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第1編 人事行政

第1部 人事行政この1年の主な動きと今後の課題

VI 給与に関する報告と勧告

3 給与構造の改革


近年、民間企業においては、限られた人件費を従業員の職務や成果に応じて適切に配分しようとする能力主義、成果主義等による賃金制度が浸透してきており、公務においても、厳しい財政事情の下、民間と同様に、給与の年功的上昇を抑制し、職務・職責と実績を十分に反映し得る給与システムを構築することが不可欠となっている。

また、国家公務員の俸給は、東京を含む全国平均を基礎としてその水準が設定されていることから、地方においては、国家公務員の給与が地域の民間企業、特に地場の民間企業の賃金水準より高くなっている地域が生じており、現在のような俸給と地域給の配分の在り方については、抜本的な見直しが求められてきている。

これらの国家公務員の給与をめぐる諸問題について、人事院は、平成16年夏の勧告時に検討の方向性を示した上で、さらに、民間給与の実態を調査し、全国各地で有識者、企業経営者などから広く意見を聴取するとともに、各府省の人事当局や職員団体からきめ細かく意見聴取を行いつつ検討を進めてきた。

その結果、平成17年の給与勧告に際し、俸給制度、諸手当制度全般にわたる改革について、具体的な措置の内容、完成まで5年間のスケジュール等の全体像を示すとともに、平成18年4月から実施すべき法律事項について勧告することとした。

●給与構造の改革の全体像●

○ 公務員給与に地場賃金を反映させるための地域間配分の見直し

地域間の配分の適正化を図るため、地域別の官民較差の3年平均値を参考として、俸給表の水準を全体として4.8%引き下げ、主に民間賃金の高い地域に勤務する職員には地域手当を支給

○ 中高齢層給与の抑制

若年の係員層については引下げを行わず、中高齢層について7%引き下げることにより給与カーブをフラット化

○ 勤務実績に基づく処遇の推進

特別昇給と普通昇給を統合し、昇給の区分を5段階設けることにより、職員の勤務成績が適切に反映される昇給制度を導入。勤勉手当へ勤務実績をより反映し得るよう、査定原資を増額し、「優秀」以上の成績区分の人員分布を拡大

○ スタッフ職活用のための環境整備

スペシャリストのスタッフ職としての処遇や、在職期間の長期化に対応した複線型人事管理の導入のため、専門スタッフ職俸給表を新設

○ その他の見直し(俸給の特別調整額(管理職手当)の職務・職責に応じた定額化、本府省における職務の特殊性・困難性、人材確保の必要性に配慮した本府省手当の新設)

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