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第1編 人事行政

特別寄稿 政治任用 〜専門家の目から見た展望と留意点〜

● はじめに


昨年度(平成15年度)の年次報告書において、人事院は、「政治任用〜主要諸国における実態〜」と題し、主要先進国(米、英、仏、独)の公務における政治任用の実態を紹介したが、その際、「今後も、人事行政の専門機関として、有識者の意見を幅広く聴取するなどして、この問題の研究を発展させてまいりたい」と結んだところである。

本年度の報告書においては、このテーマのフォローアップとして、憲法学・政治学や行政学を専門とされる4名の有識者の方々に、これら4か国における政治任用の更なる分析と、我が国における政治任用の今後の展望についてご寄稿いただくこととした。

具体的には、前回取り上げた4か国の実態調査のため、小林 節・慶應義塾大学教授に米国、森田 朗・東京大学公共政策大学院長に英国及びドイツ、西尾 勝・国際基督教大学大学院教授にフランスへの出張をそれぞれ委嘱した。

この委嘱調査において、小林先生は政治任用経験者などへのインタビューを通じ、米国において政治任用されるための条件や政治任用に求められる資質を明らかにしつつ、米国の政治任用の運用における長所と短所を浮き彫りにされ、森田先生は政治任用を類型化するとともに、英国やドイツにおける政党やシンクタンクの果たす役割、政治任用者の退職後の再就職や経済的保障等に着目されている。また、西尾先生は、フランスにおける政治任用につき、「高級職」と「大臣キャビネ職員」とでは閣僚と進退を共にするか否かの違いがある点や、「大臣キャビネ」が政治と行政の間の橋渡し役となっている点を指摘されている。3人の先生方には、各国におけるこうした調査結果の分析を踏まえた上で、我が国への政治任用の導入に係るご考察をいただいた。

併せて、村松 岐夫・学習院大学教授(京都大学名誉教授)には、海外から見た我が国官僚の働き方に対する評価や新規採用公務員の意識調査なども踏まえた上で、政治任用職と官僚制の関係に関するご考察をいただいた。


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