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第1編 人事行政

第1部 人事行政における国際協力とグローバル化対応〜交流の活発化と「国際競争力」の確保・向上を目指して〜

I 国際協力・国際交流等の背景と必要性

1 途上国等の公務員制度整備・人材育成に対する国際協力等のニーズ


途上国や体制移行国にあっては、その国づくりを進めるに当たって、行政の基盤である公務員制度を整備し、自国の優秀な公務員を確保・育成することの緊要性が高いとの認識の下、我が国の公務員制度やその運用を学びたいとの要望が強い。我が国は、非西欧圏の国々の中にあって独立を確保し、いち早く国の近代化に成功し、第二次世界大戦の敗戦後も、経済復興とそれに続く高度成長を遂げるという希有な経験を有している。このような近代化及び復興と成長を可能とした大きな要因の一つとして、近代的な公務員制度の確立及びその下における公務員の貢献があるとされ、我が国の公務員制度のみならず、公務における人材の確保・育成についても、途上国等から大きな関心が寄せられている。

このような途上国等からの要請を受け、人事院は、独立行政法人国際協力機構(以下「JICA」という。)等と協力し、途上国等の人事行政機関等の職員を研修員として我が国に受け入れる一方、途上国等への人事行政の専門家派遣を行ってきている。 もとより、公務員制度は、それぞれの国の発展段階や、社会、政治等の状況に影響されるところが大きく、我が国に適合した制度をそのまま他の国に導入することが適当であるとは限らない。しかし、今日において、途上国等が我が国の公務員制度や人材の確保・育成について学び、これをそれぞれの国において活用することは、以下のように、その意義が大きいと考えられている。

また、公務員制度整備に関する国際協力に加えて、人事院は、途上国等の公務員の政策企画立案能力の向上を図る研修を実施している。これについては、我が国政府の方針としても、「政府開発援助大綱」(平成15年8月閣議決定)や「政府開発援助に関する中期政策」(平成17年2月閣議報告)において、「制度構築」とともに「人づくり」への協力を重視するとされているほか、途上国等において、1)国づくりや体制移行を進めるためには、公務員の政策企画立案能力が一層重要となっていること、2)環境問題や都市問題など新しい課題が生じており、これらに対処するための最新の知見を得たいという要請も強くなっていることから、ニーズは大きい。 人事院が人事行政の分野の国際協力を行うのと同様に、各府省等においても所管する分野における国際協力等を行っているが、それらの分野においても協力の要請は強く、そのための職員派遣を人事面で支援する派遣法の意義も依然大きい。


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