前(節)へ 次(節)へ

第1編 人事行政

第3部 平成16年度業務状況

第2章 人材の育成

7 派遣研修


我が国における行政運営の国際化に的確に対応し得る人材を育成する研修として、各府省の行政官を国外の大学院、政府機関等に派遣する「行政官長期・短期在外研究員制度」を、また、複雑かつ高度化する行政に対応する専門的な知識、技能を修得させる研修として、各府省の行政官を国内の大学院に派遣する「行政官国内研究員制度(大学院コース)」、司法研修所に派遣する「同(司法修習コース)」を実施している。

このほか、職員を民間企業等に派遣して、民間企業等の効率的業務運営の手法を体験、習得させる民間派遣研修の制度を運営している。

(1) 在外研究員制度
ア 行政官長期在外研究員制度

この制度は、行政の国際化が進展する中で、国際的視野を持ち、複雑・多様化する国際環境に的確に対応できる行政官の育成を図ることを目的に、各府省の行政官を2年間諸外国の大学院等に派遣し、国際化する行政に必要な各分野の研究に従事させるものである。

派遣される研究員は、在職期間が8年未満の行政官で、各府省の長が推薦する者のうちから、人事院の選抜審査及び大学院等の選考を経て決定している。

昭和41年度に発足して以来、平成16年度までに派遣した研究員の総数は、1,910人で、派遣先国別の内訳は、米国1,433人、英国248人、フランス122人、ドイツ53人、カナダ37人、オーストラリア15人、デンマーク1人及び大韓民国1人となっている。

派遣人員は、着実に増加してきており、平成16年度においても前年度とほぼ同数の129人を派遣した。(図2−2

●図2-2 行政官長期在外研究員派遣者数の推移


平成16年度の国別の派遣先内訳は、表2−9のとおりである。

この制度の修了者は、そのほとんどが派遣期間中に修士号の学位等を取得するとともに、帰国後、再び海外の第一線で活躍する者が多い。国内にあっても、国際的視野に立った行政施策の企画・調整の衝に当たるなど、我が国行政の国際的な活動において、大きな役割を担っている。

イ 行政官短期在外研究員制度

この制度は、諸外国において専門的な知識、技能等を習得させることにより、増大しつつある国際的業務に適切かつ迅速に対処し得る人材の育成を図ることを目的に、各府省の行政官を約6か月間又は1年間、諸外国の政府機関等に派遣するものである。

派遣される研究員は、在職期間がおおむね6年以上で、かつ、職務の級が行政職俸給表(一)の4級以上(他の俸給表についてはこれに相当する級)の行政官で、各府省の長が推薦する者のうちから、人事院が選抜審査を行って決定している。研究員は、諸外国の政府機関、国際機関等に派遣され、それぞれの課題について調査研究活動に従事する。

昭和49年度に発足して以来、平成16年度までに派遣した研究員の総数は、1,101人で、派遣先国別の内訳は、米国544人、英国229人、オーストラリア68人、フランス50人、ドイツ49人、カナダ46人、その他115人となっている。

●表2-9 平成16年度行政官長期在外研究員派遣状況


平成16年度は、新たに制度化したシニアコース(行政職俸給表(一)9級以上)4人を含め43人を派遣したが、その国別の派遣先内訳は、表2−10のとおりである。

●表2-10 平成16年度行政官短期在外研究員派遣状況


研究員が帰国後に提出する研究報告書は、海外の制度、実情に関する最新の情報であり、関連する行政分野における貴重な資料として、各府省の行政に反映されている。

(2) 国内研究員制度
ア 行政官国内研究員制度(大学院コース)

この制度は、高度の専門知識、技能を持った行政官を育成し、行政の複雑・高度化に対処することを目的に、各府省の行政官を2年間を限度として、国内の大学院の修士課程に派遣し研究に従事させるものである。

派遣される研究員は、在職期間が2年以上おおむね16年未満で、かつ、職務の級が行政職俸給表(一)の2級から8級まで(他の俸給表についてはこれに相当する級)の行政官で、各府省の長が推薦する者のうちから、人事院の選抜審査及び大学院の入学試験を経て決定される。

平成16年度は、18人の研究員を派遣した。(表2−11

●表2-11 平成16年度行政官国内研究員(大学院コース)派遣状況


これまでの派遣者総数は、筑波大学大学院110人(昭和51年度から)、横浜国立大学大学院46人(平成2年度から)、東京大学大学院72人(平成4年度から)、京都大学大学院21人(平成6年度から)、政策研究大学院大学30人(平成12年度から)及び埼玉大学大学院97人(昭和52年度から平成11年度まで)となっている。

イ 行政官国内研究員制度(司法修習コース)

この制度は、各府省の行政官のうち、司法試験に合格している者を司法研修所に派遣して、法律に関する理論と実務の研究に従事させることにより、複雑かつ高度化する行政に対応し得る専門的な法律的知識等を修得させることを目的としている。

平成16年度は1人の研究員を派遣し、昭和63年度に発足して以来、平成16年度までに派遣した研究員の総数は21人となっている。

(3) 民間派遣研修制度

この制度は、職員を民間会社等に派遣して、その業務を体験させることにより、民間会社等の業務運営の手法等を理解させることを目的としている。

平成16年度においては、地方機関からの派遣も含めて、4府省から25人の行政官が民間企業に派遣された。


前(節)へ 次(節)へ
© National Personnel Authority