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第1編 人事行政

第3部 平成16年度業務状況

第13章 国際協力

第2節 国際協力研修


1 人事管理研修

我が国の開発途上国に対する技術協力の一環として、独立行政法人国際協力機構(以下「JICA」という。)の協力を得て、各国政府の人事行政制度の整備・改善、公務における人材の育成等に寄与することを目的として、人事管理に関する研修を実施している。この研修では、主に各国の中央人事行政機関の職員を対象に、我が国の人事管理制度やその運営状況の紹介及びこれらに関する各国との比較研究を通じ、各国の実情に適合した人事行政の改善策を探求する機会を提供している。

この研修は、全ての開発途上国を対象とする分野別コース(集団コース)と特定の地域又は国を対象とする特設コースからなっている。前者には、「上級人事管理セミナー」と「人事行政セミナー」の2コースがある。後者には、旧ソ連邦を構成していた中央アジア・コーカサス諸国を対象とする「中央アジア・コーカサス地域人事管理セミナー」及び東ティモールを対象とする「東ティモール行政・人事管理セミナー」に加えて、本年度からベトナムを対象とする「ベトナム人事管理セミナー」及びイランを対象とする「イラン人事管理セミナー」を開始した。

(1) 上級人事管理セミナー

中央人事行政機関等の課長級以上の幹部職員を対象に、我が国の人事管理に係る基本的な考え方や最新の動向について、講義、実地見学等を行うとともに、各国の人事管理の在り方や改善策について討議を行う研修である。

平成3年度から実施し、平成16年度は、9か国、9人を対象に、約4週間にわたり実施した。参加国の内訳は、バングラデシュ、イラン、ケニア、マレーシア、モザンビーク、ミャンマー、オマーン、ポーランド、トリニダード・トバゴであった。

平成3年度創設以来平成16年度までの参加者は、合計48か国(地域)143人に上る。(資料13−2

(2) 人事行政セミナー

中央人事行政機関等の課長補佐級の中堅職員を対象に、我が国の人事管理に係る制度全般やその実務、運用について、講義、実地見学等を行うとともに、各国の人事管理の改善策について討議を行う研修である。

平成11年度から人事行政研修として実施し、平成16年度から討議等の充実を図り、人事行政セミナーとし、9か国、9人を対象に、約4週間にわたり実施した。参加国の内訳は、バーレーン、バングラデシュ、ベナン、中国、ガボン、キリバス、リトアニア、マレーシア、モンゴルであった。

平成11年度創設以来平成16年度までの参加者は、合計40か国65人である。

(3) 中央アジア・コーカサス地域人事管理セミナー

旧ソ連邦を構成していた中央アジア・コーカサス諸国の公務員制度の整備を支援するため、その中央人事行政機関等の中堅職員を対象に、我が国の公務員制度を紹介するとともに、これらの国が抱える課題やその改善策を討議する研修を実施している。

平成13年度から実施し、平成16年度は、6か国、11人を対象に、約3週間にわたり実施した。参加国の内訳は、アルメニア、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、ウクライナ、ウズベキスタンであった。

平成13年度創設以来平成16年度までの参加者は、合計33人である。

(4) 東ティモール行政・人事管理セミナー

3年前に独立した東ティモールに対し、独立以来、同国政府が取り組んでいる公務員制度の整備及び公務における人材育成を支援するため、人事行政機関や各省庁の人事部局の職員に対し、我が国の公務員制度や研修等を紹介するとともに、討議を行う研修を実施している。

平成15年度から実施し、平成16年度は、同国政府職員6人を対象に、約2週間にわたり実施した。

(5) ベトナム人事管理セミナー

ベトナム政府は、今世紀に入り10年計画で公務員制度を含む様々な改革に取り組んでおり、これを支援するため、同国の幹部公務員に対する研修と、改革に関する政策提言を行うホーチミン国家政治学院の幹部職員に対し、我が国の公務員制度とその運用の状況を紹介する研修を開始した。

平成16年度は、同学院院長以下8人を対象に、約2週間にわたり実施した。

(6) イラン人事管理セミナー

同国政府が取り組んでいる人事行政制度の改善を支援するため、同国の人事行政機関である管理計画庁の職員10人を対象に、約2週間にわたり実施した。

2 国家行政研修

開発途上国に対する技術協力の一環として、JICAの協力を得て、各国公務員の資質向上を図り、それらの国の社会経済の発展に取り組む行政の改善に寄与することを目的として、国家行政研修を実施している。この研修では、各国の中央政府機関の職員に対し、我が国の社会・経済政策の企画及び執行等を題材に、それぞれの社会経済の発展に資する行政の在り方を探求する機会を提供している。

この研修は、昭和43年1月の創設以来、年度1コースであったものを、昭和61年度に、各国の中央政府機関の課長級以上を対象とする「上級国家行政セミナー」と、課長補佐級を対象とする「国家行政コースII」(後にこれを「行政と開発」として改編)の2コースに分割した。その後、見直しを行い、後者は、所期の目的を達成したとして、平成14年度で終了し、前者に統合した。

平成16年度は、9か国、9人を対象に、約5週間にわたり、国の社会・経済発展に果たす行政の役割及びそれを担う行政官の在り方を主題として、講義、個別行政分野の事例研究、参加者相互の討議等からなる研修を実施した。参加国の内訳は、アルメニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、中国、エリトリア、モロッコ、スリランカ、タジキスタン、東ティモール、イエメンであった。

上級国家行政セミナーの参加者は、昭和61年度創設以来平成16年度までで55か国(地域)222人に上る。(図13−4資料13−3

●図13-4 平成16年度末までの上級国家行政セミナー地域別参加実績


3 その他の国際協力研修
(1) マンスフィールド研修

本研修は、米国の連邦法であるマイク・マンスフィールド・フェローシップ法(1994年4月成立)に基づき、日本について深い理解を持った次世代の米国連邦政府職員の育成を主眼とするもので、もって、日米関係の一層の円滑化を図ることを目的としている。

研修員は、ワシントンにおいて1年間にわたり日本語、日本の政治経済及び文化等について研修を受けた後、2年目は我が国に派遣され、日本の各府省等において日常の業務に接しながら研修を受けることとなる。

人事院は、研修員の各府省等への受入れのアレンジをはじめ、オリエンテーション、調査見学旅行、公務員研修所の実施する行政研修への参加等の共通プログラムを企画・実施するとともに、外務省、各府省等と連携をとりつつ、本研修の効果的な実施に努めている。

平成8年9月に第1期研修員の受入れを開始し、平成16年度は、第9期研修員7人を9月から1年間の予定で受け入れた。

これまでの研修員の米国における出身機関は、表13のとおりである。

●表13 マンスフィールド研修員(第1期〜第9期)の出身機関別人員数


(2) 大韓民国政府職員研修

大韓民国政府の要請に基づき、行政の分野における日韓両国の交流を促進することを目的として、同国中央政府の課長、課長補佐級職員を対象とする大韓民国政府職員研修を実施している。

この研修では、日本の公務員制度、行政各分野における政策課題をはじめ、日韓両国の社会比較・経済比較等に関する研究のほか、関連する施設等の調査見学を実施するなど、我が国における行政の実情及びそれを取り巻く環境等についても理解を深められるように配慮している。

平成16年度は、課長及び課長補佐級職員20人を対象に、2週間にわたり実施した。

昭和59年度創設以来平成16年度までの参加者は、515人に上っている。


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