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第1編 人事行政

第3部 平成16年度業務状況

第6章 職員の災害補償

第1節 災害補償の制度改正等


1 補償法の改正

平成16年10月12日、「障害補償に係る障害の等級の改定等のための国家公務員災害補償法及び地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案」が第161回国会に提出され、同年11月19日に成立し、同月30日平成16年法律第144号として公布された。

この改正は、平成16年7月1日の人事院の意見の申出により行われたものであり、主な改正内容は次のとおりである。

(1) 障害補償に係る障害の等級の改定
ア 手指の障害

一手の示指を失ったものに係る障害の等級を第10級から1級引き下げて第11級とし、一手の小指を失ったものに係る障害の等級を第13級から1級引き上げて第12級とした。また、これらの改定に伴い、複数の手指を失ったものに係る障害の等級を改定するとともに、手指の用を廃したもの等に係る障害の等級を手指を失ったものの例に準じて改定した。

イ 眼の障害

複視に係る障害については、補償法別表に定める各等級の障害に相当するもの(いわゆる「準用等級」)とされ、その障害の等級は、正面視で複視を生ずるものについて第12級、左右上下視で複視を生ずるものについて第14級とされていたが、同表に正面視で複視を残すもの及び正面視以外で複視を残すものとして掲げることとするとともに、それらの障害の等級について、それぞれ第10級及び第13級とした。

(2) 用語の整理

補償法別表中の用語のうち、「腕関節」、「奇形」、「仮関節」、「薬指」及び「末関節」について、それぞれ「手関節」、「変形」、「偽関節」、「環指」及び「遠位指節間関節」とした。

(3) 施行日

この改正法は、平成16年11月30日から施行し、改正後の補償法の規定は、同年7月1日から適用した。ただし、一手の示指を失ったものに係る障害の等級の改定等については、職員に不利な改定であることにかんがみ、同年12月1日から実施するため、同年7月1日から同年11月30日までの間、改正前の障害の等級とするよう、改正法に読替規定をおいた。

なお、補償法の改正に伴い、規則16−0(職員の災害補償)、規則16−2(在外公館に勤務する職員、船員である職員等に係る災害補償の特例)及び規則16−3(災害を受けた職員の福祉事業)の一部改正等を行った。

2 給付水準等の改正

補償及び福祉事業の給付水準等に関する次の事項について改正を行い、平成16年4月1日から施行した。

(1) 介護補償

給与水準等の低下に伴い、労働者災害補償保険において介護補償給付及び介護給付の支給月額の引下げが行われたことを受けて、介護補償を次のとおり引き下げた。(規則16−0の一部改正)


(2) 奨学援護金

子弟の学費の支弁が困難な遺族補償年金受給者等に対して支給する奨学援護金の支給月額のうち、大学生等に係る額を36,000円から38,000円に引き上げた。(規則16−3の一部改正)

3 寒冷地手当法の改正に伴う寒冷地手当の平均給与額への算入方法の改正

給与勧告に基づく寒冷地手当法の改正により、寒冷地手当の支給方法の見直し(一括支給制から月額支給制に変更)等が行われたことに伴い、災害補償制度における同手当の平均給与額の算定基礎となる給与への加算方法等について、所要の改正を行い、平成16年10月28日から施行した。(規則16−0の一部改正)

4 通勤災害保護制度における通勤の範囲の見直しに係る意見の申出

人事院は、職員の勤務及び就業の実態、単身赴任者の赴任先住居と帰省先住居間の移動の実態等にかんがみ、通勤災害保護制度における通勤の範囲の見直しを行うことが必要であると認め、平成17年3月30日に、国家公務員災害補償法の改正に関する意見の申出を行った。

今回の意見の申出は、通勤災害保護制度における通勤について、これまでの住居と勤務場所との間の往復に加え、1)複数就業者の就業の場所から勤務場所への移動、2)単身赴任者の赴任先住居と帰省先住居の間の移動をその範囲に含めるものである。ただし、1)については、国家公務員法第103条第1項の規定に違反して兼業している場合等は対象外としている。

5 特定独立行政法人の非特定独立行政法人化に伴う措置

特定独立行政法人である産業技術総合研究所が非特定独立行政法人へ移行することに伴い、当該研究所が補償法第3条に定める補償の実施を行う実施機関ではなくなることから、移行前に発生した公務災害及び通勤災害に係る補償の実施機関については、当該研究所の主務省とするための所要の措置を講じた。(規則16−0の一部改正規則の附則において措置)

6 給与水準の変動等に伴う改正

一般職の国家公務員の給与水準の変動等に対応して、次の事項について改正を行い、平成16年4月1日から施行した。

(1) 平均給与額の最低保障額

補償額の算定の基礎となる平均給与額の最低保障額について、4,120円を4,140円に改めた。(平成8年人事院公示第11号の一部改正)

(2) 年金たる補償等に係る平均給与額の改定率

平成14年度以前から年金たる補償を受けている者等に係る平成16年度の補償額の算定に用いる平均給与額について、毎年4月の一般職の国家公務員の給与水準の変動に応じて改定するため、新しい改定率を定めた。(平成2年人事院公示第8号の一部改正)

(3) 年金たる補償等に係る平均給与額の最低限度額及び最高限度額

平成16年度の年金たる補償の額及び長期療養者の休業補償の額の算定に用いる平均給与額の最低限度額及び最高限度額を定めた。(平成4年人事院公示第6号の一部改正)

(4) 遺族補償一時金等の算定における既支給額の再評価率

遺族補償一時金及び障害補償年金差額一時金の額を算定する場合に、既に支給された遺族補償年金、障害補償年金等があるときは、既に支給された額を算定時の水準に再評価する必要があり、そのための平成16年度における再評価率を定めた。(平成4年人事院公示第7号の一部改正)


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