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第1編 人事行政

第3部 平成16年度業務状況

第3章 職員の給与

第2節 給与法等の実施


1 給与勧告に伴う給与法等の改正
(1) 給与法等の改正

給与勧告を実施するための給与法及び寒冷地手当法等の改正は、前記の「公務員の給与改定に関する取扱いについて」(閣議決定)に基づき、「一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案」として、平成16年10月12日に閣議決定され、同日、第161回国会に提出された。同法案は、衆議院総務委員会、参議院総務委員会における審議を経て、10月27日の参議院本会議で可決・成立し、同月28日に公布・施行された。(法律第136号)

(2) 規則の改正等

給与法等の改正に伴う関連規則は、改正法の公布に合わせて平成16年10月28日に公布、施行された。

改正の内容の主要なものは、次のとおりである。

ア 俸給表の適用範囲

国立大学法人化等に伴う給与法の規定の整備に伴い、教育職俸給表及び指定職俸給表の適用範囲の変更等を行うため、規則9−2(俸給表の適用範囲)及び規則9−42(指定職俸給表の適用を受ける職員の俸給月額)の一部を改正した。

イ 初任給、昇格、昇給等の基準

教育職俸給表の見直しに伴い、廃止された教育職俸給表(二)及び教育職俸給表(三)に係る初任給、昇格・降格等の基準の廃止等を行うため、規則9−8(初任給、昇格、昇給等の基準)の一部を改正した。

ウ 俸給の切替え

教育職俸給表の見直しに伴い、これらの俸給表の最高の号俸を超える俸給月額を受ける職員の俸給の切替えに関し、新たに規則9−115(平成16年改正法附則第5項の規定による職務の級における最高の号俸を超える俸給月額を受ける職員の俸給の切替え等)を制定した。

エ 俸給の調整額

教育職俸給表の見直しに伴い、規則9−6(俸給の調整額)の調整基本額表等を改正した。

オ 初任給調整手当

教育職俸給表の見直しに伴い、同俸給表に係る初任給調整手当の支給官職について整理するため、規則9−34(初任給調整手当)の一部を改正した。

カ 研究員調整手当

国立学校の法人化により教育関係の職員が支給対象から除外されたことに伴い、規則9−102(研究員調整手当)の一部を改正した。

キ 特地勤務手当及び特地勤務手当に準ずる手当

特地勤務手当に準ずる手当に係る給与法の規定が第13条の3から第14条となったことに伴い、規則9−55(特地勤務手当等)の一部を改正した。

ク ハワイ観測所勤務手当

国立学校の法人化によって、国家公務員がハワイ観測所に勤務することがなくなったため、ハワイ観測所勤務手当が給与法から削除されたことに伴い、規則9−105(ハワイ観測所勤務手当)を廃止した。

ケ 期末手当、勤勉手当及び期末特別手当

教育職俸給表(二)及び(三)が削除されるとともに、新たな教育職俸給表(一)及び(二)が設けられたことに伴い、これらの俸給表に係る期末手当及び勤勉手当の役職段階別加算及び管理職加算について定めるため、規則9−40(期末手当、勤勉手当及び期末特別手当)の一部を改正した。

コ 義務教育等教員特別手当

国立学校の法人化によって、国家公務員が義務教育諸学校に勤務することがなくなったため、義務教育等教員特別手当が給与法から削除されたことに伴い、規則9−68(義務教育等教員特別手当)を廃止した。

サ 暫定筑波研究学園都市移転手当

義務教育等教員特別手当の廃止、研究員調整手当に係る規定の改正(給与法第11条の8第2項の削除)が行われたことに伴い、これらに係る部分を削除するため規則9−103(暫定筑波研究学園都市移転手当)の一部を改正した。

(3) 寒冷地手当法の改正

寒冷地手当については、地域の公務員給与の見直しの一環として、支給地域及び支給額について、民間準拠を基本に近年の気象状況等を踏まえた抜本的な見直しを求めた勧告を行い、この勧告に基づき、寒冷地手当法の改正が行われた。主な見直し内容は、次のとおりである。

ア 支給地域の見直し

支給地域について、ほとんどの民間事業所において寒冷地手当に相当する給与を支給している北海道のほか、気温や積雪量が北海道と同程度である本州の一部の市町村に限定された。また、支給区分についても、北海道は1級地から3級地まで、本州は4級地とし、各区分に属する地域については、法律で定められた。これにより、支給地域は約4割削減(1,331市町村から747市町村へ)された。

イ 支給額及び支給方法の見直し

支給額について、各地域の民間事業所の支給実態に合わせて見直すことにより、約4割引下げられた。

支給方法についても、燃料を一括購入する必要性がなくなっていること、支給事務の簡素化の観点から、従来の10月末日における年間分の一括支給から、毎年11月から翌年3月までの5か月間における月額制に変更し、11月から3月までの各月の初日(基準日)に支給地域に在勤する職員に対して、俸給の支給定日に支給することとされた。これに伴い、追給・返納制度は廃止することとされた。また、基準日に停職者等であった職員に対して手当は支給されないが、月の途中で停職になった場合等には、俸給等と同様に日割支給によることとされた。

なお、支給地域の大幅な削減、支給額の大幅な引下げによる手当受給者や地域に与える影響を考慮し、次のような経過措置が講じられた。

ウ その他 2その他の制度改正
(1) 俸給表の適用範囲

行政組織の改正、官職の新設等に伴い、専門行政職俸給表及び福祉職俸給表の適用範囲の変更等を行うため、規則9−2の一部を改正した。

(2) 判事補及び検事の弁護士職務経験に関する法律の施行に伴う措置

判事補及び検事の弁護士職務経験に関する法律の施行に伴い、検事が弁護士業務に従事していた際に業務上の災害等を受け、給与法適用職員として公務に復帰することとなった場合の給与上の取扱いについて所要の措置を行うため、規則9−8等の一部を改正した。

(3) 特殊勤務手当

手当の見直し等を行うため、規則9−30(特殊勤務手当)の一部を改正した。主な改正内容は、次のとおりである。

(4) 中部国際空港の開港に伴う特例措置

平成17年2月17日に開港した中部国際空港の区域に設置される官署については、名古屋空港の区域に所在していた民間事業所と同時期に移転する等、他の官署移転にはみられない特殊事情を考慮して、給与法第11条の5の規定に基づく調整手当(6%)の支給対象として取り扱うため、規則9−49(調整手当)の一部を改正した。

併せて、通勤手当について、同空港の区域に所在する官署を給与法第12条第5項の住居を得ることが著しく困難な島等に所在する官署として定めるため、規則9−24(通勤手当)の一部を改正した。

(5) 新潟県中越地震に伴う措置

新潟県中越地震による被災職員に対する措置として、平成16年11月分及び12月分の給与の支給を特別に月2回とすることができるよう人事院指令9−347(職員の俸給の月額の月2回払いについて)を発出した。

3 級別定数の改定等
(1) 級別定数の改定

級別定数は、級別標準職務を基準として個々の職務をその複雑、困難及び責任の度に応じて級別に分類し、それぞれの俸給表の職務の級ごとの数を、組織別、会計別及び職名別に定めたものである。各職員の職務の級の決定は、級別定数の範囲内で、職務に応じて行われることとされている。級別定数制度は、職務評価の統一性、客観性を確保し、各府省における適正・妥当な俸給決定が行えるように設けられているものである。また、給与勧告の前提となる官民の給与比較において、官民の対応する職務段階の職責の同等性を担保しており、官民比較を行う上で不可欠の機能を果たしている。

級別定数の設定及び改定は、同定数が職員の昇格枠として職員の重要な勤務条件であることから、労働基本権制約の代償機関である人事院が、労使交渉に代わるものとしてその設定及び改定を行っている。具体的には、毎年、行政需要の増大及び行政の複雑・多様化等に伴って個々の職務の価値が変化することに対処するとともに、各府省における適正かつ安定した人事運用を確保するため、組織の新設又は改廃等職務内容の変化や、各府省における職員構成等を踏まえ、所要の見直しを行っている。

平成16年度においても、職務の重要性が増大し、職務負担の加重化傾向の著しい官職について適切に措置するとともに、必要性の薄くなった定数については回収するなど、所要の改定を行った。その際、世代間に大きな不公平性が生じないよう配慮するとともに、職員の処遇について、各府省ごとの事情を十分考慮しつつ全体として著しい不均衡が生じないよう配慮した。また、級別定数の改定に当たって、スタッフ職の充実、早期退職慣行の是正、技術系職員の登用、II種・III種等採用職員の登用など、人事管理上の諸課題に円滑に対応するための条件整備を図っていくことにも意を用いた。

(2) 職務の級の決定等の審査

採用、昇格、昇給等の際の規則9−8に基づく職務の級及び俸給月額の決定等のうち、行政職俸給表(一)9級以上等の上位級への決定、中途採用者の初任給決定等については、その基準を明示し、各府省が自ら決定することができることとしているが、基準に該当しない特例的な給与決定に係る案件について各府省からの個別の協議に応じ、審査を行った。

4 表彰等による特別昇給の実施

職員の中には、長年にわたり極めて困難な勤務条件の下で献身的に職務に従事している者や、勤務成績の向上、能率の増進、発明考案等により職務上特に功績のある者が少なくない。各府省においては、これらの職員に対してその労に報いるとともに、職員の士気を高めるため、積極的に表彰ないし顕彰を実施し、給与上も人事院の定める基準により特別昇給を行ってきている。平成16年度は、人事院総裁賞1件のほか、警察庁及び国土交通省において実施された7件の表彰について、特別昇給が行われた。表彰等による特別昇給を行った職員について例示すれば、次のとおりである。

5 給与実務の指導

給与事務の適正な運用を確保するため、各府省の給与実務担当者を対象とした給与実務全般についての研修会を本院及び各地方事務局(所)において35回開催するほか、給与実務に必要な資料を作成、配布するなど、円滑な事務処理を行う上で必要な事項の周知に努めた。

6 独立行政法人等の給与水準の公表

平成16年6月末に「独立行政法人の役員の報酬等及び職員の給与の水準の公表方法等について(ガイドライン)」(平成15年9月9日総務大臣)に基づく初めての給与水準の公表が行われ、7月にはその結果が総務省において取りまとめられて公表された。人事院は、この公表に当たり、各独立行政法人の給与の国家公務員との比較指標等を作成、提供するなど、公務員給与の専門機関として協力した。

平成17年度からは、新たに独立行政法人国立病院機構等が公表対象となるとともに、国立大学法人及び大学共同利用機関法人についても、「国立大学法人等の役員の報酬等及び職員の給与の水準の公表方法等について(ガイドライン)」(平成17年2月7日総務大臣)により独立行政法人と同様に公表することとされたため、これらの法人の給与についても、比較対象職種を拡大して国家公務員との比較指標等を作成・提供することとしている。


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