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第1編 人事行政

第1部 人事行政この1年の主な動きと今後の課題

VIII 適正な勤務環境の確保

1 勤務時間制度の見直し


(1) 勤務時間に関する動向

近年、国際化、情報化や少子高齢化、個人の意識・価値観の変化やライフスタイルの多様化などに伴い複雑・高度化された行政課題に対応し、国民ニーズにこたえる公務サービスを提供することが急務となっている。また、職員が子育てや介護など生活とバランスを取りながら、意欲的に職務に従事して能力を最大限に発揮することが期待されている。このような事情を背景に、平成15年10月、公務員の画一的な働き方を見直し、勤務時間制度の弾力化・多様化の方策を検討するため、「多様な勤務形態に関する研究会」(座長:佐藤博樹東京大学社会科学研究所教授)を設けた。同研究会は、平成17年7月、最終報告「勤務時間の弾力化・多様化への提言 〜国民ニーズに応える公務サービスのために〜」を取りまとめ、勤務時間の弾力化・多様化に関する基本的な考え方と具体的な対応策について提言を行った。

この提言を踏まえ、多様化する国民のニーズに対応して効率的に業務を遂行するとともに、公務における人材の活用・育成・確保を図るため、平成17年の給与勧告時の報告において、勤務時間を多様化・弾力化するための方策について表明した。具体的には、育児・介護を行う職員の短時間勤務制の導入のほか、修学等の能力開発・社会貢献活動等のための自発的休業制度の導入、勤務時間の弾力的な運用のための勤務時間の割振り基準の法的整備、民間労働法制における「事業場外労働のみなし労働時間制」相当の仕組みの導入、超過勤務時間を日々遅滞なく把握・確定するシステムの確立など実効ある超過勤務の縮減対策等について報告し、今後、各々の課題の早期実現に向け、関係機関等との調整を含め検討を進めていくこととしている。

(2) 適正な勤務時間の確保

公務員の休息時間は、「勤務時間中の軽度の疲労回復」という趣旨から設けられているものであるが、通常の官庁執務時間に勤務する職員についてみれば、休息時間の多くは昼休みの一部として運用されているという状況がある。一方、民間では、特に事務部門において公務員の休息時間に相当する制度を備えた事業所は極めて少ない実態がある。こうした民間企業の実態や公務における状況に鑑み、適正な勤務時間管理を推進する一環として、休憩・休息時間を含む昼休みの在り方を見直すことが必要と判断し、検討を進めてきた。その結果、平成18年3月3日、通常の官庁執務時間等に勤務する職員に係る休息時間を廃止するとともに、現在30分とされている休憩時間を60分(各職場における業務の実情、昼休み時間等を総合的に勘案して45分とすることも可能)とすること等を内容とする規則15−14(職員の勤務時間、休日及び休暇)の改正を行い、所要の実施準備の上、平成18年7月1日から施行することとした。


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