者に提出

(2) 任命権者と法科大学院設置者との間で、法科大学院における勤務時間、報酬その他の勤務条件、業務内容等に関する取決めを締結し、派遣予定職員に当該取決めの内容等を明示した上で、同意を得ることが必要

(3) 派遣は、派遣期間満了のほか、派遣先で教授等の地位を失った場合、国家公務員法に規定する分限事由、休職事由、懲戒事由に該当することとなった場合などに終了


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