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第1編 人事行政

第2部 平成17年度業務状況

第3章 職員の給与

第2節 給与法等の実施


1 給与勧告に伴う給与法等の改正
(1) 給与法等の改正

給与勧告を実施するための給与法等の改正は、前記の「公務員の給与改定に関する取扱いについて」(閣議決定)に基づき、「一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案」として、平成17年10月4日に閣議決定され、同日、第163回国会に提出された。同法案は、衆議院総務委員会、参議院総務委員会における審議を経て、同年10月28日の参議院本会議で可決・成立し、同年11月7日に公布された。(法律第113号)

この法律改正のうち、官民の給与較差に基づく改定については平成17年12月1日に、給与構造の改革については平成18年4月1日に施行された。

(2) 規則の改正等

平成17年4月の官民の給与較差に基づく給与法の改正に伴う規則は、改正法の公布に合わせて平成17年11月7日に公布、同年12月1日に施行された。また、平成18年4月からの給与構造の改革に関する規則は、平成18年2月1日に公布、同年4月1日(以下「切替日」という。)に施行された。

改正の内容の主要なものは、次のとおりである。

ア 平成17年4月の官民の給与較差に基づく給与改定に関するもの
(ア) 俸給の切替え

俸給月額が改正されたことに伴い、最高号俸を超える俸給月額を受ける職員の俸給の切替えに関し、新たに規則9−116(平成17年改正法附則第2条の規定による職務の級における最高の号俸を超える俸給月額等を受ける職員の俸給の切替え等)を制定した。

(イ) 平成17年12月に支給する期末手当等の特例措置

平成17年4月から施行日前までの官民較差相当分について、同年12月に支給する期末手当及び期末特別手当により調整を行うこととした特例措置の実施に関し、平成17年改正法附則第5条に基づく所要の定めを行うため、新たに規則9−118(平成17年12月に支給する期末手当及び期末特別手当に関する特例措置)を制定した。

(ウ) 非常勤職員手当

委員、顧問、参与等の職にある非常勤職員に支給される手当について、支給限度額が引き下げられたことに伴い、人事院の承認を得たものとみなされる額を引き下げるため、規則9−1(非常勤職員の給与)の一部を改正した。

(エ) 俸給の調整額

俸給月額が改正されたことに伴い、規則9−6(俸給の調整額)の調整基本額表を改正した。

(オ) 初任給調整手当

医師及び歯科医師等の初任給調整手当の最高支給限度額が引き下げられたことに伴い、職員の区分、支給期間区分に応じて支給額を引き下げるため、規則9−34(初任給調整手当)の一部を改正した。

(カ) 期末・勤勉手当等

勤勉手当の支給割合が拡大されたことに伴い、成績率の上限を引き上げるため、規則9−40(期末手当、勤勉手当及び期末特別手当)の一部を改正した。

(キ) 特地勤務手当及び特地勤務手当に準ずる手当

平成17年4月1日以降に特地官署等への異動等があった職員に対し俸給月額等の改定日以降支給される特地勤務手当等について、その算定基礎額のうち「異動等の日に受けていた俸給及び扶養手当の月額」を改正後の月額とするため、規則9−55(特地勤務手当等)の一部を改正した。

イ 給与構造の改革に関連するもの
(ア) 初任給、昇格、昇給等の基準

俸給表の職務の級及び号俸構成の変更、勤務成績に基づく昇給制度の導入等に伴い、級別標準職務表、級別資格基準表等の整備、中途採用者の初任給決定方法の見直し、昇格時の号俸決定方法の見直し、昇給区分・昇給の号俸数の決定に関する基準の整備などを行うため、規則9−8(初任給、昇格、昇給等の基準)等の一部を改正した。

(イ) 俸給の切替え

俸給表の職務の級及び号俸構成の変更、俸給月額の改正等に伴い、最高号俸を超える俸給月額を受ける職員の俸給の切替えに関し、新たに規則9−119(平成17年改正法附則第8条の規定による職務の級における最高の号俸を超える俸給月額等を受ける職員の俸給の切替え)を制定した。

(ウ) 俸給の切替えに伴う経過措置

平成17年改正法附則に規定する俸給の切替えに伴う経過措置の実施に関し、切替日以降に俸給表異動、降格等をした職員や特別職、地方公務員等から人事交流により採用された職員の取扱いなどを定めるため、新たに規則9−120(平成17年改正法附則第11条の規定による俸給)を制定した。

(エ) 非常勤職員手当

委員、顧問、参与等の職にある非常勤職員に支給される手当について、支給限度額が引き下げられたことに伴い、人事院の承認を得たものとみなされる額について引下げの改正を行うと同時に、平成18年3月31日に受けることとされていた手当額が離職するまでの間保障されることができるよう所要の経過措置を設けるため、規則9−1の一部を改正した。

(オ) 俸給の調整額

俸給表が改正されたことに伴い、調整基本額表を改めるとともに、これにより支給額が減額されることとなる職員に対する所要の経過措置を設けるため、規則9−6の一部を改正した。

(カ) 俸給の特別調整額

俸給の切替えに伴う経過措置が適用される職員について、特別調整額の算定基礎となる俸給月額に当該経過措置による差額を含めるため、規則9−17(俸給の特別調整額)の一部を改正した。

(キ) 初任給調整手当

調整手当の廃止及び地域手当の新設に伴い、医療職俸給表(一)の適用を受ける職員の初任給調整手当の支給官職区分を改正するとともに、これにより支給額が減額されることとなる職員に対する所要の経過措置を設けるため、規則9−34の一部を改正した。

(ク) 期末・勤勉手当等

職務の級が再編されたことに伴い、役職段階別加算の適用範囲等を改めるとともに、勤勉手当の成績区分ごとの成績率等を新設するため、規則9−40の一部を改正した。

(ケ) 地域手当の新設

俸給水準が平均4.8%引き下げられることに併せて、民間賃金の地域間格差が適切に反映されるよう、これまでの賃金、物価及び生計費の地域差に着目した地域間調整を行っていた調整手当制度に替えて、物価等も踏まえつつ、主に民間賃金の地域差に着目する地域手当制度を導入するため、規則9−49(調整手当)を全部改正し、規則9−49(地域手当)とした。

(コ) 暫定筑波研究学園都市移転手当の廃止

筑波研究学園都市移転手当の廃止に伴う経過措置として平成9年4月から設けられた暫定筑波研究学園都市移転手当については、調整手当との併給調整によって、平成18年4月1日以降、支給対象者が存在しなくなることから、規則9−103(暫定筑波研究学園都市移転手当)を廃止した。

2 その他の制度改正
(1) 俸給表の適用範囲

行政組織の改正、官職の新設等に伴い、専門行政職俸給表の適用範囲の変更等を行うため、規則9−2(俸給表の適用範囲)等の一部を改正した。

(2) 専門職大学院の課程修了者の初任給の号俸調整等

専門職大学院の専門職学位課程修了者に対し初任給の号俸調整等ができるようにするため、規則9−8の一部を改正した。

(3) 特殊勤務手当

手当の見直し等を行うため、規則9−30(特殊勤務手当)の一部を改正した。主な改正内容は、次のとおりである。

3 級別定数の改定等
(1) 級別定数の改定

級別定数は、級別標準職務を基準として個々の職務をその複雑、困難及び責任の度に応じて級別に分類し、それぞれの俸給表の職務の級ごとの数を、組織別、会計別及び職名別に定めたものである。各職員の職務の級の決定は、級別定数の範囲内で、職務に応じて行われることとされている。級別定数制度は、職務評価の統一性、客観性を確保し、各府省における適正・妥当な俸給決定が行えるように設けられているものである。また、給与勧告の前提となる官民の給与比較において、官民の対応する職務段階の職責の同等性を担保しており、官民比較を行う上で不可欠の機能を果たしている。

級別定数の設定及び改定は、同定数が職員の昇格枠として職員の重要な勤務条件であることから、労働基本権制約の代償機関である人事院が、労使交渉に代わるものとしてその設定及び改定を行っている。具体的には、毎年、行政需要の増大及び行政の複雑・多様化等に伴って個々の職務の価値が変化することに対処することを基本にして、各府省における適正かつ安定した人事運用にも配慮しつつ組織の新設又は改廃等職務内容の変化や、各府省における職員構成等を踏まえ、所要の見直しを行っている。

平成17年度においても、職務の重要性が増大し、職務負担の加重化傾向の著しい官職について適切に措置するとともに、必要性の薄くなった定数については積極的に見直しを進めるほか、世代間の大きな不公平性や各府省間の著しい不均衡が生じないことにも配慮しつつ所要の改定を行った。また、級別定数の改定に当たって、スタッフ職の充実、早期退職慣行の是正、技術系職員の登用、II種・III種等採用職員の登用など、人事管理上の諸課題に円滑に対応するための条件整備を図っていくことにも意を用いた。

(2) 職務の級の決定等の審査

採用、昇格、昇給等の際の規則9−8に基づく職務の級及び俸給月額の決定等のうち、行政職俸給表(一)9級以上等の上位級への決定、中途採用者の初任給決定等については、その基準を明示し、各府省が自ら決定することができることとしているが、基準に該当しない特例的な給与決定に係る案件について各府省からの個別の協議に応じ、審査を行った。

4 表彰等による特別昇給の実施

職員の中には、長年にわたり極めて困難な勤務条件の下で献身的に職務に従事している者や、勤務成績の向上、能率の増進、発明考案等により職務上特に功績のある者が少なくない。各府省においては、これらの職員に対してその労に報いるとともに、職員の士気を高めるため、積極的に表彰ないし顕彰を実施し、給与上も人事院の定める基準により特別昇給を行ってきている。平成17年度は、人事院総裁賞2件のほか、警察庁及び国土交通省において実施された6件の表彰について、特別昇給が行われた。表彰等による特別昇給を行った職員について例示すれば、次のとおりである。

5 給与実務の指導

給与事務の適正な運用を確保するため、各府省の給与実務担当者を対象とした給与実務全般についての研修会を本院及び各地方事務局(所)において31回開催するほか、給与実務に必要な資料を作成、配布するなど、円滑な事務処理を行う上で必要な事項の周知に努めた。

6 独立行政法人等の給与水準の公表

平成17年6月末、「独立行政法人の役員の報酬等及び職員の給与の水準の公表方法等について(ガイドライン)」(平成15年9月9日付け総務大臣通知)及び「国立大学法人等の役員の報酬等及び職員の給与の水準の公表方法等について(ガイドライン)」(平成17年2月7日付け総務大臣通知)に基づき、各独立行政法人及び各国立大学法人等において給与水準の公表が行われ、同年7月には、総務省及び文部科学省においてそれぞれ取りまとめられたものが公表された。人事院は、この公表に当たり、各法人の給与の国家公務員との比較指標等を作成、提供するなど、公務員給与の専門機関として協力した。

平成18年度からは、「行政改革の重要方針」(平成17年12月24日閣議決定)に基づき、新たに特殊法人及び認可法人が給与水準の公表を行うこととなり、独立行政法人に関する給与水準公表の枠組みを準用することとされたため、人事院は、これらの法人の給与についても、国家公務員との比較指標等を作成・提供することとしている。


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