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第1編 人事行政

第1部 人事行政この1年の主な動きと今後の課題

公務員の在り方 〜その志・使命感の原点を探る〜

1 行政をめぐる状況の変化


(1) 行政改革の動きと公務員

1970年代の二度にわたる石油危機を経て、高度経済成長が終わり、経済のグローバル化、情報化などが進展する中、深刻な経済停滞に伴う財政危機を背景に、80年代以降、英国、米国、ニュージーランドをはじめ世界的に行政改革の潮流がみられた。日本においても、90年代に入り、これらの社会経済の変化に幹部公務員の不祥事や行政の失策が重なり、公務員の行政能力についての疑問や行政の非効率等に対する国民の批判が従来になく高まり、経済構造改革、官から民への規制緩和、大幅な地方分権などが打ち出され、推進されている。

行政手続や情報に関する透明化や説明責任を果たすことが求められるようになり、関連する法案も数多く成立した。マスコミにおける公務員批判は激しさを増す一方、内閣官房が取りまとめに当たる重要施策も数多く、省際事項、調整事案が著増する傾向にある。さらに、環境問題、社会保障などNPOとの協働で国の施策を検討する場面も増えるなど、行政や公務員の置かれた状況は、ここ十数年の間に激変を遂げた。

(2) 現代の公務員に求められる機能・役割

これからの我が国は、これまで全く経験したことのない難しい課題に取り組まなければならない。地球規模での環境や資源の問題、情報化・ボーダレス化に伴う政治的・経済的リスクや不確実性の増大、さらに厳しい国際競争の中で、我が国の安定と繁栄を維持していくためには、これら公共の秩序の形成が必要な新しい分野における課題について、各国の利害が錯綜するところで、国際的な規準作りなどに当たらねばならない。国内においても、財政問題が深刻化する中、加速する少子・高齢化への対応などが喫緊の課題となっている。これら公共政策の課題に取り組む際には、政治学、経済学、法律学などを融合したマクロな政策論議と併せて、それをどのように実現するかについての総合的な政策の提示を行う必要がある。このため、幅広い教養と我々を取り巻く様々な社会事象や人間関係についての総合的な洞察力と判断力を身につけ、その持てる知識や能力をいかんなく発揮して、国内外で活躍することのできる公務員が求められている。


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