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第1編 人事行政

【第3部】 平成19年度業務状況

第1章 職員の任用

第2節 任用状況

1 採用状況

職員の採用は、公開平等の競争試験によることが原則である。採用試験に合格した者は、採用試験ごとに作成される採用候補者名簿(以下「名簿」という。)に記載され、任命権者は、名簿に記載された者の中から採用(以下「試験採用」という。)することとなる。

Ⅰ種試験名簿からの採用の場合は、任命権者からの請求に応じ、人事院が、採用候補者の志望を考慮して適当と認める人数の候補者を受験成績の高得点順に提示(推薦)し、任命権者はその中から選択し採用する。Ⅰ種試験名簿以外の名簿からの採用の場合は、名簿(人事院が適当と認める名簿を含む。)に記載されている候補者の中から、任命権者が任意に選択し採用する。

教育職、医療職のように採用試験を実施していない官職及び原則として競争試験により採用することとされている官職のうち特別な知識、技術等を必要とする官職等については、競争試験以外の能力の実証に基づく試験の方法である選考による採用(以下「選考採用」という。)が行われている。

(1) 平成18年度採用者総数

職員の任用状況の実態を把握し、任用施策等の検討に資するため、毎年「一般職の国家公務員の任用状況調査」(以下「任用状況調査」という。)を実施している。本調査によれば、平成18年度における採用者総数は、28,542人(男性18,054人、女性10,488人)であり、平成17年度に比べ3,687人増加(男性2,312人、女性1,375人)している。採用者総数のうち、試験採用者は15,531人、選考採用者は13,011人(うち特別職職員、地方公務員、非特定独立行政法人職員、国立大学法人職員及び公庫、公団又は事業団等職員(特・地・公等)からの人事交流による採用は4,119人)となっている。(図1−3

なお、特定独立行政法人では選考採用者が多いが、これは、国立病院機構の医療職などにおいて中途離職者が多いため頻繁に欠員補充をしなければならないこと等によるものである。

[図1-3]職員の採用状況

採用者総数を男女別構成比でみると、図1−4のとおり、女性の割合は最近5年間30%台で推移している。

[図1-4]最近5 年間の採用者の男女別構成比

試験採用者を採用試験の種類別でみると、Ⅰ種試験による者は593人(試験採用者全体の3.8%)、Ⅱ種試験及びこれに相当する試験による者は2,615人(同16.8%)、Ⅲ種試験及びこれに相当する試験による者は2,341人(同15.1%)、国税専門官採用試験及び労働基準監督官採用試験による者は1,003人(同6.5%)、郵政総合職採用試験による者は48人(同0.3%)、郵政一般職採用試験による者は8,931人(同57.5%)となっている。給与法適用職員についてみると、試験採用者は6,279人となる。(資料1−17

(2) 採用候補者名簿からの採用

平成18年度の採用試験の結果に基づき作成された名簿(海上保安学校学生(特別)名簿については平成19年度に作成されたもの)からの採用状況は表1−3のとおりである。国家公務員T種、国税専門官、労働基準監督官及び海上保安学校学生(特別)以外については名簿失効時の状況であり、国家公務員Ⅰ種、国税専門官及び労働基準監督官についてはほとんどが平成19年4月に採用され、海上保安学校学生(特別)についてはほとんどが同年10月に採用されている。

これらの名簿からの採用者数は、前年度名簿に比べ、819人(男性562人、女性257人)減少している。

[表1-3]採用候補者名簿からの採用等の状況(平成20年3月31日現在)
ア Ⅰ種試験名簿からの採用状況

Ⅰ種試験の名簿は3年間有効であり、旧年度名簿からの採用を含めた採用者数は590人で、前年度に比べ3人減少しており、平成20年3月31日現在における残存者数は212人となっている。残存者の大半は、大学院修士課程等への進学等のため提示の延期を申し出ている者である。(表1−4資料1−15)

[表1-4]国家公務員採用Ⅰ種試験の年度別学歴別の合格者数及び採用者数
イ Ⅱ種試験及びⅢ種試験名簿からの採用状況

Ⅱ種試験名簿からの採用者数は1,822人で、前年度に比べ943人減少し、Ⅲ種試験名簿からの採用者数は1,073人で、前年度に比べ201人減少している。

(3) 採用試験に準ずる試験による採用

意匠学、獣医学等の専門的知識又は技術を必要とする官職については、採用予定数が少ないこと等から正規の試験は行っていないが、関係府省においては、「正規の試験に準ずる試験」を行っている。試験の内容及び方法は、正規の試験とほぼ同様であり、人事院は、教養試験問題の提供、専門試験問題の作成指導等の援助を行っている。

平成19年度においては、「Ⅰ種試験に準ずる試験」として意匠学及び獣医学の2区分、「Ⅱ種試験に準ずる試験」として畜産及び造船工学の2区分について実施した。

なお、平成18年度に実施した「Ⅰ種試験に準ずる試験」により採用された者は16人、「Ⅱ種試験に準ずる試験」により採用された者は29人となっている。(資料1−16)


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