前(節)へ 次(節)へ

第1編 人事行政

【第2部】 人事行政この1年の主な動きと今後の課題

Ⅱ 多様な有為の人材の確保、育成

3 官民人事交流の拡大


行政課題が複雑・高度化、国際化等する中で、国民に対して質の高い行政サービスを提供していくためには、部内育成では得られない多様な経験や高い専門知識等を有する有為の民間人材を採用し活用するとともに、人材を育成し組織の活性化を図っていくことが重要である。

人事院は、これまで、民間人材の中途採用(規則1−24(公務の活性化のために民間の人材を採用する場合の特例))、官民人事交流、任期付職員等の各制度を順次整備してきており、各府省でそれぞれのニーズに応じて活用されている。

官民人事交流については、人事院の意見の申出に基づき、平成18年に官民人事交流法の改正(同年9月施行)が行われ、交流採用の推進を図るため、従来の「退職型」(交流元企業をいったん退職して、国に採用)に加えて、新たに「雇用継続型」(交流元企業を退職せず、雇用を継続したままで国に採用)による交流採用制度が導入された。平成19年においては、この改正を反映して、雇用継続型が交流採用の約9割を占めた。

また、官民人事交流を推進するためには、各府省及び民間企業において、この制度がより広く認知・理解され、活用の機運が高まることが必要である。平成19年度においては、8月に各府省人事担当者会議を通じて官民人事交流の推進の要請を行い、そのニーズの把握に努め、併せて、10月に社団法人日本経済団体連合会の協力を得て、民間企業を対象とした「官民人事交流のさらなる活用に関する説明会」を東京と大阪で開催した。さらに、新たに仙台(10月)、名古屋(11月)においても商工会議所、経営者協会の協力により同説明会を実施した。これらにより、広く交流の推進を呼びかけ、官民人事交流推進の気運を盛り上げるとともに、交流希望の情報交換を仲介する「官民交流・交流情報共有システム」を通じて各府省・民間企業への働きかけを行った。

人事院では、引き続き、様々な機会を通じて官民人事交流の活用について働きかけを進めながら、公務の公正性の確保に留意しながら、さらなる交流の推進・拡大に向けて必要な検討を行っていくこととしている。


前(節)へ 次(節)へ
© National Personnel Authority