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第1編 人事行政

第2部 平成17年度業務状況

第13章 国際協力・国際交流

第2節 外国政府職員に対する研修等


1 途上国に対する協力

途上国や体制移行国にあっては、その国づくりを進めるに当たって、行政の基盤である公務員制度を整備するとともに、優れた人材を公務に確保することが、緊要性の高い課題であり、我が国に学びたいという要請が寄せられている。このような要請を受け、人事院は、独立行政法人国際協力機構(以下「JICA」という。)と協力し、途上国等の政府職員を研修員として我が国に受け入れる一方、人事行政の専門家を途上国等に派遣している。

平成17年度の国際協力研修の実施状況は、表13−1のとおりである。

●表13−1 平成17年度の国際協力研修の実施状況


(1) 人事管理研修

途上国の公務員制度の整備や人事行政の改善に資するよう、各国の中央人事行政機関の職員等を対象に、我が国の公務員制度やその運用の紹介、各国との比較研究を通じ、各国の実情に適合した人事管理の改善策を考える機会を提供している。

全ての途上国を対象とする集団コースと特定の地域又は国を対象とする国別・地域別特設コースからなっている。平成17年度においては、前者として「上級人事管理セミナー」と「人事行政セミナー」の2コース、後者として旧ソ連邦を構成していた中央アジア・コーカサス諸国を対象とする「中央アジア・コーカサス地域人事管理セミナー」、東ティモールを対象とする「東ティモール行政・人事管理セミナー」、ベトナムを対象とする「ベトナム人事管理セミナー」及びイランを対象とする「イラン人事管理セミナー」の5コースがある。

ア 上級人事管理セミナー

途上国等の中央人事行政機関等の課長級以上の幹部職員を対象に、我が国の公務における人事管理について、その基本的な考え方や新たな動向について講義等を行うとともに、各国の人事管理の在り方や改善策について討議を行う研修である。

平成3年度に開始し、平成17年度は、12か国14人を対象に、約4週間にわたり実施した。参加国の内訳は、バングラデシュ、ボツワナ、中華人民共和国、ジプチ、ガンビア、インドネシア、イラン、レバノン、マレーシア、トーゴ、トンガ、ジンバブエであった。

平成3年度から平成17年度までの参加者は、合計53か国(地域)157人である。(資料13−2

イ 人事行政セミナー

途上国等の中央人事行政機関等の課長補佐級の中堅職員を対象に、我が国の人事行政の制度・運用及びその趣旨について講義等を行うとともに、各国の人事行政の改善策について討議を行う研修である。

平成11年度に人事行政研修として開始し、平成16年度からは人事行政セミナーとして討議等の充実を図った。平成17年度は、8か国8人を対象に、約4週間にわたり実施した。参加国の内訳は、アルメニア、ボツワナ、ガンビア、インドネシア、マラウイ、フィリピン、シエラレオネ、ベトナムであった。

平成11年度から平成17年度までの参加者は、合計45か国73人である。

ウ 中央アジア・コーカサス地域人事管理セミナー

旧ソ連邦からの独立後、民主化・市場経済化に取り組んでいる中央アジア・コーカサス諸国に対し、これらの体制移行を支える公務員制度の改革・整備を支援するため、その中央人事行政機関等の中堅職員を対象に、我が国の公務員制度を紹介するとともに、これらの国が抱える課題やその改善策を討議する研修を実施している。

平成13年度に開始し、平成17年度は、5か国9人を対象に、約3週間にわたり実施した。参加国の内訳は、アルメニア、アゼルバイジャン、キルギス、タジキスタン、ウクライナであった。

平成13年度から平成17年度までの参加者は、合計42人である。

エ 東ティモール行政・人事管理セミナー

平成14年に独立した東ティモールに対し、独立以来、同国政府が取り組んでいる公務における人事管理の改善及び人材育成を支援するため、人事行政機関職員及び各府省の人事担当職員に対し、我が国の公務員制度の紹介等を行う研修を実施している。

平成15年度に開始し、平成17年度は、同国政府職員8人を対象に、約2週間にわたり実施した。

オ ベトナム人事管理セミナー

ベトナム政府は、公務員制度を含む様々な改革に取り組んでおり、これを支援するため、政府のシンクタンク、かつ、幹部公務員の研修機関であるホーチミン国家政治学院及び公務員制度を所管する内務省の職員に対し、我が国の公務員制度の紹介等を行う研修を実施している。

平成16年度に開始し、平成17年度は、同学院副院長を含む8人を対象に、2週間にわたり実施した。

カ イラン人事管理セミナー

イラン政府が取り組んでいる人事行政の改善を支援するため、同国の人事行政機関である管理計画庁の職員に対し、我が国の人事管理の制度・運用の紹介等を行う研修を実施している。

平成16年度に開始し、平成17年度は、同庁の職員8人を対象に、2週間にわたり実施した。

(2) 専門家派遣

人事院は、JICAの協力を得て、途上国の公務員制度の整備等を支援するため、人事行政の専門家を派遣している。

平成17年度は、ベトナム・ホーチミン国家政治学院に対し、人材育成・研修及び服務・倫理制度の専門家として2人の職員を派遣し、現地においてセミナー等を実施した。

(3) 国家行政研修

途上国等の社会経済発展に取り組む行政の改善に資するため、各国の中央政府機関の職員に対し、我が国の社会・経済政策の企画・執行等を紹介しつつ、様々な政策課題を取り上げ、その討議等を通じて、それぞれの社会経済の発展に資する行政の在り方を考える機会を提供している。

この研修は、昭和43年1月に開始し、当初、年度1コースであったものを、昭和61年度に、各国の中央政府機関の課長級以上を対象とする「上級国家行政セミナー」と、課長補佐級を対象とする「国家行政コースII」(後にこれを「行政と開発」として改編)の2コースに分割した。その後、見直しを行い、後者は所期の目的を達成したとして平成14年度で終了し、前者に統合した。

平成17年度は、8か国10人を対象に、約5週間にわたり実施した。参加国の内訳は、バングラデシュ、ブータン、マケドニア、マレーシア、タジキスタン、東ティモール、トーゴ、トルコであった。

昭和61年度から平成17年度までの上級国家行政セミナーの参加者は、58か国(地域)232人である。(図13−4資料13−3

●図13−4 平成17年度の上級国家行政セミナー地域別参加実績


2 大韓民国政府職員研修

大韓民国政府の要請に基づき昭和59年度から実施している大韓民国政府職員研修については、日韓の行政官の交流を推進するプログラムの一つとして日中韓人事行政ネットワーク協力計画において位置づけ、引き続き実施することとした。平成17年度は、韓国政府の各省庁の課長及び課長補佐級職員20人を対象に、韓国側から要望のあった少子化問題、女性登用なども含めた政策課題を取り上げ、我が国における行政の最新の状況やそれを取り巻く環境等について理解を深められるよう配慮し、実施した。

昭和59年度から平成17年度までの参加者は、合計535人である。

3 マンスフィールド研修

米国は、米国の連邦法であるマイク・マンスフィールド・フェローシップ法(1994年4月成立)に基づき、日米両国の相互理解や協力関係を深めるため、日本について深い理解を持った次世代の米国連邦政府職員の育成を図るための研修を行っている。

研修員は、ワシントンにおいて1年間にわたり日本語、日本の政治経済、文化等について研修を受けた後、2年目は我が国に派遣され、日本の各府省等において日常の業務に接しながら研修を受けることとなる。

人事院は、研修員の各府省等への受入れのアレンジをはじめ、オリエンテーション、調査見学旅行、公務員研修所の実施する行政研修への参加等の共通プログラムを企画・実施するとともに、外務省、各府省等と連携を取りつつ、本研修の効果的な実施に努めている。

平成8年9月に第1期研修員の受入れを開始し、平成17年度は、第10期研修員5人を9月から1年間の予定で受け入れた。

これまでの研修員の米国における出身機関は、表13−2のとおりである。

●表13−2 マンスフィールド研修員(第1期〜第10期)の出身機関別人員数


4 外国政府職員等の招へい

人事行政の国際化に対応して、各国人事行政機関との連携を強化し、人事行政分野における協力を推進するとともに、各国公務員制度を研究するために、諸外国人事行政機関の職員等を我が国に招へいし、人事行政の実情について意見交換を行っている。

平成17年度においては、中国及び韓国から人材確保・育成の研究者を招き意見交換を行い、日中韓三国共催人事行政シンポジウムの場においても発表してもらうとともに、カナダから人事行政機関の幹部職員を招き、管理職員の給与と評価プログラムをテーマとする講演会を実施し、人事行政の最新事情等について意見を交換した。

5 関係国際機関等との交流

人事行政の分野において国際社会の一員としての役割を果たすとともに、我が国の公務員人事管理の改善及び各国との連携強化に資するため、国際機関や地域的機関等が主催する国際会議に積極的に人事院の職員を派遣している。

平成17年度においては、次のとおり派遣した。

ア 平成17年5月29日から6月14日までの間、ジュネーブにおいて開催された第93回ILO(国際労働機関)総会のうち、条約勧告適用委員会を中心に、関連会合に出席した。

イ 平成17年12月18日から24日までの間、プノンペンにおいて開催された第13回ASEAN公務会議に出席し、ASEAN加盟国の中央人事行政機関及び研修機関の長等と意見交換を行った。

6 外国人訪問者への対応

近年、公務における人事管理、人材育成等の分野で各国相互の交流・情報交換が盛んになってきており、平成17年度は、31か国(地域)、335人の外国政府職員等が調査、研究等の目的で来訪した。地域別来訪者受入れの状況は、図13−5に示すとおりである。

●図13−5 平成17年度地域別来訪者受入状況


これら訪問者に対し、日本の公務員制度、人事管理の特色等について紹介するとともに、人事行政の現状・課題について意見交換を行い、交流に努めた。


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