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第1編 人事行政

第1部 人事行政この1年の主な動きと今後の課題

公務員の在り方 〜その志・使命感の原点を探る〜

3 政治と行政の関係の変化


(1) 政策選択の手続

社会の近代化、経済の復興、豊かさの実現など欧米諸国へのキャッチアップが国家目標と認識されていた時代は、何が公共の利益かについて国民的コンセンサスが比較的得やすかったが、今は国民の意識が多様化し、何が行政の取り組むべき公共の課題かについての判断が難しい時代となった。加えて今は、限られた財源の下で、政策に優先順位を付けて選択的に有効に実施していく必要がある。

政治の世界は、イデオロギーの選択から、政策の内容を競うことに重点を移し、政権の公約(マニフェスト)の国民への提示と実現が、これまで以上に大きな政治的な意味を持つようになり、行政においても民主的な手続により選択された政策の具体化に的確に、機動的に対応していくことが求められている。

(2) 職業公務員の専門性と役割

行政部門においても、副大臣・政務官制の導入と政府委員制度の廃止などが行われ、幹部公務員の任免の内閣承認が行われるなど、政官関係に新たな進展がみられる中で、社会の高度化・複雑化、行政課題の利害対立や解決の困難度は一層高まっており、公務員に期待される困難な課題に向けての解決能力、新しい社会システムや法案の企画・立案能力は、より質の高い厳しい水準のものへと変容しつつある。これらの国民の期待と信頼に応えるためには、職業公務員として専門知識や能力を研鑽し、その専門分野における高い専門性と自律性、それに裏付けられた高い職業倫理が不可欠となる。


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