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第1編 人事行政

第1部 人事行政における国際協力とグローバル化対応〜交流の活発化と「国際競争力」の確保・向上を目指して〜

おわりに


本稿では、世界的規模で社会経済変動が様々な分野に対して大きな影響を与えるグローバル化が進展する中で、人事院が人事行政分野において取り組んできた国際協力・国際交流や国際化に対応した我が国公務員の育成等について振り返った。

まず、途上国等に対する国際協力として、JICAと協力して行ってきた途上国等の政府職員を対象とした研修と途上国等への専門家派遣については、対象国の公務員制度の整備や改善を支援することを目的とするものと、対象国の近代化等を支える公務員の人材育成等を目的とするものがあるが、これまでに実際に行ってきた研修や専門家派遣は、前述のとおり、それぞれその目的に照らした高い評価を受け、一定の成果等に結び付いている。

このように、途上国等に対する国際協力として行っている研修や専門家派遣は、そのニーズにこたえてきており、我が国政府の方針としてもその意義が認められるところであり、人事院としては、これからも途上国等からの強い要請にこたえ、相手国の事情、ニーズ等に応じた効果的な支援になるよう改善、工夫を図りながら、積極的に協力し、対応していきたい。

また、各府省等のグローバル化対応への支援として行っている在外研究員制度等について、各府省等から語学力の一層の向上、国際的な知見の拡大のみならず、「行政官としての幅を広げて帰ってくる」と高い評価を受けており、今後とも我が国行政官が様々な経験を得ることができるようその拡充に努めていきたい。

その他、日米両国の相互理解や協力関係を深めるために大きく機能している「マンスフィールド研修」については、平成17年には現在米国で研修中の第10期生を我が国に迎えることとなっており、新たな段階に入っている。人事院としては、この時期に、改めて日米両国の関係者とも協議し、協力関係を確認した上で、この研修が発展的に継続され、日本について深い理解を持った連邦政府職員が今後も数多く育成されるよう、積極的な役割を果たしていきたい。

また、最新の動きとして紹介した「日中韓人事行政ネットワーク」については、人事行政の分野として初めての経験である。人事院としては、中国及び韓国との間で、このネットワークを通じて人事行政の分野における緊密な連携と交流を進めていくことは、両国との相互関係や協力関係を深めるためにも、それぞれの国の人事行政の発展のためにも、極めて重要であると考えており、中国人事部及び韓国中央人事委員会と十分に意見交換等を行いながら、人事行政に関する各種協力、人事行政に関するセミナー・フォーラムの開催、人事政策に関する調査研究その他の各種事業を幅広く展開できるよう、積極的に働きかけを行っていくこととしたい。

最後に、人事院の国際関係業務にご縁のあった様々な方々に寄稿をお願いしたところ、いずれも快く引き受けていただいた。人事院が長年手がけてきた国際関係業務の「成果」は、これらの寄稿の内容がよく示していると考える。改めて感謝するとともに、これらの方々とのつながりを今後も大事にしていきたい。

今後とも、諸外国の公務員制度整備や人材育成等に協力するとともに、本稿に述べたような国際的な交流等を通じてグローバルな視点で行政を考える力とマインドを持った我が国の公務員が育っていくことを期待し、結びとしたい。


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