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第1編 人事行政

第1部 人事行政この1年の主な動きと今後の課題

ダム技術者の背中

 ダムの現場へ


35年前、建設省(現・国土交通省)に入省し、栃木県鬼怒川上流の川治ダムの現場に配属された。土木職だったので現場に出る覚悟はあったが、まさか山奥のダムとは思いもしなかった。

ダム現場で勤まるのかという不安を抱えて赴任した。そのダムは建設省最大のアーチダムで、本体工事を前に活気が満ち溢れていた。

私はそのダム現場で、技術者として行政官として生涯の師たちと出会うこととなった。

ダム工事事務所の所長や課長は、いくつものダムを経験してきたダム建設のプロであった。私は懸命にダムの専門用語と技術と事業の進め方を先輩たちから学び取っていった。

生活する寮も、単身赴任の先輩と我々独身者は一緒であった。彼らは酒にもめっぽう強かった。毎晩、愉快な酒の飲み方を学び、酒席の礼儀も学び、世の中の仕組みも学んだ。


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