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第1編 人事行政

第2部 平成17年度業務状況

第5章 職員の福祉及び能率

第1節 健康安全対策


職員の健康の保持増進を図るとともに、職場の安全を確保するため、規則10−4(職員の保健及び安全保持)等を定めている。これらの規則に従い、各府省は健康安全管理のための措置を実施しているが、制度の円滑な運営を確保するため、人事院が基準の設定、総合的な指導、調整等を行っている。

1 健康の保持増進
(1) 心の健康づくり対策

公務において自殺した職員が増加し高止まり状況にあること、長期病休中の職員のうち精神及び行動の障害によるものが急増したことから、心の健康づくり対策に力を入れてきている。

職員の心の健康づくり対策については、平成16年3月30日に「職員の心の健康づくりのための指針(勤務条件局長通知)」を発出し、当該指針に基づき各府省と連携して対策を推進している。

各府省への指導、助言等を行う体制として、精神科の専門家からなる「心の健康づくり指導委員会」を設け、各府省の心の健康づくり対策を支援している。

平成17年度は、各府省の健康管理者、管理監督者等を対象とした「心の健康づくり講習会」を人事院の本院及び各地方事務局(所)で開催し、職場における心の健康づくり体制の在り方について指導した。この講習会には計786人が参加したが、受講者の評価は非常に高く、アンケートの結果、「有意義だった」としたものが9割以上を占めた。

平成17年12月には、各府省の医務室等に勤務する保健師及び看護師を対象として、職員の心の健康に関する基本的な相談対応を行うためのメンタルヘルス相談員養成講座を3日間の日程で開催し、心の健康づくりの基礎知識等についての講義、ロールプレーイング、事例研究等を行った。

また、メンタルヘルス相談室を全国10か所に設置しており、その平成17年度における相談件数は、合計276件であった。相談内容としては、「職員の健康問題」が119件、「職場に関する問題」が113件、「家族の問題」が33件、「その他」が11件となっている。また、相談者は、「職員本人」が152件、「職場関係者」が112件、「家族」が12件となっている。

さらに、指針に基づく施策の一層の具体化を図るために、専門性の高い課題について、四つの専門家会議で検討を進めてきており、第1部に示すようにとりまとめを公表したところである。なお、「心の健康づくり研修専門家会議」においては、平成18年度も健康管理者等の研修について検討を進めることとしている。

(2) 生活習慣病対策 (3) 喫煙対策

平成15年7月に「職場における喫煙対策に関する指針(勤務条件局長通知)」を各府省へ発出し、喫煙対策を推進してきているが、平成17年1月時点における指針の実施状況について調査した。その結果、事務室内の禁煙については、多くの府省で対策の取組が進められているものの、一部で事務室内及び会議室内禁煙が実施されていない官署があり、また、喫煙室の一部に屋外排気装置がないものがあること、喫煙室の設置が困難な場合に設ける喫煙コーナーについては設置場所が事務室や会議室であるものがあることや、設備面で仕切りがないものや屋外排気装置がないものが多数あることなど不十分な点が明らかとなった。指針に基づく対策を更に推進するため、今後とも啓発・指導等を通じ、公務職場における受動喫煙防止対策等の徹底を図っていくこととしている。

(4) 単身赴任者の健康管理対策

各府省における単身赴任者の総合的な健康管理対策を推進するため、各府省の単身赴任中の管理監督者等を対象とした「単身赴任者生活管理研究会」を近畿事務局(大阪市)で開催し、心身両面にわたる健康管理についての講義、調理実習等を行った。

(5) 国家公務員死亡者数調査

職員の健康管理及び安全管理の向上に資するため、平成16年度中に死亡した一般職の国家公務員について「国家公務員死亡者数調査」を実施した。

その結果は、次のとおりである。なお、平成16年度に国立大学が法人化されたため、調査の対象者は前年度より約14万人減少している。

平成16年度における在職中の死亡者は651人で、前年度より121人減少している。

死因では、病死が485人で前年度より100人の減少、災害死が166人で21人の減少であった。災害死のうち自殺は122人で前年度より12人減少した。また、国家公務員と国民(18歳〜60歳)の死亡率(10万人に対する率)を比較してみると、国家公務員が101.5であるのに対し、国民は184.5となっている。

(6) 健康診断の実施状況

各府省の報告を基に前年度の健康診断の実施状況を把握しており、平成16年度の実施状況は、次のとおりである。

一般定期健康診断は、各府省において、1)全職員を対象とする胸部エックス線検査、血圧測定及び尿の検査(蛋白)、2)血糖検査受診者を除いた全職員を対象とする尿の検査(糖)、3)40歳以上の職員を対象とする肺がん胸部エックス線検査、喀痰細胞診、胃の検査及び便潜血反応検査、4)35歳及び40歳以上の職員を対象とする血糖検査、心電図検査、血清総コレステロール検査、HDLコレステロール検査、中性脂肪検査、貧血検査及び肝機能検査が実施された。(資料5−1

各検査項目別の受診対象者の受診率は、前年度とほぼ同様であったが、総合健診(人間ドック)(規則10−4第21条の2)を受診した者は、全職員の31.4%と、前年度に比べ5.1ポイント上昇した。両者を含めた受診率は約5ポイントの上昇となっている。

また、有害な業務又は健康障害を生ずるおそれのある業務(規則10−4で18種類の業務を定めている。)に従事する職員を対象として、特別定期健康診断が各府省において実施された。18業務を合わせた受診率は89.1%で前年度に比べ4.6ポイント上昇した。特別定期健康診断の結果、医療の面の指導区分の決定を受けた職員の割合は、要医療が受診者の1.0%、要観察が2.3%であった。

このほか、各府省において、臨時の健康診断として子宮がん健康診断、VDT作業者の健康診断等が実施された。

2 安全の確保
(1) 職場における災害の防止

職場における災害の発生を防止し、安全管理対策を推進するために、各府省から職場における災害の発生状況等について報告を受けている。特に死亡事故等重大な災害については、詳細な報告を受け、的確な再発防止措置が講じられるよう指導するとともに、その後の措置状況について確認するなど、災害発生の予防の徹底に努めている。

平成16年度の職場における災害の発生状況は、次のとおりである。

職場で発生した災害により1日以上休業した者は291人で、前年度に比べ18人減少しており、死亡者はいなかった。なお、最近の災害による死傷者数は、国の機関の法人化、業務の外部委託等により減少の傾向にある。(図5−1

災害の発生状況を事故の型別にみると、「武道訓練」が26.8%と最も多く、次いで「転倒」が11.0%、「墜落・転落」が9.3%の順となっており、これらで全体のおおよそ半数を占めている。なお、「その他」は50人で、全体の17.2%を占めるが、そのうち38人(13.1%)が食中毒である。(図5−2

●図5−1 死傷者数の推移〔休業1日以上(平成7〜16年度)〕


●図5−2 事故の型別死傷者数〔休業1日以上(平成16年度)〕


(2) 設備等の届出等

各府省は、ボイラー、クレーン等安全管理上特に配慮を必要とする設備の設置等の際には、その状況について人事院に届け出ることとなっている。平成17年度は241台(設置174台、変更1台、廃止66台)の届出があった。

エックス線装置についても、同様に届け出ることとなっており、平成17年度は101台(設置71台、変更0台、廃止30台)の届出があった。

また、文部科学省に申請された放射性同位元素等の使用承認及び変更承認に関し、平成17年度に人事院に協議のあった2件(使用承認0件、変更承認2件)について承認することに同意した。

3 健康安全管理の指導及び啓発
(1) 健康安全管理の研修会

健康安全管理について、各府省の健康安全管理の担当者を対象とした研修会等を開催している。平成17年度は、東北、関東、近畿、四国及び九州の5地区で開催し、健康安全管理に対する認識と実務についての理解を深めることに努めた。

(2) 国家公務員安全週間・健康週間

健康安全管理の推進について、広く職員の意識の高揚を図るため、毎年、7月1日から「国家公務員安全週間」を、また10月1日から「国家公務員健康週間」を実施している。各週間の実施に先立ち、標語の募集、ポスターの配布、人事院ホームページへの掲載を行うとともに、人事院の本院及び各地方事務局(所)において安全対策会議等を開催した。なお、平成17年度の標語は、安全週間については「毎日の慣れた仕事に落とし穴」、健康週間については「夢叶え、幸せ奏でる健康づくり」であった。


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