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第1編 人事行政

第2部 平成17年度業務状況

第2章 人材の育成

2 府省合同幹部要員研修(行政研修)


各府省の行政運営の中核となることが期待される職員を対象に、豊かな感性と高い倫理観に基づいた全体の奉仕者としての使命感の徹底、広い視野、柔軟な発想など国民全体の視点に立つために求められる資質を向上させること及び国家公務員として協力して施策を行うための相互の信頼関係を醸成することを基本的な目的とした合同研修(行政研修)を実施している。(資料2−1

行政研修は、1)公務員の在り方を考える、2)公共政策の在り方を考える、3)リーダーシップ・マネジメントを学ぶ、の三点をカリキュラムの柱としている。また、研修参加者は、合宿研修を通じて議論を重ね、意見を交換して、互いに啓発しながら相互の理解・信頼をより一層促進している。

行政研修は、採用時の合同初任研修、初任行政研修をはじめ、本府省の係長級、課長補佐級、課長級の各職員に対する研修など各階層ごとに実施している。

また、様々な分野の者との交流を通じ幅広い視野を身につけ相互の理解を深める観点から、民間企業、地方公共団体、外国政府等からの参加を得て実施している。

●図2−1 人事院が実施している研修


平成17年度における行政研修の実施状況は、表2−1のとおりである。

(1) 国家公務員合同初任研修

I種試験(これに相当するものを含む。)により採用された直後の職員を対象に、総務省と共同で実施している。

平成17年度は、各界を代表する講師によるこれからの公務員の在り方に関する講演等のほか、公務員の服務・倫理についての講義・事例研究、人事管理官及び先輩職員を囲んでのグループ別課題研究・班別座談会を中心として実施した。

▲合同初任研修開講式


(2) 初任行政研修

I種試験(これに相当するものを含む。)により採用された職員のうち、将来、本府省において政策の企画・調整の衝に当たることが見込まれる者を対象に、平成17年度は、4コースに分けて実施した。

平成17年度は、「公務員倫理」に関する講義・演習のほか、8〜9人が一組となり研修員が自主的に設定したテーマについてグループ討議を行いつつ政策提言をまとめる「自主政策課題研究」を行った。また、体験型カリキュラムとして、社会福祉施設での実地体験を通じて社会や地域のあるべき姿を考え、国民の目線でものを見ることの重要性を学ぶ「介護等実地体験」、地方自治体へ赴いて地方行政の実情を学び、地方行政に携わる職員や地域住民との意見交換を行うこと等により、地域の多様性、生活実態、住民の意識やニーズ等について認識を深める「地方自治体実地体験」を関係者の協力を得て実施した。

カリキュラムの概要は、表2−2のとおりである。

●表2−1 平成17年度行政研修実施状況


●表2−2 平成17年度初任行政研修の内容


(3) 行政研修(係員級特別課程)

平成17年度から、II種試験又はIII種試験等により採用された係長昇任直前の職員で、各府省が将来の幹部要員として計画的に育成しようとしている者又はその選抜の候補となる勤務成績優秀者を対象に実施した。

平成17年度は、日中関係をテーマとした「政策課題研究」のほか、公務員倫理演習、政策ディベート、英語学習技法演習などをカリキュラムとして1回実施した。

また、研修員の所属府省における今後の育成の参考に資するため、研修期間中のレポートの内容、研修への参加状況等を通じて、研修員の能力・適性等について評価を行った。

(4) 行政研修(係長級)

本府省の係長級の職員を対象に実施している。

平成17年度は、地球環境問題等をテーマとした「政策課題研究」、各府省の行政課題等についての「個別政策研究」のほか、職業と倫理に関する講義・演習、コーチングなどをカリキュラムとして2回実施した。

(5) 行政研修(係長級特別課程)

II種試験又はIII種試験等により採用された本府省の係長級の職員で、各府省が将来の幹部要員として計画的に育成しようとしている者を対象に実施している。

平成17年度は、人口減少社会に対応する公共政策の取組及び21世紀日本の外交戦略をテーマとした「政策課題研究」、各府省の行政課題についての「個別政策研究」のほか、公務員倫理演習、政策ディベート、コーチングなどをカリキュラムとして2回実施した。

また、研修員の所属府省における今後の育成の参考に資するため、研修期間中のレポートの内容、研修への参加状況等を通じて、研修員の能力・適性等について評価を行った。

▲人材育成スキル「コーチング」についての講義風景(係長級特別課程)


(6) 行政研修(課長補佐級)

本府省の課長補佐級の職員を対象に実施している。

平成17年度は、構造改革と日本経済、我が国の安全保障政策等をテーマとした「政策課題研究」、各府省の行政課題等についての「個別政策研究」のほか、職業と倫理、組織管理に関する講義・演習、コーチングなどをカリキュラムとして6回実施した。

政策課題研究のテーマは、表2−3のとおりである。

●表2−3 平成17年度行政研修(課長補佐級)の政策課題研究テーマ


(7) 行政研修(課長補佐級)中国行政学院派遣コース

平成17年度から、本府省の課長補佐級の職員を対象に実施した。

平成17年度は、中国事情について把握するための事前研修と日中の行政官の意見交換や中国の行政機関等への訪問などを行う派遣研修を1回実施した。

(8) 行政研修(課長補佐級)科学技術・研究振興コース

独立行政法人を含む研究所の研究職員のほかに、本府省の科学技術関連の部局に勤務する行政職員を対象に実施している。

平成17年度は、21世紀日本の国家技術戦略をテーマとした「政策課題研究」、各機関における課題についての「個別事例研究」、メンタルヘルスの講義などをカリキュラムとして1回実施した。

(9) 行政研修(課長補佐級特別課程)

II種試験又はIII種試験等により採用された本府省の課長補佐級の職員で、各府省が将来の幹部要員として計画的に育成しようとしている者を対象に実施している。

平成17年度は、循環型社会と環境政策及び官と民の役割分担をテーマとした「政策課題研究」、各府省の行政課題についての「個別政策研究」のほか、公務員倫理演習、コーチング、文書作成技法等をカリキュラムとして2回実施した。

また、研修員の所属府省における今後の育成の参考に資するため、研修期間中における研修員の能力・適性等について評価を行った。

(10) 行政研修(課長級)

本府省の課長級職員を対象に実施している。

平成17年度は、最新の中国事情と日中関係、国家公務員と公共哲学的構想力等をテーマとしたレクチャー・フォーラム方式の「政策課題研究」、各府省の行政政策についての「個別政策研究」、公務員倫理に関し思索等を深める観点からの「古典読書研究」、文化・文明論に関する講義のほか、企業経営者による講義、人事管理・組織管理などをカリキュラムとして5回実施した。

政策課題研究のテーマは、表2−4のとおりである。

●表2−4 平成17年度行政研修(課長級)の政策課題研究テーマ


(11) 行政フォーラム

行政フォーラムは、長期間の研修の参加が困難な本府省の課長級職員に研修機会を提供する場として、人事院会議室において、講義と意見交換を合わせて夕刻から約3時間という参加の容易な形式で実施している。

平成17年度は、各界から著名な講師を招いて、「これからの日本社会と日本人を考える」というテーマに沿った講演を7回実施した。

なお、第50回より、希望者が全員参加できるよう、参加者数の上限を設けないこととした。

各回のテーマは、表2−5のとおりである。

●表2−5 平成17年度行政フォーラムのテーマ及び講師



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