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第1編 人事行政

第2部 人事行政この1年の主な動きと今後の課題

VIII 公務員給与の在り方

1 地域における公務員給与をはじめ給与構造全般の見直しの必要性


公務員給与は、これまで全体としての給与水準の外部との均衡を図るとともに、部内における均衡を重視して制度設計が行われてきたが、公務員給与の部内配分の在り方についても国民の関心が高まっており、地域の公務員給与は地域の民間給与の実情を十分に反映していないのではないか、公務員給与の制度・運用が年功的となっているのではないかなどの批判がなされている。

地域における公務員給与の在り方は、地域関連手当など地域別給与配分のほかに、職種間、世代間の配分など給与配分全体の在り方と密接に関係している。例えば、俸給表の各級の金額の上下幅が大きく、級間の給与水準の重なりが大きいなどの俸給表構造自体の問題や、昇格・昇給など成績反映の仕組みの活用が不十分であることなどから、地域に勤務する公務員を含め公務員給与が年功的・一律的に増加し、成果・実績重視の方向での人事・賃金体系の見直しが進められている民間における傾向と違いが生じてきているという事情がある。

したがって、公務内外の大きな環境変化の下、国民の関心の高い、地域の公務員給与の問題に適切に対応していくためには、給与決定における年功要素を縮小するとともに、職務・職責を基本に勤務実績・業績を重視した制度となるよう制度の見直しを行いつつ、民間給与の地域差に対応できる仕組みとするなど、給与制度全般として整合性の取れた形で見直しを進めていく必要がある。

以上については、地域に勤務する公務員の給与にふさわしい給与の在り方について検討を行うため、平成14年9月に人事院に設置された、学識経験者を中心とする「地域に勤務する公務員の給与に関する研究会」(座長:神代和欣横浜国立大学名誉教授・放送大学教授)が、平成15年7月に事務総長に対して行った基本報告においても、同様の認識が示されている。

▲研究会基本報告を神代座長から受け取る大村事務総長


●「地域に勤務する公務員の給与に関する研究会」基本報告の主な提言●
  • ・ 公務員の給与水準を民間準拠方式により決定することは妥当であるが、民間企業における人事・組織形態の変化に応じた調査・比較方法の見直しは必要
  • ・ 地域における官民の給与の状況を見ると、現在の公務員給与の地域差は不十分であり、今まで以上に地域の民間給与等を反映させることが必要
  • ・ 地域の民間給与をより反映させるため、俸給等を引き下げることも念頭に置いて、支給地域、支給割合等を基本的に見直した地域手当を導入
  • ・ 給与の地域差を拡大する場合には、必要な転勤を円滑に行えるようにするため、転勤の在り方を見直し、総数を縮減していくことを前提に、転勤により給与額が下がる場合には、一定期間、逓減型の転勤手当(仮称)を支給
  • ・ 地域に勤務する公務員の給与の問題に基本的に対応するためには、年功的な運用となりがちな給与制度全体の見直しが必要であり、給与カーブのフラット化や昇給制度の在り方の見直し、職務に応じた処遇の徹底、ボーナスの成績査定分の拡大等が必要

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