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第1編 人事行政

【第2部】 人事行政この1年の主な動きと今後の課題

Ⅵ 退職環境の整備

3 高齢期の雇用


(1) 再任用制度の積極的な活用

我が国が本格的な高齢社会を迎える中、公的年金の支給開始年齢の引上げが行われることを踏まえ、職員が定年後の生活に不安を覚えることなく職務に専念し、長年培った能力・経験を有効に発揮できるよう平成13年度から再任用制度が導入されており、定年後も公務内において引き続き働く意欲と能力を有する職員をできる限り再任用していくことが求められている。

人事院としては、各府省に対し指導・助言を行うなど引き続き再任用制度の円滑な運営に向けた取組を進めることとしている。

(2) 公務員の高齢期の雇用問題に関する検討

公的年金の支給開始年齢のさらなる引き上げにより、公務員、民間労働者ともに、平成25年度からは60歳で定年退職しても公的年金が支給されないいわゆる無年金の期間が発生し、平成33年度の60歳定年退職者からは、65歳になるまでの5年間、原則として公的年金が支給されないこととなる。

こうした状況の下、民間企業においては、既に、定年制の廃止、定年年齢の65歳以上への段階的引上げ又は再雇用制度等の導入が法律によって義務付けられ、さらには、使用者による再就職援助、雇用保険による休職者給付、高年齢雇用継続基本給付金など再就職ニーズや高齢期の収入の減少に対する様々な支援措置の制度化も進んでいる。

このため、平成19年8月の給与勧告時の報告において、平成25年度を見据えて、民間と同様に年金支給開始年齢までの雇用継続を図ることを前提に、公務における高齢期の雇用確保策について、①定年制の廃止又は65歳までの定年延長、又は②再任用の義務化という方向性の下に、次のような視点から総合的な検討を行う必要がある旨言及した。

この問題については、各方面の意見を聴するほか、平成19年9月に、学識経験者を中心とする「公務員の高齢期の雇用問題に関する研究会」(座長:清家篤慶應義塾大学商学部教授)を設け、幅広い検討を進めている。


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