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第1編 人事行政

【第3部】 平成19年度業務状況

第2章 人材の育成

8 派遣研修


各府省の行政官を国内外の大学院等や民間企業等に派遣する派遣研修の制度を運営、実施している。

(1) 在外研究員制度
ア 行政官長期在外研究員制度

行政の国際化が進展する中で、国際的視野を持ち、複雑・多様化する国際環境に的確に対応できる行政官の育成を図ることを目的に、各府省の行政官を2年間諸外国の大学院等に派遣し、研究に従事させる制度である。

派遣される研究員は、在職期間が8年未満の行政官で、各府省の長が推薦する者のうちから、人事院の選抜審査及び大学院等の選考を経て決定している。

平成19年度は122人を派遣し、派遣先国(地域)別の内訳は、米国94人、英国21人、フランス3人、中国2人、カナダ及びオーストラリア各1人となっている。

昭和41年度の発足以来、平成19年度までに派遣した研究員の総数は2,277人で、昭和62年度以降着実に増加し、平成14年度以降、派遣者数は毎年度120人以上で推移している。(図2−2

[図2-2]行政官長期在外研究員派遣者数の推移

派遣先国(地域)別の内訳は、米国1,723人、英国297人、フランス130人、ドイツ57人、カナダ44人、オーストラリア17人、中国4人、オランダ2人、デンマーク、韓国及び台湾各1人となっている。

この制度の修了者は、そのほとんどが派遣期間中に修士号の学位等を取得するとともに、帰国後、再び海外の第一線で活躍する者が多い。国内にあっても、国際的視野に立った行政施策の企画・調整の衝に当たるなど、我が国行政の国際的な活動において、大きな役割を担っている。

イ 行政官短期在外研究員制度

諸外国において専門的な知識、技能等を習得させることにより、増大しつつある国際的業務に適切かつ迅速に対処し得る人材の育成を図ることを目的に、各府省の行政官を約6か月間又は1年間、諸外国の政府機関等に派遣する制度である。

派遣される研究員は、在職期間がおおむね6年以上で、かつ、職務の級が行政職俸給表{1}の3級以上(他の俸給表についてはこれに相当する級)の行政官で、各府省の長が推薦する者のうちから、人事院が選抜審査を行って決定している。研究員は、諸外国の政府機関、国際機関等に派遣され、それぞれの課題について調査研究活動に従事する。

平成19年度は36人を派遣しており、派遣先内訳は、表2−9のとおりである。

昭和49年度の発足以来、平成19年度までに派遣した研究員の総数は1,220人で、派遣先国(地域)別の内訳は、米国601人、英国261人、オーストラリア79人、ドイツ53人、フランス51人、カナダ48人、その他127人となっている。

研究員が帰国後に提出する研究報告書は、海外の制度、実情に関する最新の情報であり、関連する行政分野における貴重な資料として、各府省の行政に反映されている。

また、国際的な場で活躍できる人材の育成に資するため、平成20年度から短期在外研究員制度に「実務体験型コース」を新設することとし、平成19年度中に具体的な派遣候補者について米国連邦政府機関と折衝を進めた。

[表2-9]平成19年度行政官短期在外研究員派遣状況

(2) 国内研究員制度
ア 行政官国内研究員制度(大学院コース)

高度の専門知識、技能を持った行政官を育成し、行政の複雑・高度化に対処することを目的に、各府省の行政官を2年間を限度として、国内の大学院の修士課程に派遣し研究に従事させる制度である。

派遣される研究員は、在職期間が2年以上おおむね16年未満で、かつ、職務の級が行政職俸給表{1}の1級から6級まで(他の俸給表についてはこれに相当する級)の行政官で、各府省の長が推薦する者のうちから、人事院の選抜審査及び大学院の入学試験を経て決定される。

平成19年度は、21人の研究員を派遣した。(表2−10

[表2-10]行政官国内研究員(大学院コース)派遣状況

イ 行政官国内研究員制度(司法修習コース)

各府省の行政官のうち、司法試験に合格している者を司法研修所に派遣して、法律に関する理論と実務の研究に従事させることにより、複雑・高度化する行政に対応し得る専門的な法律知識等を修得させることを目的としている。

平成19年度は1人の研究員を派遣した。なお、昭和63年度の発足以来、平成19年度までに派遣した研究員の総数は24人となっている。

(3) 民間派遣研修制度

職員を民間企業等に派遣して、その業務を体験させることにより、民間企業等の業務運営の手法等を理解させることを目的としている。

平成19年度は、地方機関からの派遣も含めて、4府省から14人が派遣された。


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